7つのトレーニング原則から考えるマラソン練習法
どの世界・業界の中にも、原理・原則というものが存在します。このメディアのテーマであるランニングやマラソンにおいても同じです。マラソンのトレーニングを考える上で、トレーニング手法そのものよりも、まずトレーニングの原理・原則を押さえておかなければ、自分が何のためにトレーニングをやっているのかが分からなくなってしまいます。
そこで今回は、トレーニングの原則を踏まえた上で、マラソンの練習・トレーニングを考えていきましょう。
目次
トレーニングの7原則
まず、トレーニングには大きく7つの原則が存在します。ランニングやマラソンに限った話ではなく、様々な競技のトレーニングは以下の7つの原則に基いて実施されるわけです。
7つのトレーニング原則を、それぞれ順番にご紹介すると、
①特異性の原則
②過負荷の原則
③漸進性の原則
④意識性の原則
⑤全面性の原則
⑥個別性の原則
⑦継続性の原則
となります。①特異性の原則②過負荷の原則③漸進性の原則については、マラソンの成長が頭打ちになった時に考えたいトレーニングの3原則の中で紹介していますので、ここでは④〜⑦の意識性、全面性、個別性、継続性の原則について触れていきましょう。
意識性の原則
意識性の原則とは、「トレーニングの目的は何か?」を意識することを指します。
ただ何となくランニングをするのではなく、今日のトレーニングは何の目的があって実施するのか?を考えましょうということです。
LSDを行うのであれば、LSDを行う目的があるはずです。インターバル走を行うのであれば、なぜインターバル走を行う必要があるのか?を考える必要があります。
そういう意味では、休養もトレーニングのうちの1つです。目的のある休養であれば、トレーニングの効果を高めることができます。
また、筋力トレーニングであれば、鍛えたい筋肉を意識することも重要です。
例えば、ランニング中にふくらはぎを使って走ってしまう人であれば、スクワットやランジを行う際に、臀部の筋肉を意識しながら実施した方が、ただスクワットやランジを行うよりもトレーニング効果は高まります。
全面性の原則
全面性の原則とは、特定のトレーニングに偏ること無く、バランスを考えながらトレーニングしましょう!という意味です。
フルマラソンという比較的長い距離を速く走りたいと考えた場合、単に長くゆっくり走るだけでは、速く走るための特定の要素だけしか鍛えることができません。
逆に高強度で短い距離を走るインターバル走だけをやっていても、2時間〜5時間といった長時間のランニングに耐える力を養うことはできないわけです。
なので、マラソンに必要な練習・トレーニング方法【最新版】に記した通り、マラソンの練習やトレーニングには様々な目的を果たすために、数多くのトレーニング手法が存在します。
何か特定のトレーニングに偏ること無く、目的に応じてトレーニングメニューを組み立てていくことが必要です。
個別性の原則
トレーニングの効果を最大限に発揮するためには、個々に合ったトレーニングを考え、実施する必要があります。
◯◯というトレーニング法が良いらしい!という情報があったとしても、そのトレーニングが本当に自分の課題を解決できるかどうかは疑わしいわけです。
同様に「サブ4のための練習メニュー」のようなものがあったとしても、それが現状の自分にとって最適なメニューなのかどうかは分かりません。
なので、最初に考えなければならないことはトレーニング手法や練習メニューをどうするか?ということよりも、今の自分に足りていないことは何か?できていないことはな何か?を考える(仮説を立てる)ことです。
それらを踏まえて、トレーニングの手法や練習メニューを立てる必要があります。
トレーニング手法や練習メニューは、主に自分自身の課題を解決するための手段なわけですから。
継続性の原則
何か(特別な)トレーニングを実施したからと言って、当然のことながらその効果が永遠に続くことはありません。トレーニングの効果を高めるためには、継続したトレーニングが必要になります。
個人差はありますが、トレーニングの効果が現れるのにも時間が必要です。
また怪我や長期間の休養などで、パフォーマンスが低下した経験は一度はあるのではないでしょうか。「継続は力なり」です。
まとめ
今回はトレーニングの7原則、特に4つの原則に焦点を当て、マラソンの練習法について考えてきました。
具体的な練習法と言うよりは抽象度が高い内容だったので、日頃のトレーニングに活かせる内容ではなかったかもしれません。
ですが、トレーニングの原理原則を押さえておくことで、練習の組み立て方に困っている時、記録が伸び悩んでいる時、情報の多さに困っている時にとても役に立ちます。
ランニングやマラソンで困った時、悩んだ時は是非「トレーニングの7原則」に立ち返って下さい。
そうすることで、何かしらのヒントやアイデアが浮かんでくるはずです。