健康のためにと思って始めたランニングがまさかの逆効果に・・・

ランニングにはどんな効果があるのか?
ほとんどの人が「良い効果」を期待して、走り始めます。
体重が落ちる、体力・スタミナがつく、足腰が強くなるといったフィジカル的な効果から、気持ちがスッキリする、頭がクリアになる、目標を達成した時の達成感がたまらい!という効果を実感する人もいるでしょう。
世の経営者が密かに実践しているランニングのルール、ビジネスマンの間で話題になっているランニングに関する「考え方」が変わる5つのポイントでも紹介していますが、ランニングは心身の健康だけではなく、仕事やビジネスにおいてもプラスとなるような効果があるわけです。
他にも「健康」だけじゃない!ランニングで得られるちょっと以外な効果とは?の中でもご紹介した通り、小さな成功体験を積み上げることによって自信がつくという効果もあるでしょうし、「ランニングで人生が変わった!」という人がいてもおかしくありません。
ある意味、良い効果ばかりが注目されるランニングですが、逆にランニングを行うことによるデメリット、マイナスの効果はないのでしょうか?
一番最初に思い浮かぶのはランニングによる怪我や痛みに関すること。
ザムスト(日本シグマックス)が大阪マラソンEXPO2014で行った1159人のランナーに対するアンケートによると、膝に何らかの不安を感じているランナーは8割もいるそうです。
怪我や痛みに関することはランニングに限らず、スポーツをやっている以上、必ず向き合わなければなりません。
そのためにストレッチやトレーニング、ランニングフォームを含めた身体動作の修正など、様々な対処法が存在しますし、ランナーズNEXTの中でもご紹介しています。
怪我や痛みに関しては「痛みの有る無し」で判断することができます。
ですが、健康のためだと思ってやっていたランニングが、気付かいない内に実は不健康に向かっていた・・・
など問題が表面化してしていないケースもあります。
問題がまだ表面化していないけれど、実はランニングをすることで身体にとってマイナスの効果を生んでしまうもの・・・
その中の1つが「活性酸素」です。
そこで今回は、なかなか普段目を向けにくく、ランニングに取り組むことで起きるマイナス効果。その中でも、活性酸素に目を向けて解説していきたいと思います。
目次
活性酸素とは
活性酸素とは「活性化」された酸素のことです。
活性化された酸素ということで、酸化する力が強く、細菌作用が強いため、活性酸素は身体内の細菌を除去してくれる効果があります。
活性酸素にもいくつかの種類があり、代表的なものはスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素などがあります。
それぞれを簡単に解説すると、
スーパーオキシド
4つの中では一番ポピュラーな活性酸素。体内で大量に発生しますが、そもそも人間にはスーパーオキシドを分解する酵素(例えばSOD酵素)があるので、それほど心配の必要な活性酸素というわけではありません。
SOD、正式名称はスーパー・オキサイド・ディスムターゼ。
人間の身体は過剰な活性酸素のマイナス効果を防止するために、体内の細胞でSODを生産します。
このSODのお陰で過剰なスーパーオキシドを分解しようとしているわけです。
過酸化水素
過酸化水素は私たちの生活に必要な物質であり、これ自体は安定な物質ですが、わずかなきっかけで強い酸化力を持ったヒドロキシラジカルに変身する不安定さがあります。
ヒドロキシラジカル
ヒドロキシラジカルは強い酸化力を持ち、人間の体内の脂質、タンパク質、糖質、核酸などを酸化させます。
その酸化力は活性酸素の中で最も強力で、細胞を構成する全ての物質を酸化し障害をおこします。
細胞器官や細胞膜、DNAに障害がもたらされ、やがて老化や疾患に繋がるというメカニズムが働くため、悪性の強い活性酸素です。
一重項酸素
一重項酵素は紫外線を浴びることで発生する活性化酸素です。ヒドロキシラジカルはコラーゲンやエラスチンなど皮膚の若さを保つタンパク質を破壊します。
なので、一重項酵素が増えるとお肌のトラブルも増えてしまうわけです。
一般的には活性酸素=身体にとって良くないもの、という認識が強いですが、細菌の除去などを考えると身体内になくてはならない存在です。
ただし、活性酸素はその量が多くなってしまうと、逆に細胞にダメージを与えることにも繋がります。
では、ランニングをしなければ活性酸素は作られないのか?というとそうではなく、呼吸で取り入れた酸素のうち、約2%ほどが活性酸素になると言われています。
成人では安静時に1日あたり およそ430 L消費しているますが、その大部分はスーパー・オキサイド・ディスムターゼ(SOD)などの抗酸化酵素の働きによ り除去されています。