SUUNTO7は一歩先を行くアウトドアウォッチ&スマートウォッチ

2020年1月にSUUNTO(スント)から発売されたSUUNTO 7。

これまでSUUNTOがリリースしてきたGPSウォッチの中でも異質の存在であり、ガーミンやポラールといった他社のマルチスポーツ対応GPSウォッチメーカーにはないタイプのモデルとなっています。

SUUNTO 7はナンバリングから判断すると、現時点ではSUUNTO 9と5の間にあるモデルです。

ただし、前述した通りSUUNTO 7は 5や9とは少し趣が違います。

一言で表現するならば、「ランニングやアウトドア・アクティビティでも、スマートウォッチとしても魅力的な機能を搭載した時計」です。

筆者なりに別の表現をするのであれば「高機能な本格派向けのアウトドアウォッチ&スマートウォッチ」となるのではないかと。

これまでのいわゆるランニング系GPSウォッチは、ランニング等のアクティビティではバッテリーの稼働時間を含め、十分な機能が搭載されているものの、スマートウォッチとしての機能には、やや物足りなさを感じていました。

ですが、SUUNTO 7は特にアウトドア・アクティビティ中の魅力的な新機能に加えて、Wear OS by Googleが搭載されている新しいタイプのGPSウォッチでありスマートウォッチです。

Wear OS by Googleとは?

まず、Garmin(ガーミン)やPolar(ポラール)、SUUNTO(スント)といったランニング系GPSウォッチメーカーの中で、SUUNTO 7がはじめてWear OS by Googleを搭載しました。

2020年7月現在でWear OS by Googleを搭載しているSUUNTOのモデルはSUUNTO 7だけです。

SUUNTO 7の上位モデル、SUUNTO 9にもWear OS by Googleは搭載されていません。

Wear OS by Googleとは、Googleがスマートウォッチ向けに開発したAndroidベースのシステムのことを指します。

昔はAndroid Wearという名称でしたが、2018年3月にWear OS by Googleに変更されました。

簡単に言うと、Apple WatchのGoogle版です。

ただ、Apple Watchは時計+内部のアプリケーション全体のことを指しますが、Googleは他社の時計にシステムを付与する形で成立しています。現時点ではハードウェアを含めたGoogle独自の時計はないわけです。

SUUNTO 7はWear OS by Googleを搭載した時計の内の一つであり、ランナーの間では最もポピュラーなブランドと言っていいでしょう。

SUUNTO 7の主なスペック

では次に、SUUNTO 7の主なスペックを見ていきましょう。

<SUUNTO 7の主なスペック>

■サイズ:50 × 50 × 15.3mm

■画像解像度:454 × 454ピクセル

■重量:約70g

■防水機能:5気圧(50m防水)

■レンズの素材:ゴリラガラス

■動作時間

最長40日間/タイムモード(バッテリーセーブモード)

最大12時間/ GPSを使用するトレーニングモード

最大2日間/スマートウォッチとして使用時

■心拍計測:光学心拍計対応。

■標準価格:64,900円(税込)

SUUNTO 7の特徴

Wear OS by Googleによる拡張性の高さ

SUUNTO 7の一番の特徴はやはりWear OS by Googleを搭載した本格派のスマートウォッチということではないでしょうか。

恐らく、今ではほとんどの人がGoogleに関連するサービスを日常的に使っています。

Google検索を筆頭に、Gmail、Google マップ、Googleカレンダー、Googleフォト、Googleホームアプリ、Google Payなど、数え上げればキリがありません。

そんなGoogleが提供しているサービスをSUUNTO 7内で使用することができるわけです。
※現時点ではSUUNTO 7にGoogle Payは対応していません。

Wear OS by Googleによって、今までよりも特にアクティビティ以外のシーンで活用の幅が広がるでしょう。

例えば、ウォッチ上でSTRAVAやヤマレコを使用することも可能です。

個人的にはGoogleがハードウェアとソフトウェアの両方を担うよりも、SUUNTO 7のように他ブランドのハードウェアの中にGoogleの機能を搭載した方が、各ブランドの特色が出ていいのではないか?と考えます。

圧倒的な画像解像度の高さ

まずSUUNTO 7の画面を一目見ただけで、画面の見やすさ、解像度の高さが分かります。

他のGPSウォッチの画面とは本当に比較にならないレベルの見やすさです!

SUUNTO 9の画面も非常に見やすいですが、SUUNTO 9の画像解像度が320×300ピクセルに対し、SUUNTO 7の画像解像度は454 × 454ピクセルと圧倒的な差がついてしまっています。

関連記事:スント 9(SUUNTO 9)ランニングウォッチ・GPSウォッチレビュー

Apple Watch Series 5(44mmサイズ)の画像解像度が368×448ピクセルなので、画面の大きさと解像度という点でSUUNTO 7の画面の見やすさは際立っているわけです。

関連記事:Apple Watchはランニングやマラソンでも「使える」のか?

マップの見やすさ&クオリティの高さ

そして、今回注目したいのは、SUUNTOのウォッチの中で初めてアクティビティ中の地図情報の表示機能が実装されたことです。

これまでSUUNTOのGPSウォッチでは、ルートナビゲーションのみの表示で、周辺情報を得ることはできませんでした。

あくまでルート上に乗っているのか、外れているのか?という情報のみ把握できていたわけです。

ですが、SUUNTO 7ではランニング中の地図情報を得ることができるだけでなく、地図が見やすく(これは非常に重要です)、地形情報や、トレイル、起伏を示す等高線も表示されます。

ランニングウォッチの中では、いち早く地図機能を実装したガーミンと比較しても、見やすさの違いは一目瞭然です。

また、ランニング、スイム、サイクリングを含む15種類のアクティビティでは、内蔵ヒートマップで最も人気のあるルートを確認できます。

他の人のルートをトレーニングに利用することも、人気のルートを避けることも可能です。

特に今のようなコロナ期に役立つ機能ではないでしょうか。

スマートフォンを携帯していなくても、ネットワーク接続がなくても、ルートを検索して最適なトレーニングルートを見つけることができます。非常に便利です。

SUUNTO 7を使用するにあたっての注意点

記事をまとめる前にSUUNTO 7を使用するにあたっての注意点を書いておきます。

ポイントは3つです。

今までのSUUNTOウォッチと操作方法が異なること。

かれこれ6年以上、SUUNTOのGPSウォッチを使用していますが、Ambit 3もSPARTANもSUUNTO 9や5も操作方法が似ているので、例えばAmbit 3 SportからSUUNTO 9に買い替えたとしても、感覚的に使用し始めることが可能です。

ですが、このSUUNTO 7に限って言うと、これまでのウォッチと操作方法が全く異なります。

もしあなたがSUUNTOのウォッチユーザーでSUUNTO 7への買い替えを検討しているのであれば、慣れるのに少し時間が必要だと思った方がいいでしょう。

バッテリーの消費に注意

スマートウォッチの機能が豊富であるということは、機能を多用すると、それだけバッテリーの消費も早くなってしまいます。

例えばスマートフォン上の通知を頻繁に受けてしまうと、通常よりもバッテリーの消費が早くなるわけです。

GPSを使用するトレーニングモードで最大12時間のバッテリー稼働時間ではありますが、使い方によっては短くなる可能性が高いと理解しておきましょう。

レース使用という意味では、フルマラソンや30km~50kmのトレイルランニングレースを目標とするランナーであれば、余裕を持って使用できるはずです。

それ以上の距離や時間を走ることの優先度が高い場合は、SUUNTO 9などバッテリーの稼働時間が長いものを使用するといいでしょう。

外部のBluetoothセンサーと接続した状態でアクティビティができない

SUUNTOアプリ上のアクティビティでは、心拍計ベルトやパワーメーターなど、外部のBluetoothセンサーと接続した状態でアクティビティができない点も注意したいポイントです。

なので、心拍数は手首で計測するよりも胸部で計測したい!ランニングパワーを計測したい!という場合は、Sporty Goなどのアプリケーションを使用してBluetooth接続をする必要があります。

ただ、外部センサーを使用するランナーは少ないと思うので、あまり気にする必要もないかもしれません。

SUUNTO 7をトレイルランニングや登山で活用する

最後に、SUUNTO 7を登山やトレイルランニングなどのアウトドアアクティビティ中に活用する方法を動画でも解説してみました。

2020年8月末の時点では、ヤマレコでルート作成、アクティビティ中の現在地確認を行いながら、スントアプリでペースや心拍数を管理していきます。

現在地やルート確認のためにスマートフォンを出す必要がないので、登山やトレイルランニングに集中できますし、何によりディスプレイが見やすいので、モチベーションも上がるはずです!

心拍センサーやパワーメーターなどの外部センサーを使用しないトレイルランナー、登山家で、長時間の活動をしない方には、SUUNTO 7はオススメです。

まとめ

ここまでSUUNTO 7に関する紹介をしてきましたが、いかがだったでしょうか?

SUUNTO 7は冒頭でも表現したように「高機能な本格派向けのアウトドアウォッチ&スマートウォッチ」です。

もしあなたが、スポーツやアウトドアアクティビティよりも日常生活の中のスマートウォッチ機能をメインに使いたいのであれば、恐らく活用できる機能が多すぎて、値段も他のスマートウォッチよりも高いと感じるかもしれません。

確かに、使いこなすのは簡単ではありません。

「時計をよりシンプルに使いたい!」という人にも向かないかもしれません。

ですが、もしあなたがマラソンやトレイルランニングなどに本格的に取り組む人であれば、SUUNTO 7はオススメです。

他のGPS機能を搭載したランニングウォッチの「一歩先を行くデバイス」であることは間違いないでしょう。

今回、SUUNTO 7が初めてWear OS by Googleを採用したことで、他のSUUNTOのウォッチシリーズがどのようにアップデートされていくのか?他社のデバイスがどのように進化をしていくのか?

今後の動向を注目していきたいと思います。

最後に、SUUNTO 7について操作画面も含めて、動画で少し紹介をしてみましたので、是非ご覧ください。