マラソンで筋トレするのはパフォーマンスアップに効果があるのか?必要なのか?

マラソンランナーに筋トレが必要なのか?

あなたがもしこのように聞かれたら、どう答えますか?マラソンランナーにも筋トレは絶対に必要だ!という人もいれば、マラソンに筋トレは必要ない!という人もいるでしょう。

果たしてどちらが正解なのでしょうか?

答えは「目的」によって変わってきます!

例えば、フルマラソンを完走するために筋トレは必要か?

つまり、ただ何かの記念にフルマラソンを完走する!ということだけが目的であれば、筋トレをしなくても完走できる人は沢山いるでしょう。
※もちろん、やらないよりもやった方がパフォーマンスは上がり、怪我も予防できるのですが。

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ですが、怪我をせずに生涯ランニングを楽しみたいという目的であれば、筋トレは必要だと言えます。

筋トレをしなくても、怪我をせずに生涯ランニングを楽しめるじゃないか!という意見もあると思います。もちろん、筋トレをせずに生涯怪我をせずにランニングを継続できる人はいると思いますが、怪我をしてしまう確率で考えると、筋トレをしないよりも筋トレをした方が怪我を予防できます。

結果的に、筋トレをした方が怪我をせずに生涯ランニングを楽しむことができるのです。

2014年に発表されたBritish Journal of Sports Medicineの報告によると、筋力トレーニングを行うことで、怪我の発生数を1/3以下にまで減らすことができたと発表しています。このことからも、筋トレが怪我の予防に効果的だと言えます。

他にも筋トレが怪我の予防に効果がある、とした報告は複数存在します。

例えば、フルマラソンでサブ3を達成するために筋トレは必要か?という問いに対しても、Yesと答える人もいるでしょうし、筋トレなんてやらなくてもサブ3は達成できる!という人もいるわけです。

こちらに関しては、「ランニングのパフォーマンスアップ」と継続的に怪我をせずに練習を積むという「怪我の予防」という2つの観点が大切になってきます。

「そもそも筋トレをすることでランニングのパフォーマンスが上がるのか?」という問題。

この議論に関しては、2014年のScandinavian Journal of Medicine & Science in Sportsにランニングのパフォーマンス向上には、筋トレが効果をもたらすとの報告がされています。

自転車競技においても同様です。

もちろん、筋トレが心肺機能を高めるというよりも、ランニングフォームを含めたランニングエコノミー、脚筋力などがパフォーマンスの向上に寄与していると考えられます。

「怪我の予防」について考えると、練習の途中で怪我をしてしまって、サブ3が達成できなかったということもあり得ます。サブ3に向けた練習は順調にできていたけれど、レース直前になって怪我をしてしまうかもしれません。

怪我をするかどうかは自分で分かりませんが、可能性としては筋トレをしていた場合と、そうでない場合を比べると、筋トレをした方が怪我を予防でき、パフォーマンスの向上に寄与するということです。

ただし、走る練習をそもそもしていないのに筋トレだけでサブ3が達成できるかというと、ポテンシャルが高い人でない限り難しいでしょう。

この点に関しては単に「優先順位」の話であって、筋トレが必要かどうかの議論ではありません。

例えば、ランニングやマラソンだけでなく、野球やラグビーも筋トレをしなくても、プレーはできます。

もちろん、両方共にスキルありきの競技ですので、野球の場合、筋トレしていてもキャッチボールができなければ話になりませんし、筋トレで鋼の肉体が備わっていたとしても、そもそもタックルの方法が分かっていなければ、ラグビーの試合で使い物になりません。

なので、競技スキルを高めることは大前提で、それを補完するのが筋トレの役割と言えるでしょう。

特にラグビーだと分かりやすいですが、あれだけ激しくぶつかるスポーツなので、筋トレで強靭な肉体を作らなければプレー中に怪我をしてしまう可能性は高いといえます。

プレーするレベルが上がるほど、筋トレの必要性は増してきますし、事実トップリーグや日本代表の選手で筋トレをしていない選手はいません。

ランナーも同様で、トップアスリートになればなるほど、練習はハードになり、身体への負担は高くなるので、積極的に筋トレを行っています。

今回の議論をまとめると、マラソンをやる上で筋トレが必要かどうかの議論は目的によって変わりますが、筋トレをすることで、様々な恩恵を受けることができますし、結果的にデメリットとなることはありません。

つまり、結局はマラソンにも筋トレが必要だと結論付けることができます。

多くのランナーがとにかく走ることにフォーカスし過ぎているので、走る距離を多少減らしてでも筋トレを行うことが、結果的に怪我を予防し、パフォーマンスアップに繋がるということを理解しておくと良いでしょう。