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マラソンレースでカーボローディングを実施する際の具体的方法と注意点まとめ

 2015/09/30 ランニングお役立ち情報
この記事は約 9 分で読めます。

マラソンのレースに出る人であれば、本番では何とか自分の持っている力を100%出し切りたいと思うはず。

フルマラソン初参加で何とか完走したい、自己ベストを更新したい、何とか最後までバテずに走りきりたい、などなど。

掲げている目標は様々でしょう。

では、レース本番で最高のパフォーマンスを出し切るには、どうしたらいいのでしょうか?

マラソン(特にフルマラソン)は非常にタフなスポーツであり、日頃の練習がそのままパフォーマンスに現れるか?というと、そうとも言い切れません。

その日までどれだけトレーニングを積めたのか、本番までいかに身体のコンディションを整えることができたのか、精神的なコンディションはどうか、前日しっかり睡眠をとることができたのか、胃腸の調子はどうか・・・

様々な要素が絡み合いながら、パフォーマンスの発揮を決定づけています。

その中でも、特に「食」に関する調整は非常に重要です

なぜなら、フルマラソンの場合で考えると、長時間の活動により、多くの血液が筋肉へと奪われ、内蔵の血流は少なくなってしまいます。つまり、レース中は内臓へのダメージが大きくなるということです。

また、フルマラソンやウルトラマラソンの場合、レース時間が短い人で2時間半〜長くて14時間ほどになります。

なので、その分エネルギーが必要です。エネルギーがなくなると、いわゆるガス欠状態になり、一気にパフォーマンスが落ちてしまうわけです。前半、調子が良かったとしても、エネルギー補給を怠ってしまったばかりに、後半のパフォーマンスが落ちてしまった・・・という話はよくあります。

仮にレース当日、食べ物が原因でお腹を下してしまった・・・なんてことが起きてしまったら、レースどころではありませんよね。

中でも「食」に関して、マラソンランナーなら一度は聞いたことがあるであろう「カーボローディング」。

フルマラソンでのパフォーマンスを上げるために、レース前は炭水化物を多くとっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ですが、このカーボローディング、分かっているようで、実は色んな考え方があります。本当にカーボローディングはマラソンのパフォーマンスと関係があるの?と思っている方も多いようです。

そこで今回は、カーボローディングはマラソンランナーのパフォーマンスアップに繋がるのか?

というテーマで、カーボローディングに関する歴史・進化を含め、解説をしていきたいと思います。

カーボローディングとは?

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では、はじめに「そもそもカーボローディングとは何か?」からスタートしましょう。

カーボローディングとは「グリコーゲンローディング」とも言われています。

主に持久系スポーツ(マラソンやトライアスロンなど)において、運動エネルギーとなるグリコーゲンを通常よりも多く摂取することで、体内にグリコーゲンを貯蔵し、本番で貯蔵していたエネルギーを活用できる状態にしておく調整法のことを指します。

マラソンのような持久系スポーツでは、長時間の運動によってエネルギー源であるグリコーゲン(糖質)が徐々に失われていきます。

例えば、空腹状態でフルマラソンに出ようとすると、レースの途中でガス欠状態に陥り、一気にパフォーマンスは低下します。

なので、レース中にも適切なエネルギー補給が必要になるわけです。

前もって意図的に糖質を多く摂取しておくことで、体内に貯蔵できる糖質の量を増やしておけば、より長く高いパフォーマンスが維持できるであろう、というのが理屈です。

エネルギー源というと、多くの方は糖質を思い浮かべるのではないでしょうか?

ですが、脂肪もエネルギー源として活用することができます(たんぱく質も同様にエネルギーとして使うことができますが、今回の記事にはそこまで関係しないため、詳細は割愛します)。

ただし、エネルギー源としては糖質が優先的に使われるので、糖質を蓄えておきましょう!ということになります。
糖質がなくなったら、脂肪をエネルギーに変えていけばいいじゃないか!その方が痩せるし・・・という方は要注意です。

確かに脂肪はエネルギー源として使われますが、糖質がなくなってしまった場合、脂肪をエネルギー源として使う事もできなくなってしまいます。

ですから、糖質が枯渇しないためにレース中でも補給が必要になってくるわけです。

ただ、人間の体内に蓄えることのできる糖質の量には限界があります。

成人の場合、肝臓で約100g、筋肉で約250gの糖質しか貯蔵できません。つまり、沢山食べても体内に貯蔵できるのは極わずかということです。

なので、この数百グラム単位の攻防を巡り、カーボローディングという手法が昔から研究されてきた。

では、そのカーボローディングの方法とはどういったものなのか?

実は、現在に至るまでカーボローディングに関して、いくつか研究がなされています。

より効果的な手法を模索するべく、カーボローディングの歴史を探っていきたいと思います。

古典的カーボローディング

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体内にあるグリコーゲンを一度枯渇させ、それによってグリコーゲンを早急に回復・貯蔵する反応(リバウンド)を利用し、大量の炭水化物を摂取することで、効率よくグリコーゲンを貯め込む方法です。

具体的なカーボローディングの方法は、

まず、ターゲットとなるレースでパフォーマンスを最大限に高めたいと思っている日の約1週間前から4日程度前まで、ごはんや麺類、パンなどの炭水化物の摂取を制限します。

1週間前から炭水化物を制限すると同時に、1週間前に疲労困憊まで身体を追い込み、一度体内に貯蔵されているグリコーゲンを枯渇させます。
低糖質食を実施し、肉類や魚類など、たんぱく質と脂質で必要なエネルギーを確保しながら、通常の練習を維持することで、一旦、体のグリコーゲンを消費・枯渇させます。

そして、レース3日前からは今まで控えていた炭水化物を大量に摂取し、トレーニングを控えながらエネルギーを貯め込むという手法です。

注意点として、この方法はレース本番までに疲労が残ったり、3日前からの高炭水化物の摂取により、体調を崩した場合にはグリコーゲンの蓄積が目的通り出来なくなる等のリスクもあります。多くの場合、胃腸の調子が悪くなるようです。

なので、一般ランナーが取り組むには少々リスクを伴いますので、あまりオススメできない手法です。

一般ランナーにおすすめのカーボローディング

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現在では炭水化物の制限を行わず、レースの1週間前から運動量を減らし、グリコーゲンの消費を抑えつつ、3日前から高糖質な食事へと切り替え、グリコーゲンを体内に蓄える方法が推奨されています。こちらの方が体に掛かる負担が少なく、調整リスクも少ないわけです。

実施方法による差や個人差はありますが、筋肉中のグリコーゲン量は標準を超えて、約3倍に。肝臓で貯蔵されるグリコーゲンも約2倍に増加するとの報告がされています。

単にレース前に炭水化物を多めに摂るだけでも1.1~1.2倍程度のグリコーゲン貯蔵量増大は見込めるとされています。

ただ、こちらの方法であっても、大事なレース本番でいきなり実施るのではなく、一度試しにやってみる!という程度の機会を別途作ったほうが良いでしょう。

カーボローディングを行う際の注意点

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ここまでカーボローディングの詳細を解説してきましたが、カーボローディングで摂取するもの=炭水化物だと思っていると、思わぬ落とし穴が待っています

どういう事かというと、炭水化物は「糖質」と「食物繊維」で成り立っているわけですが、この食物繊維がレース前のランナーにとって曲者です。

食物繊維は簡単に言うと、排便をスムーズにしてくれます。ですが、摂り過ぎると便が緩くなってしまい、下痢の原因にもなってしまいます。

1週間前からカーボローディングをしたら、下痢になった・・・という方は恐らく、日常生活よりも食物繊維が過多になってしまい、便が緩くなってしまったんじゃないかと予想されます。

レース当日は、トイレ待ちの時間は極力避けたいものですし、気をつけましょう。

さらに、人によってはレースに出るという不安や緊張感から来る下痢や不調もあります。

ですから、食に関しても過度なチャレンジはしない方が無難です。特に慣れないうちは。

具体的には、大麦を使った料理やオートミール、ライ麦パン等は、炭水化物の中でも食物繊維が多く含まれます。

あまりレース前に食べようという人はいないと思いますが、カレー粉にも非常に沢山の食物繊維が含まれているため、レース直前にカレーを食べるのは避けたほうが良いでしょう。

逆に、精白米に含まれる食物繊維の量は少なく、レース直前に食べるにはうってつけです。

カーボローディングをするランナーはフルマラソンでの記録を意識している人が多いと思います。そのようなランナーはレース中にエナジージェルを摂取して、ガス欠対策をする人が多いと思いますが、食物繊維があることでエナジージェルの吸収に時間がかかってしまうと言われています。エナジージェルの吸収に通常の15倍程の時間がかかるとも言われています。

もう1つ、カーボローディング中に注意が必要なことは、なるべく動物性脂肪を控えることです。動物性脂肪は常温で冷えて固まってしまうものです。例えば、バターや肉の脂身やウィンナー、ベーコン等に多く含まれます。アイスやチョコレート等も同様です。

動物性脂肪を多くとると、消化の為に水分が沢山必要になるため、水分補給が大切なマラソンには不向きであり、悪循環を生んでしまいます。

体重管理とパフォーマンス

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古典的手法で取り組むにしろ、一般的に行われている手法で行うにしろ、カーボローディングでネックになるのがレース3日前からの食事と、体重管理です。

どういう事かというと、レース3日前から運動力は極端に落ち、エネルギー摂取量は増えるわけです。

下手をすると、体重の増加に繋がります。

ただし、一般ランナーがグラム単位で食を調整したり、食事全体の中で糖質の量を気にすることは非常に難しいでしょう。

なので、あまりシビアになりすぎず、体重計で自分の体重をモニタリングする。

これだけやっておけば大丈夫です。体重の増減を気にしていると、ストレスが溜まってよくありません。

あまりに体重の増加が大きければ、食べる量を調整しましょう。

カボーローディングという手法に依存しない

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複数の研究と体験をもとに考えてみても、確かにカーボローディングはレース本番のパフォーマンスを上げる可能性があると言っていいでしょう。上手く調整ができれば。

ただ、カーボローディングという手法に依存してはいけません

確かに、パフォーマンスアップに貢献することは分かりました。ですが、普段の食生活は全く気を遣っていないのに、レース前のカーボローディングだけ一生懸命取り組んだとしても意味がないわけです。

普段から、パフォーマンスを高めるための食事を実践しながら、その上でカーボローディングを実践することを忘れてはなりません。

まとめ

今回の記事はいかがだったでしょうか?

繰り返しになりますが、レース本番でのパフォーマンスは様々な要素が絡み合い、アウトプットされます。

仮にカーボローディングが上手くいったとしても、練習が積めなかった、逆にオーバートレーニングになってしまった、カーボローディングに夢中になってしまい、水分補給があまりできていなかった(レース前・レース中共に)など、他のコンディション調整が上手くいかなかった場合は、最高のパフォーマンスを発揮することは難しいでしょう。

ですから、カーボローディングを実践しながらも、普段から食生活だけでなく、コンディション全体をベストな状態にしておきましょう。

関連記事:フルマラソンの「30kmの壁」はなぜ現れるのか?その原因を考察してみた!

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ビジネスアスリート
データサイエンティスト

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

自分自身も実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

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