ランニングエコノミーを高めるにはランニングフォームの修正が鍵となる!
やってもらうと分かると思いますが、ずっと胸を張った状態で走り続けるのは不可能に近い。
なので、ランニングエコノミーを高め、ランニングフォームを改善するためにはランニング中に改善をしようとせずに、改善のための機会を作る必要があります。
ランニングフォームを改善するために必要なこと
では、どうやったらランニングフォームを改善し、ランニングエコノミーを高めることができるのか?
ランニング中に「意識」をしてランニングフォームを変えましょう、という見解があります。例えば、腕振りを意識してこういう風に変えましょう!とか肩甲骨を意識して、股関節を意識して、体幹を意識して・・・
などなど、色んな意識の向け方があると思います。
意識すること自体は悪くありませんが、意識をしたらフォームが改善されるか?というと、そんなに甘くはありません。
ランニングフォームは、野球で言うところのバッティングフォームと同じく「スキル」です。
野球でバッティングをしたことがない人は、まず素振りから指導を受けると思います。
素振りもただ単にバットを振るだけではなく、バットを振るための身体の使い方を習得しなければなりません。
素振りでは意識してスイングをコントロールすることができるかもしれませんが、いざピッチャーの投げる球に対して、意識したスイングをしていては、対応することはできません。競技レベルが上がれば上がるほど。
ランニングは野球やサッカー等とは違って、相手の動きに合わせた対応がほとんど必要ではありません(トップレベルのアスリートは駆け引きがありますが、市民ランナーは多くの場合、自分自身との戦いです)。
ですが、同じ動作を何十分も、何時間も繰り返さなくてはならないわけです。
例えば、フルマラソン全工程で、ずっと股関節を「意識」しながら走ることが可能でしょうか?恐らく考えただけで、No.という答えが出るはずです。
つまり、意識下で動作をコントロールし続けるのではなく、無意識下でコントロールできるようにならなければ、動作を習得したとは言えません。
では、どうやってフォームを改善する必要があるかというと、
①ランニングという動作を一度分解して考えてみる
②基礎となる(筋力)トレーニング動作を習得する
③トレーニングをランニング動作に繋げていく
という大きく分けると3つのステップが必要です。
ランニングに筋トレが必要なのか?という疑問を持たれる方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
詳しくは、マラソンランナーが筋トレをすることが本当に必要なのか考察してみた!に書きましたが、基本的にトレーニングをすることによるデメリットはありません。
R.E.Johnstonらの研究によると、筋力トレーニングがランニングエコノミーの改善に有効であったことを報告しており、2,013年のJournal of Strength & Conditioning Researchによると、平均44歳のランナーにランニングの練習+筋力トレーニングを実施させると、ランニング効率が6%アップしたとの報告をしています。
他にも、筋力トレーニングやプライオメトリクス(例えば、縄跳びなどのエクササイズ)がランニングのパフォーマンス向上にプラスの影響を与えるといった研究は多く発表されています。
もちろん、筋トレをすること自体が目的ではありませんから、最終的にトレーニングをランニング動作に結びつけることが大切になってきます。
まとめ
今回の記事はいかがだったでしょうか?
上記をまとめると、ランニングのパフォーマンスを向上させるためには、最大酸素摂取量、乳酸性作業閾値、ランニングエコノミーを高める必要があり、中でも今回は、ランニングエコノミーに関する考察を深めてきたわけです。
ランニングエコノミーを高めるための1つの解決策として、ランニングフォームの改善が効果を上げていること、走るトレーニングだけでは、ランニングエコノミーの向上に限界があること、動作を分解して、フォームを改善するためのトレーニングを実施する必要性について、紹介をしてきました。
怪我をすることに対して不安がある、今現在既に怪我をしていて何か手を打たなければと思っている、日々トレーニングに励んでいるけれど、記録が伸び悩んでいる、そんな方はぜひ参考にしてみて下さい。