【マラソンのサプリメント徹底解剖】シーン別にサプリの活用法を解説
もしあなたが日々マラソンのトレーニングやランニングに取り組んでいるのであれば、より効率的に自身の目標を達成するために、様々なアイテムを活用しているはずです。
今では国内外問わず、実に様々なランニンググッズ・アイテムが存在します。
中でもサプリメントの市場規模は全体で、1兆5,000億以上を誇り、マラソンランナーに特化したサプリメントも特にここ数年で増加している印象があります。
サプリメントは上手く活用することができれば、マラソンのパフォーマンス向上、ウエイトコントロール、疲労回復に役立ちます。
ですが、マラソンのサプリメントの数が増える一方で、「どのサプリメントをどのように活用していけば良いのか、分からなくなってきた・・・」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は「マラソンのサプリメント徹底解剖」と題して、そもそもどんな種類のマラソン用サプリメントがあるのか?どんな状況でどんなサプリメントを活用すれば良いのか?
シーン別に紹介していきます。
主に、①トレーニング期間中、日常生活の中で活用するサプリメント、②マラソンレース中(レース前、レース中、レース後)に活用するサプリメントに分けて解説していきます。
目次
トレーニング期間中、日常生活の中で活用するサプリメント
まず、日頃のトレーニング、日常生活の中でサプリメントを使用する前に、日頃の食生活を見直す事から始めましょう。食生活の乱れをサプリメントで補うのではなく、食事でまかないきれなかった栄養素をサプリメントで補うことが重要です。
これから様々なサプリメントを紹介していきますが、全てが必要というわけではなく、目的に応じて使用していきましょう。
それらを踏まえて、トレーニングや日常生活で活用するサプリメントは主に、①疲労回復系②脂肪燃焼系③抗酸化系サプリメントに分けることができます。
※正式な分類法があるわけではありません。
疲労回復系サプリメント
トレーニングによって身体には大きなストレスが加わります。筋トレだけでなく、ランニングでも筋肉にダメージは加わりますし、水分や塩分が失われます。特に女性の場合は、「鉄欠乏性貧血」という言葉に象徴されるように、鉄分も多く失われます。
特に必要となる栄養素はタンパク質、ビタミン・ミネラルです。
タンパク質摂取のポイントは、トレーニング後に素早くタンパク質を補給することができるかどうか?です。トレーニング後30分以内にタンパク質を補給することで、身体へ加わったダメージからの回復を図ります。
関連記事:アスリートも実践!ランニング後の疲労回復方法おすすめ5選
トレーニング後のタンパク質補給というと、プロテインを想起される方が多いのではないでしょうか?
もちろん、プロテインでも大丈夫なのですが、より分子の小さなアミノ酸として摂取することも可能です。
アミノ酸はプロテインよりも分子が小さい分、吸収が速いという特徴があります。その分、コストはかかりますので、目的に応じてプロテインを活用するのか?アミノ酸を活用するのか?を考えると良いでしょう。
詳細はなぜマラソンランナーはプロテインではなくアミノ酸サプリメントを飲むのか?の中で解説をしています。
ビタミン・ミネラルを摂取ることの目的は多岐にわたりますが、マラソンやランニングの場合は特に発汗によってナトリウムやカリウム、カルシウムが失われます。
ナトリウムは基本的に普段の食事で補うことができますが、カリウムやカルシウムは意識的に摂取する必要があります。
ハードなトレーニングを続けていると、疲労もたまり、免疫力が低下して風邪を引いてしまうリスクもあります。なので、積極的にビタミンAやビタミンCを摂取し、不足分はサプリメントを活用するようにしましょう。
脂肪燃焼系サプリメント
マラソンレースで高いパフォーマンスを発揮することを考えた場合、体重や体脂肪のコントロールは重要ですし、ランニングでダイエットをした先に、マラソンレースを考えている、という人も沢山います。
日々のウエイトコントロールや、ランニングで効率よく脂肪を落としていこうと考えた際に役立つのが燃焼系のサプリメントです。
身体に蓄えることのできるグリコーゲン(糖が連結したもので、筋肉や肝臓に蓄えられているもの)の量は限られているのに対し、脂肪は豊富に蓄積することができます。
特にトレーニング中やレース中に糖質の利用をセーブしながら、脂肪を活用できるようになると、ダイエットにもなりますし、マラソンのパフォーマンスアップにも有効です。
少ないエネルギー補給で長時間の運動ができるわけですから。
最近では脂肪の活用とグリコーゲンの補給を速めるヒドロキシクエン酸という成分が注目されています。トレーニングのみならず、レース時にも活用できるサプリメントです。
参考記事:ランニングのダイエット効果を高めながらマラソンの自己ベストが目指せる一石二鳥のサプリメント
抗酸化系サプリメント
ランニングやマラソンは健康の保持増進に役立つ、という側面ばかりではありません。ハードトレーニングによって免疫力が低下することもありますし、中でも「活性酸素」は身体にとってデメリットとなる場合もあります。
活性酸素は体内に取り込んだ酸素を利用し、代謝される過程で自然発生するものです。活性酸素が増え過ぎると身体にとって害をもたらします。
なので、活性酸素によって身体が「サビ付かない」ように、食事やサプリメントを活用しながら対処していく必要があります。活性酸素に対処するにはいわゆる抗酸化系サプリメントが有効です。
具体的なサプリメントに関しては下記の記事の中にも書いていますので、参考にしてみて下さい。
関連記事
ランニングの効果を高めるには活性酸素に対処することが鍵となる!
マラソンレース中に使用するサプリメント
サプリメントは本来、食事を補助するものではありますが、特にマラソンレースの場合はどうしてもサプリメントに頼らざるを得ません。
基本的に、マラソンレースでは身体だけでなく内蔵に大きな負担が加わるので、食事をベースに考えてしまうと、高いパフォーマンスを発揮することが難しくなってしまいます。
なので、ファンラン的にマラソンレースに参加する以外は、積極的にサプリメントを活用していきましょう。
マラソンレース中に飲むサプリメントは①マラソンレース前に使用するサプリメント②マラソンレース中に使用するサプリメント③マラソンレース後に使用するサプリメントに分けて考えます。
※重複するものもありますが、分けて考えると理解が深まるはずです。
マラソンレース前に使用するサプリメント
マラソンレース前に飲むサプリメントの位置付けは、高強度な運動(レース)の準備をするためです。レースを走ることは身体に大きなダメージを与えることになります。
筋肉へのダメージはもちろん、乳酸の蓄積やエネルギー切れを起こすことも考えられます。
なので、レース前に摂取するサプリメントは
①筋肉のダメージを最小限に抑えるためのアミノ酸サプリメント
②蓄積した乳酸の除去を促し、乳酸をエネルギーとして再利用するサプリメント
③レース中、エネルギー源として脂肪を活用できるようにするサプリメント
となります。
アミノ酸サプリメントに関しては、マラソンレースで必ず携帯したいアミノ酸サプリメント・ベスト5を徹底比較してみたの中で紹介をしています。
乳酸の除去や乳酸をエネルギー源として再利用するメカニズムやそのサプリメントに関しては、【カツサプの効果】カツオペプチドでマラソンの持久力を向上させる方法論の中で紹介をしていますが、カツサプはアミノ酸サプリとしても活用できるので、レース前、レース中の両方で活用できるサプリメントとなっています。
レース中に、脂肪をエネルギー源として活用するには、サプリメントだけでなく普段の食生活も重要なポイントです。
脂肪をうまく活用してマラソンのパフォーマンスを高める方法の記事の中で、普段の食生活からサプリメントの活用方法まで解説していますので、ご覧ください。
マラソンレース中に使用するサプリメント
マラソンレース中は特に、エネルギー(糖質)、ナトリウム、水分の摂取が欠かせません。フルマラソン以上のレースになると、体内で蓄えているエネルギーだけでは、途中でエネルギー切れを起こしてしまいます。
なので、レース中であってもエネルギー(糖質)の補給は不可欠です。もちろん、日本のマラソンレースであれば、エイドステーションでおにぎりやパンなどの「炭水化物」を補給することが可能です。
ですが、マラソンなど激しい持久系スポーツの場合、レース中は骨格筋への血流が優先され、内蔵への血流は不足してしまいます。つまり、レース中は消化・吸収能力が落ちてしまいます。
おにぎりやパンなどの固形物は消化・吸収に時間がかかり、胃腸の負担も大きくなることから、レース中はジェル(エナジージェル)のサプリメントを取ることが一般的です。
ジェル状になった糖質であれば、胃腸に加わるストレスを少なくした状態でエネルギーを摂取することができます。
今は国内外、様々なメーカーがジェルを販売しています。基本的に市場に出回っているものは全て試し、マラソンレースで活躍!補給で使えるエナジージェル比較まとめの中で紹介していますので、参考にしてみて下さい。
特に外気温が高いレースでは汗となって、水分やナトリウムが失われてしまいます。エナジージェルを摂取することで、ある程度のナトリウムは摂取することが可能です。
ただし、水分に関しては別途こまめに取っていく必要があります。
最近では水分補給をしながら、同時に多くのエネルギーを摂取できるようなサプリメントも開発されています。
関連記事:MAURTEN(モルテン)のスポーツドリンクがマラソンの水分補給の常識を変える!
マラソンレースの場合に多いのは、最後の30km以降に失速をしてしまうことです。
失速の原因は色々と考えられますが、長時間に渡り筋肉を動かし続けることで、筋肉へのダメージが蓄積されることも考えられます。
また、フルマラソンの「30kmの壁」はなぜ現れるのか?その原因を考察してみた!の記事中にもあるように、筋グリコーゲンが枯渇することで、後半の失速を招くことも考えられます。
そこで、マラソンレース中にも筋肉のダメージを最小限に抑えるためにアミノ酸サプリメントを摂取することと、エネルギー補給と合わせて、体内の脂肪を活用すべく、脂肪燃焼系のサプリメントを活用するのも一つの手です。
脂肪の有効活用とグリコーゲンの補給を速めるために開発された、ヒドロキシクエン酸を含むサプリメントを活用すれば、脂肪を活用しながらエネルギー切れを起こすリスクも少なくなるのでおすすめです。
マラソンレース後に使用するサプリメント
マラソンレース後にサプリメントを摂取するのは、翌日以降にできる限り疲れを残さないためです。
特に市民ランナーの場合、レースが日曜日にあり、翌日には仕事が控えている場合がほとんどでしょう。
翌日以降に筋肉痛を残さない、レースで免疫力が低下して、風や体調不良などを起こさないように、しっかりと栄養補給をしておくことが大切です。
考え方としては、トレーニング後のサプリメント摂取と同じです。
ですが、特にレース後は内蔵での消化吸収力が落ちていますので、プロテインよりもアミノ酸を摂取したほうが負担が少なく、素早く吸収されるのでおすすめです。
基本的にはレース中に使用するアミノ酸サプリメントと同じもので構いませんが、レース後はBCAAの含有量が多いもの、クエン酸を含んだサプリメントを使用すると良いでしょう。
まとめ
今回はマラソンで使用するサプリメントを「総まとめ」する感じで、どんな状況でどんなサプリメントを使用するのか?を紹介していきました。
これまで、マラソンやランニング用の「エナジージェルサプリ」「アミノ酸サプリ」「プロテイン」「抗酸化系サプリ」などなど、カテゴリー毎にサプリメントを紹介してきました。
ですが、今回はシーン別ということで、より大枠の中で紹介できたと思います。
各カテゴリーのサプリメントについては、詳しい記事を別で書いていますし、それぞれのリンク先で読んでもらえればと思います。
この記事の中では「マラソンレース中ならこういうサプリメントを飲めば良いんだな!」「トレーニング後はこういう考え方で、こういったサプリメントを飲めば良いんだな!」ということが理解できれば大丈夫です。
繰り返しになりますが、サプリメントの活用する前に、まずは食事・食生活を見直していきながら、必要なものはサプリメントで補うようにしましょう。