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ランニングで発生する活性酸素に対処する方法

ランニングお役立ち情報
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「スポーツをしている人ほど寿命が短い」という、一見矛盾したような話を聞いたことはありませんか?

スポーツは体に良いことのように思いますが、実は統計的にもスポーツ選手はスポーツを行っていない人よりも寿命が短いことが示されています。

その原因は様々ありますが、主な原因は活性酸素だと考えられています。
※日本SOD研究会の報告による。

活性酸素は体内でエネルギーを作る過程で生成する、酸化能力の強い酸素のことです。

マラソンやランニング中にもエネルギーが必要なので、体内で活性酸素が作られていきます。

そのため、ランニングやマラソンの練習中、試合時に発生する活性酸素をどう対処するか?考えることは重要となります。

そこで今回は体内での活性酸素の影響や処理方法、マラソンとの関わりについて紹介していこうと思います。

活性酸素の発生・反応・除去

人はエネルギーを作り出す時、糖質や脂質をエネルギー源としてミトコンドリアというエネルギー工場でエネルギーに変換します。その際酸素を消費するのですが、その酸素の一部は電子を一つ失い、活性酸素へと変化してしまいます。

酸素分子には電子が16個あり安定した状態なのですが、電子が1つなくなると不安定な状態となり、他の物質から電子を横取りしようとして反応性が高まります。

反応性の高まった活性酸素は細胞やDNAに無作為にダメージを与えてしまいます。その結果、活性酸素により寿命が縮まると言われているのです。

マラソンをしていると安静にしているよりもよりエネルギーが必要となります。するとエネルギーを生み出す過程で使われる酸素が多くなり、必然的に活性酸素も多く作られてしまいます。

しかし、体内には活性酸素による害を防ぐためにこれを取り除く酵素が存在します。

そのような酵素はたくさんありますが、代表的なものがSOD(スーパーオキシドディスムターゼ Superoxide Dismutase)です。

この酵素は電子が一つ足りない活性酸素同士を結合させ、お互い安定な状態にする酵素です。こうした反応が起こることで体内から活性酸素を除去しています。

常に悪者のように扱われる活性酸素ですが、実は体に役に立つ機能も果たしているのです。

体には体内に細菌などが侵入した時に白血球やマクロファージなどにより取り除く免疫系というシステムがあるのですが、活性酸素は体内に入ってきた細菌を直接攻撃することで免疫系の一部として働いています。

それでもやはり活性酸素が過剰に増えすぎると体に害を与えてしまいます。体にとって活性酸素は諸刃の劔と言える物質なのです。

活性酸素の対処法

運動をすることは活性酸素を作り出すことだ、と考えると運動をしない方がいいのではないかと考えてしまいますが、そんなことはありませんよね。

しかしこうした話を聞くとどうしても活性酸素が気になり運動ができない、という気持ちも分かります。そこで活性酸素の対処法を紹介していきます。

活性酸素はエネルギーを作り出す際に必ず作られてしまいます。そのため作られてしまった活性酸素の処理能力を高めることが重要となります。

その方法として、抗酸化物質を飲むという方法があります。抗酸化物質は活性酸素に電子を1つ与え、安定な形へと変えてくれます。

抗酸化物質として有名なのは、ビタミンAやビタミンCビタミンE、ポリフェノールなどです。

運動前にこれらを飲むことで運動中に発生する活性酸素を捉えて無害にしてくれます。これで活性酸素を気にせずに運動することができます。

この他に有名な抗酸化物質としてアスタキサンチンが挙げられます。アスタキサンチンについては多くの研究がされており、その効果が示されてきています。

アスタキサンチンを飲むと、体内で発生した活性酸素を除去する酵素の量が上昇することが報告されています。

これはアスタキサンチンがNrf2という、抗酸化酵素の発現を高める転写調節因子を活性化させるからだと考えられています。

また細胞膜にはCPTという、脂肪を細胞内へ運び込むタンパク質があるのですが、活性酸素によりこのタンパク質が壊され、脂肪の取り込み能力が落ちてしまいます。

しかしアスタキサンチンを飲むとそれ自身が抗酸化物質として活性酸素からCPTを守り、脂質代謝を落とさないようになることが知られています。

また、脂質代謝が高まるなら体内のグリコーゲンを節約することで持久的な運動パフォーマンスが高まることも考えられます。

実際に、マウスにアスタキサンチンを与え、疲労困憊になるまで水泳運動をさせたところ、アスタキサンチンを与えたマウスでは運動時間が長くなりました。

アスタキサンチンは抗酸化物質としての役割だけでなく、持久的な運動パフォーマンスの改善にも役に立つすごい物質なのです。

もう1つ、オリゴノールという抗酸化物質も有名です。

緑茶やワインなどに含まれるポリフェノールという物質はよく聞いたことがあるかと思います。

ポリフェノールはフェノールという物質がたくさん結合した物質のことを指します。

オリゴノールはこのポリフェノールを低分子化した物質です

オリゴノールの特徴として、分子の大きさが小さいため小腸での吸収効率が高いということが挙げられます。そのためオリゴノールはポリフェノールよりも効率的に抗酸化作用を示すのです。

実際にオリゴノールを飲むと運動時の疲労感が軽減したり、炎症マーカーを抑制するといった報告がされています。

この他に、培養細胞の実験では、オリゴノールを加えることでSIRT1というタンパク質が活性化され、その結果SOD(先程紹介した抗酸化酵素)の活性が上昇し、活性酸素の生成が抑制されることが報告されています。

まとめ

今回は活性酸素とは何か、どのように作られて処理しているのか、どうした対策があるかについて紹介してきました。

活性酸素から体を守る方法として抗酸化物質を飲むことが挙げられます。その中でもアスタキサンチンやオリゴノールは体内の抗酸化酵素を増やしたり持久的運動パフォーマンスの改善に役に立ちます。

日頃から激しいトレーニングをしている方は一度活性酸素について考えて抗酸化物質のサプリメントなどを取り入れてみてはいかがでしょうか?

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中野卓

中野卓

運動生理学、スポーツ栄養学を専攻する大学院生。
トレーニング効果を高める栄養素についての研究を行っている。
マラソンやランニングに関する有益な情報を、運動生理学やスポーツ栄養学的な観点から発信していきます。

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