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ランニング中の心拍数は心拍ベルトで測る?手首で測る?

 2018/10/29 マラソンとトレーニング ランニングノウハウ
この記事は約 7 分で読めます。 1,569 Views

ランニング中に心拍数を計測することの重要性は、少しずつではありますが広がりつつあります。胸部に装着する心拍ベルトは「面倒」「締め付けられるのが嫌」ということで敬遠していた人でも、手首で脈拍を計測できる光学心拍計が普及してからは手軽に心拍数を計測できるようになりました。

最近のGPSウォッチには、ほとんどの場合「光学心拍計」で心拍を計測できる機能が搭載されています。なので、何となく心拍数が計測できているという状態の人もいるでしょう。

ですが、手首で手軽に心拍数を計測できるようになったとは言え、心拍ベルトを装着してランニングに取り組んでいる方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、ランニング中に心拍数を計測する場合、光学心拍機能を活用して心拍数を計測する場合と、胸部に心拍ベルトを装着して心拍数を計測することのメリットやデメリットなどを比較していきましょう。

参考記事:【心拍トレーニングと運動強度】ランニングのパフォーマンスUPに必要なこととは?

心拍ベルトのメリット・デメリット

心拍ベルトを使って心拍数を計測することを「昔のやり方」「旧式」と表現される方もいらっしゃいます。

確かに、最近のGPSウォッチには光学心拍計が搭載されているので、わざわざ心拍ベルトで心拍数を計測しなくても良いような気がしてしまうのかもしれません。

ですが、心拍ベルト=旧式の計測方法というわけではないのです。

光学心拍計は手首で脈拍を感知しているのに対し、心拍ベルトを活用すれば、心臓の拍動に近いところで心拍数をキャッチできます。つまり、心拍数計測の精度は、必然的に光学心拍計よりも心拍ベルトの方が高くなります。

なので、心拍数の精度という面で考えると、心拍ベルトには大きなメリットがあります。

一方、デメリットは(デメリットと感じるかは個人差がありますが)胸部にベルトを装着しなければならないことです。光学心拍計で心拍数を計測する場合は、ベルトの装着は不要なので、ある程度の面倒臭さは生じてしまいます。

胸部の締め付けがキツイと感じる方もいらっしゃるでしょうし、ベルトが緩くなってズレ落ちてくる・・・という不満もあるようです。

身体に直接装着しますので、ベルトに汗が染み込みます。心拍ベルトは洗濯や手入れが必要になるので、多少の手間暇はかかってしまいます。

光学心拍計のメリット・デメリット

光学心拍計のメリットは、時計を装着して走りさえいれば、心拍が計測できること。

これまでは「ランニング中の運動強度を把握するために、心拍数の計測は大事だよね!」と頭では分かっていながら、なかなか実践ができていない・・・という方も多かったはずです。

そこに光学心拍計が登場したことで、手軽に心拍数を計測できるようになりました。

ただし、前述したようにランニング中の心拍数の精度は、心拍ベルトに比べると落ちてしまいます。

センサーを長年利用した場合は、当然センサーそのものの精度も落ちてしまいます。いわゆる「寿命」ですね。

心拍ベルトの場合は電池式のものがほとんどなので、心拍数計測の精度はある程度担保されます。もちろん、ベルト部分はゴムなので、劣化をしていきます。
※参考までに、現在私は2年半程同じ心拍ベルトを使用しています。電池を交換した以外は問題なく、使用できています。

身体の末端部分(手首)で計測しているので、仕方がないことではありますが、もし心拍数計測の誤差が大きければ、計測しても活用できない・・・という事態になってしまいます。

光学心拍計は時計の裏側で緑色の光を発するので、一部光に対するアレルギー反応が出てしまう人もいるようです。

心拍ベルトと光学心拍計の精度の違い

次に、心拍ベルトと光学心拍計で心拍数を計測した時の精度の違いについて考えてみましょう。

心拍ベルトで計測した時と、光学心拍計で計測した時との違いがわかれば、どちらで計測するかの判断が簡単になります。

実際にどれくらいの数値差が出るのでしょうか?

メーカーは異なりますが、あるランニングアクティビティの際に、心拍ベルトと光学心拍計で同時に心拍数を計測してみました。

まずは心拍ベルトを使って取得した心拍数のデータ(グラフ)です。

この時の平均心拍数は141bpm、最大心拍数は153bpm.平均ペースは6:18/kmでジョギングペースだと考えてください。
※夏場に計測したデータなので、ペースに対して心拍数が高く出ています。

次に、光学心拍計で計測した心拍数のデータ(グラフ)です。グラフは先ほどのものと比べても、同じような波形となっています。

この時の平均心拍数は142bpm、最大心拍数は154bpm。心拍ベルトで計測したものと、ほとんど変わりはありません。

ランニング中の心拍数計測で心拍ベルトは不要なのか?

心拍ベルトで計測した心拍数と、光学心拍計で計測した心拍数がほとんど同じであるのなら、わざわざ心拍ベルトを装着する必要はないのでしょうか?

前述の通り、低〜中程度のスピードで走った時は、心拍ベルトを使って計測した場合でも、光学心拍計で計測した場合でも、さほど数値に違いは見られません。

なので、ビギナーランナーや高い強度のレースやトレーニングを実施しないのであれば、心拍ベルトを使用せずに、光学心拍計で心拍数を計測・管理していくと良いでしょう。

光学心拍計で心拍計測をする際に問題となるのが「高強度のレースやトレーニング」の時です。

例えば、次のデータ(グラフ)は1,000mを全力に近いスピードで走った時の心拍数の変化を表したものです。

まずは心拍ベルトを装着した状態で走った時のグラフです。

平均ペースが3:33/km、途中から心拍数が180BPM以上でランニングをしているのが分かります。

次に光学心拍計で1,000mを全力に近いスピードで走った時のグラフです。

平均ペースは3:29/km、心拍ベルトを装着したグラフと比較すると波形も異なりますし、心拍数は160 bpmにも届いていません。

運動強度が高くなってしまうと、光学心拍計での心拍数計測の精度は身体の末端部分で計測をしているので、落ちてしまいます。高強度で行うランニング(レースやトレーニング)では仕方がないことで、どのメーカーであっても精度は下がる。

なので、高強度のトレーニングを実施する場合は光学心拍計ではなく、心拍ベルトを活用した方が、自分自身のパフォーマンスを正確に把握できます。

GPSウォッチを活用している方であれば、最大酸素摂取量(VO2max)という指標を聞いたことがあるはずです。

最大酸素摂取量(VO2max)とは有酸素能力を評価する指標の一つで、VO2maxの数値が高い程、有酸素能力に優れていると判断することができます。

計測には酸素マスクを装着して、呼気ガス分析を行う必要があります。単位時間当たりにどれくらいの酸素を摂取しているのか?摂取量が多い人ほど、持久力に優れているという判断ができるわけです。

最近では多くのGPSウォッチで、VO2maxの予測ができるようになっています。もちろん、呼気ガスを計測しているわけではありません。では、どうやってVO2maxを予測しているのか?

各社で予測のためのアルゴリズムが違いますが、1つ言えることは「ランニング中の心拍数」がVO2maxの予測に大きく影響をしているということです。

つまり、速いスピードで走った時の心拍数が低ければ、VO2maxの予測値は高くなります。

ということは、光学心拍計を活用して強度の高いランニングを実施すれば、VO2maxの予測値は(一時的に)高くなるということです。

GPSウォッチは心拍データをもとに、様々な予測機能を持っている場合が多いので、GPSウォッチ活用には心拍ベルトの活用をオススメします。

まとめ

ここまでランニング中の心拍数を「心拍ベルト」を装着して計測する方法と「光学心拍計」を使って計測する方法とを比較して見てきました。

どちらにもメリット・デメリットがあり、人によってどちらを選択した方が良いのか?は変わってきます。

もし、健康の保持増進目的・高い強度でのランニングを行わないのであれば、光学心拍計を活用していく。高い強度でランニングを行う場合は心拍ベルトを装着するというのが私なりのオススメです。

心拍を計測することが全てではありませんが、せっかく計測するのであれば活用できるようにしておきましょう。

関連記事:
【心拍トレーニングの限界】心拍に影響を与える7つの要因

ランナーが心拍数だけで運動強度を判断するのは限界がある!

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ランナーズNEXT 編集長

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

鍼灸・あん摩マッサージ指圧師の国家資格者でもあるが、現在はランニングウォッチやパワーメーターなどのデバイスを活用しながら、効率的にマラソンやランニングの目標を達成するためのサポートをしている。

自分自身もマラソンやトレイルランニングの実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

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