スマートウォッチGalaxy Watch 3をランナー目線でレビューしてみた

現在市場に出ているスマートウォッチには、ランニング中のペースや距離計測はもちろん、GPS情報や心拍計測といった機能が搭載されています。

ランニング系GPSウォッチが搭載しているアクティビティ機能の多くを、スマートウォッチは有していることになるわけです。

つまり、ランナーは必ずしも「ランニング系GPSウォッチを使わなければならない」というわけではなくなりました。

スマートウォッチでも必要十分なランニングデータを取得することが可能です。

とは言え、スマートウォッチでは「より専門的なデータは取得できない」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、数あるスマートウォッチの中で、ランニング時の専門データを取得できるスマートウォッチ、Galaxy Watch 3について紹介します。

Galaxy Watch 3はSamsungから2020年10月23日にリリースされたスマートウォッチです。

ここでは、よりランナーの目線で紹介していきたいと思います。

Galaxy Watch 3のスペック

早速、Galaxy Watch 3のスペックから紹介していきます。

ランニングに専門特化した機能を語る前に、まずは全体のスペックについて見ていきましょう。

Galaxy Watch 3の中で、最も特徴的なのが「回転式ベゼル」を通じた操作です。

スマートウォッチはタッチスクリーン操作もしくはボタン操作のものがほとんど。

もちろん、Galaxy Watch 3でもタッチスクリーン操作やボタン操作は可能です。

ですが、これらに加えて、ベゼル部分を回転させることで操作することが可能になっています。

スマートウォッチはスマートフォンをより小型化したものであり、小型故にスムーズなタッチスクリーン操作ができないことも多いですよね。

そんなストレスを解消してくれるのが、回転式ベゼルによる操作です。

タッチ操作やボタン操作に比べて、サクサク画面を遷移させることができます。

操作性が高いことは、ユーザーにとって大きなメリットですし、Galaxyのスマートフォンとペアリングすることで更にユーザビリティが向上します。

Galaxy Watch 3は45mm、41mmの2サイズが展開されていますので、それぞれのスペックについて見ていきましょう。

<スペック>

■サイズ(厚さ)

45mm・・・46.2 x 45.0 x 11.1 mm
41mm・・・42.5 x 41.0 x 11.3 mm

■重量

45mm・・・約53.8 g(ステンレススチール、ストラップ除く)、約43 g(チタン、ストラップ除く)
41mm・・・約48.2 g(ステンレススチール、ストラップ除く)

■ディスプレイ解像度

360 × 360 ピクセル

■レンズ素材

Corning Gorilla Glass DX

■防水機能 

50m防水(45mm、41mm共通)

■稼働時間

45mm・・・340mAh(約56時間)
41mm・・・247mAh(約43時間)

※ランニング時のバッテリー稼働時間は以下の「Galaxy Watch 3をランニングで使ってみた」の項目で検証していますので、参考にしてみてください。

■価格

45mm・・・¥54,800(税込)※チタンは¥77,000(税込)
41mm・・・¥51,500(税込)

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Galaxy Watch 3搭載の「ランニングの高度な指標」とは?

Galaxy Watch 3にはペースや距離、GPS計測、心拍計測などの一般的な機能に加えて、「ランニングの高度な指標」の計測が可能です。

Galaxy Watch 3の「ランニングの高度な指標」とは、非対称性(ランニング中の左右バランス)、接触時間(接地時間:ランニング中に足が地面に着いている時間)、滞空時間(両足が宙に浮いている時間または足が地面に接触しているが自分の体重を支えるのに必要な力よりも弱い力しかかかっていない時間)、規則性(身体の動きの一貫性)、上下動(重心の上下の移動)、剛性(ランニング中の身体の垂直方向の剛性)の6つ。

これら6つはランニング中の動作の特徴、疲労によるランニングフォームの変化を評価できる重要な指標となります。

数値を評価できるに越したことはありませんが、ウォッチアプリ”S Health”では、それぞれの指標を「向上」「良い」「非常に良い」の3パターンで評価。

※6つの「ランニングの高度な指標」はスイスのmyotestというテクノロジーに基づき、算出されています。

数値評価ができなくても、もし「向上」という評価がなされているのであれば、トレーニングによってパフォーマンスが向上している可能性があるわけです。

非常に分かりやすい指標ですね。

1つ事例を紹介すると、下記は筆者のランニング中に記録された「規則性」と「剛性」に関するグラフです。

どちらのグラフも同じ箇所でパフォーマンスが下がっているのが分かるでしょうか。

全体のうちのこの2区間だけ、ロードではなくトレイルルートを走っているため(路面が不安定になるため)数値が低下していると考えることができます。

日々時計を装着し、トレイルパートを定期的に走ることでパフォーマンスが改善したか否かをチェックすることが可能です。

Galaxy Watch 3をランニングで使ってみた

今回、Galaxy Watch 3の45mmサイズを使用してみました。

時計とスマートフォンの操作を含め、下記の動画で解説をしています。

スマートウォッチは画面をスワイプすることで操作するものがほとんどですが、Galaxy Watch 3はベゼルを回転させることで、素早く画面を遷移させることが可能です。

スワイプ操作とは比べ物にならない操作性。

「スワイプ操作につきもののストレス」を感じることはありません。

Galaxyのスマートフォンと連携させることで各種設定も簡単です。

もったいない点があるとすれば、現段階でシリコンベルト(シリコンバンド)がないこと。

レザーベルトは普段使いには適していますが、ランニング中は汗もかきますし、フィット感が損なわれてしまいます。

ラインナップの一つに追加して欲しいですね。

ランナーが気になるバッテリーの稼働時間ですが、公式にも45mm : 340mAh(約56時間)、41mm : 247mAh(約43時間) とランニングでどれくらいの時間計測できるかは記載されていません。

もちろん、設定によっても変わりますが、デフォルト設定でスマートフォンとの連携を切って3時間走った結果、電池の残量が100%から51%に減少していました。

単純に計算すると、6時間ほど持つことになります。

ただし、デフォルト設定では1kmのラップタイムを音声で読み上げてくれるので、音声通知をオフにすれば、6時間以上連続して計測することが可能です。

長時間ランニングをするランナーでなければ、十分なバッテリー容量だと言えます。

まとめ

今回はGalaxyのスマートウォッチ、Watch 3について紹介をしてきました。

Galaxy Watch Active, Active 2では実装されていなかった「回転ベゼル」が復活し、操作性がアップしています。

ランニングを含めたアクティビティ機能も充実しており、ランニング中の非対称性接触時間滞空時間規則性上下動剛性といった「高度なランニング指標」を評価できるようになりました。

ランニング系GPSウォッチに引けを取らない、いやそれ以上のスペックを兼ね揃えたデバイスと言っていいでしょう。

ランニングを長時間行いたいランナーや、登山・トレイルランニングなどのアウトドアユースには向きませんが、それ以外の用途であれば十分な機能を有しています。

iPhoneユーザーであればApple Watchを使用するように、Galaxyを含めたアンドロイドユーザーなら、Galaxy Watch 3は最適なウォッチデバイスと言えるのではないでしょうか。