COROS VERTIX ロングトレイルに最適なGPSウォッチレビュー
2020年11月、日本初上陸が決定したしたGPSウォッチブランド、COROS(カロス)。
トラックやロードランニングに特化したCOROS PACE 2はクラウドファンディングサイトのMakuakeにて、1,990万円の支援を受けることに成功しました。
その後、トレイルランニングを含めたアウトドア・アクティビティに対応するGPSウォッチ、APEX ProとVERTIXの2つを投入。
本格的な日本での展開がスタートしています。
そこで今回は特にトレイルランニングの100マイルレースを含めた、ロングトレイルに最適なVERTIXについて紹介・レビューしていきたいと思います。
目次
COROS VERTIXとは?
※ケースはゴツくてデカイ!
COROS VERTIXはCOROSが展開するGPSウォッチの中の、フラッグシップモデルです。
トレイルランニングや登山などのアウトドアアクティビティのみならず、トラック競技のアスリート、マラソン、トライアスロンにも対応できるマルチスポーツ対応のGPSウォッチです。
COROS PACE 2はトラックやロードに特化した超軽量級のGPSウォッチ。
そのため、ナビゲーション機能などのトレイルランニングに必要な機能がありません。
APEX ProはVERTIXと同じようなコンセプトのGPSウォッチですが、機能面はVERTIXがAPEX Proの上を行きます。
VERTIXより軽量でGPSを計測した状態でデータが取得できる時間がVERTIXが最大60時間に対し、APEX Proは40時間です。
その他の違いとしては、VERTIXはAPEX Proより見た目がゴツゴツしています。
※VERTIXとAPEX Proを比較した記事は作成し次第、リンクとして追加します。
COROS PACE 2に関する詳細はこちらの記事の中で紹介しています。
関連記事:COROS PACE2はコスパ最強のGPSウォッチ!マラソン世界記録保持者も使用するブランドが日本市場で本格展開
VERTIXの機能・スペック
では次に、VERTIXに搭載されている機能やスペックについて見ていきましょう。
VERTIXはCOROSのGPSウォッチの中では最高の機能とスペックを誇ります。
機能とスペック、そして3つの特徴的な機能について見ていきましょう。
基本スペック
- サイズ:50.8×47×16.8mm
- 重量:約75g
- 防水機能:150m防水
- レンズ素材:サファイアガラス
- ディスプレイの解像度:240×240 ピクセル
- 操作方法:3つのボタンの内、1つがダイヤル操作。アクティビティモードの時のみタッチスクリーン対応。
- 充電時間:最大2時間
- バッテリー駆動時間
日常稼働時間:約45日
GPSモード: 約60時間
長時間モード:約110時間 - 位置情報システム
標準GPS,GPS+GLONASS,GPS+BEIDOU,QZSS - センサー
光パルスオキシメータ、光学式心拍数モニター、気圧高度計、加速度計、方位磁針、ジャイロスコープ、温度計 - 販売価格:72,490円(税込)
SPO2(経皮的動脈血酸素飽和度)計測機能
2021年発売のスマートウォッチに搭載されるようになった、SPO2機能がVERTIXにも搭載されています。
SPO2とは、血液中にどの程度の酸素が含まれているか?を示す指標です。
VERTIXを含めたスマートウォッチは医療機器ではありませんので、あくまで健康管理の一環で使用しましょう。
日常生活はもちろん、特にウルトラトレイルの場合、高低差の大きなレースもあります。空気中の酸素濃度も大きく変化しますので、体調に変化をきたす可能性もあるでしょう。
SPO2の数値は健常人の安静時であれば、基本的に96%以上。もし標高が高くなっていくにつれてSPO2の数値が低くなるようであれば、注意が必要です。
※最近では低酸素環境でトレーニングが実施できる施設も増えました。低酸素環境下のハードなトレーニング時にSPO2の数値を把握しておくと良いでしょう。
ランニングパワーが標準搭載
COROS PACE 2やAPEX Proと同様に、VERTIXにもランニングパワーが標準搭載されています。
ランニングパワーとは、2016年頃からランニングの世界でも考慮されるようになった指標で、簡単に言うと「ランニング中にどれくらいの力を使って走っているのか?」が分かる指標です。
通常であれば、フットポッドや心拍ベルトに内蔵されている加速度センサーを元にランニングパワーは計測されます。
ですが、COROSは時計内のセンサーからパワーを予測するシステムを採用。Polarも同様に時計のみで、ランニングパワーの計測ができるシステムを採用しています。
COROSは独自のパワー計測システムを持ってはいますが、Ant+もしくはBluetooth接続ができる外部センサーとも連携が可能です。
例えば、ランニング用パワーメーターStrydとは公式に連携できるシステムを作っていますし、実際に確認はできていませんが、他社の心拍ベルトとの接続も可能でしょう。
尚、COROSが海外で販売しているCOROS PODは2021年4月現在、日本での販売さされていないようです。
ランニングパワーに関する詳細はこちらの記事の中で解説しています。
関連記事:ランニングのパワートレーニングで得られる5つのメリット
ナビゲーション機能搭載でトレイルランニングにも対応
COROS PACE 2にはなかった機能でVERTIXに搭載されているのが、ナビゲーション機能です。
過去のランニングルートをスマホアプリに保存し、時計と同期させることもできますし、ヤマレコ等の他社サービスで作ったGPXファイルを保存することが可能です。
注意点としては、アプリ内に保存できるルートの数は最大10件となっています。
沢山のルートを用意しておきたいという方は、アプリ内ではなくGPXファイルとして別途保存しておく必要があるでしょう。
また、普段PCを使ってGPXファイルを管理している方も注意が必要です。
COROSにはPC用のソフトウェアがありません。全てをスマホ上で管理していく必要があるため、PCに慣れている人は少し不便かもしれませんね。
COROS VERTIXの使用感をレビュー
VERTIXはAPEX Proと同様に、3つのボタンで操作します(PACE 2は2ボタン式)。
GPSウォッチはタッチスクリーン非対応のモデルが多いので、一般的には4つもしくは5つのボタンで操作する場合が多いのではないでしょうか。
COROSのGPSウォッチの特徴はダイヤル式のボタン操作を採用しているため、ボタンの数は少なくてすみます。
ボタン操作に慣れている方は、はじめのうちは使い勝手の違いに戸惑うかもしれませんが、ダイヤル式の操作にも直ぐ慣れるはずです。
デバイスそのものの使用感については、操作性も高く、シンプルで使いやすいのが特徴的です。
ランニング後のデータをスマホと同期させるのもスピードが速く、今のところ操作やデバイスとの接続にストレスを感じたことはありません。
唯一、個人的に慣れないのは全ての操作をスマートフォン上で行う必要があることです。
これはVERTIXに限らず、COROSデバイス全てに共通しています。
通常、特にトレイルルートを時計内に入れる際は、PC経由で操作をしているので、スマホでのファイル管理に慣れが必要ですね・・・。
COROS製品はスマホユーザーに最適化されたデバイスだと言えるでしょう。
まとめ
今回はCOROSのフラッグシップモデル、VERTIXについて紹介してきました。
ウルトラトレイルレースに参加するようなランナーであれば、「GPSを計測した状態で最大60時間の超ロンングバッテリー」は大きな魅力ではないでしょうか。
これまで「GPSの捕捉頻度が1分間隔て100時間以上」というデバイスはありました。ただ、捕捉する頻度が1分だと、正直距離計測が大幅にズレてしまいます。
ですが、GPSの捕捉頻度が1秒間隔で最大60時間持てば、大抵の100マイルレースでも十分に対応可能です。
最近では、Garminがソーラー充電を含めると最大80時間GPSを含めたデータを計測できるEnduroをリリースしました。
ただし、EnduroはVERTIXの販売価格よりも3万円以上高くなりますので「コスパ」で考えるとVERTIXに軍配だ上がりそうです。
VERTIXを含む、COROS製品の詳細は日本の公式サイトをご確認ください。