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Apple Watchはランニング系GPSウォッチメーカーを飲み込むのか?

 2016/12/21 ランニングウォッチ・GPSウォッチ
この記事は約 10 分で読めます。 16,300 Views

ランニングを行う際は、レースであっても、練習であっても、何らかのデバイスを用いて時間を計測するのが一般的です。

スマートフォンアプリを活用しての計測かもしれませんし、必要最低限の機能を搭載したランニングウオッチかもしれません。GPS機能を搭載した、いわゆるGPSウォッチかもしれません。

各メーカーから、様々なデバイスが販売されていますが、GPSウォッチに限って言うと、多くのランナーがGARMIN、EPSON、SUUNTOのいずれかのGPSウォッチを使用しているケースが多いようです。
※アールビーズ社:ランナー世論調査2016より。

ランニング系GPSウォッチメーカーとしては、3強が上記の3社です。とは言うものの、GARMIN、EPSON、SUUNTOのGPSウォッチを使用している人は、どちらかと言うと「コア層」です。

健康関連市場では、様々な企業がスマートウォッチをリリースしています。もちろん、上記のGPSウォッチメーカーがリリースしているものの中にもスマートウォッチとして活用できるモデルがほとんどです。

スマートウォッチとは腕時計タイプの「ウェアラブルデバイス」であり、時計としての機能だけでなく、時計をインターネットと繋ぐことで、様々な機能を有するアイテムのことを指します。

例えば、時計上でメールの受信を確認できたり、スマートフォンにダウンロードしている音楽をスマートウォッチを通じて聴くことができたり、その他様々な機能を有します。

中でもスマートウォッチの代表格はApple Watchです。

ランニングをしない人でもAppleという会社を知らない人はいないのではないか?という程の認知度であり、日本におけるiPhoneの普及率は世界でもダントツに高い水準を維持しています。

Appleがウェアラブルデバイス市場に本格参戦してきたことで、コア層のランナーの欲求を満たすGPSウォッチの選択肢は、GARMIN、EPSON、SUUNTOの3社に限った話ではなくなるのではないかというのが筆者の仮説です。

例えば、GPSの老舗GARMINはGPS機能を搭載したランニングウォッチだけでも、複数のラインナップを揃えています。初心者からエリートランナーまでカバーできるモデルがあるので、使用率も自ずと高くなるわけです。もちろん、機能面も優れています。

中でも、2016年の11月19日にForeAthlete 35Jをリリースしています。

形状だけを見ると、Apple Watchのようであり、同社のvivoactive J(同じくアップルウォッチのような形状をしています)の簡易版のような感じです。

そこで、今回はApple WatchとGARMINのForeAthlete 35J、vivoactive Jを比較することで、ランニング市場におけるGPSウォッチの行く末を考察してみたいと思います。

それでは、早速それぞれの特徴を洗い出してみましょう。

Apple Watch(Nike+ Series 2)

applewatch

Apple Watchの中でも、今回はランニングに特化したApple Watch Nike+について見ていきましょう。

Apple Watchはディスプレイサイズが38mm、42mmの2種類あります。

<スペック>

サイズ

38mm・・・33.3 x 高さ38.6 x 奥行き11.4 mm
42mm・・・36.4 x 高さ42.5 x 奥行き11.4 mm

ディスプレイ

38mm・・・272 x 340ピクセル
42mm・・・312 x 390ピクセル

重量

38mm・・・約28.2g(ベルトを除く本体のみの重量)
42mm・・・約34.2g(ベルトを除く本体のみの重量)

防水機能

50m耐水性能

プールや海で泳ぐなど、浅水でのアクティビティで使用できることを意味します。シャワーを浴びる時やお風呂の中でも安全に着用できます。ただし、スキューバダイビング、ウォータースキー、高速水流または低水深を超える潜水を伴うその他のアクティビティにはApple Watch Series 2を使用しないでください。-Apple Web Siteより。

動作時間

時計モード:最大18時間
ワークアウト時(光学式心拍計オン+GPSオン):最大5時間 

標準価格:
ディスプレイサイズ38mm・・・¥37,800(税抜)
ディスプレイサイズ42mm・・・¥40,800(税抜)

ForeAthlete 35J

FA35J

 

<スペック>

サイズ 35.5 x 高さ40.7 x 奥行き13.3 mm

ディスプレイ 23.5 x 23.5 mm / 128 x 128 ピクセル / モノクロ

重量 約37.3g

防水機能 50m完全防水

動作時間

時計モード:最大9日間(光学式心拍計オン+GPSオフ)
トレーニングモード:最大13時間(光学式心拍計オン+GPSオン)

保存可能トレーニングデータ 7データ

標準価格:¥24,800(税抜)

vivoactive J

vivo

<スペック>

サイズ 幅44×高さ39×奥行き8mm

スクリーン:2.9 x 2.1 cm / 205×148 ピクセル、タッチスクリーン

重量 約38g

防水機能 50m完全防水

動作時間

GPSモード:約9時間
時計モード:約3週間

保存可能トレーニングデータ アクティビティデータを最大10件

標準価格:¥29,445(税抜)

比較した結果

そもそも、なぜApple WatchとForeAthlete 35J、vivoactive Jを比較しようと思ったのかというと、理由は2つ。

1つは単純に形状が似ているから。もう1つは、GARMINが出しているランナー向けエントリーモデルとApple Watchが同様のスペックを持っていれば、今後のランナー向けGPSウォッチ市場が大きく変わっていくのではないかと考えたからです。

ランニングに関わる、上記のスペックを比較すると、コスト面でもバッテリー稼働時間(動作時間)の点でも、まだまだApple Watchはランニングの「コア層」のニーズを満たせるだけの機能を有していません。

ランニングに機能面では劣るものの、ディスプレイの解像度はGARMINよりも圧倒的に高く、iPhoneとの親和性の高さから、ランニング以外の機能の活用を考えた際には決して無視できない存在であることは間違いないでしょう。

とは言うものの、Appleがランニング市場の中で、フルマラソン完走を目指すような人を対象にした超ニッチ市場に製品を合わせてくるようなことは決して無いと思いますが・・・。

ForeAthlete 35J、vivoactive Jの印象は?

GARMINから新たに出たForeAthlete 35Jがカラーディスプレイではなく、今更ながらモノクロ版を出したというのは、「GPSウォッチは金額が高くて買えない」という問題を解決し、新規ユーザーの獲得することが目的でしょう。

※前述のアールビーズ社:ランナー世論調査2016によると、GPSウォッチを買わない理由の第一位は「金額が高いから」だそうです。

では、これらの人達がForeAthlete 35Jのように金額の安いGPSウォッチが出たからと言って、購入するのか?と考えた時に、恐らく購入しないのではないかと考えています。それは他のハイスペックモデルがある場合、金額が下がると同時にスペックも落ちてしまうと購買意欲そのものが落ちてしまうからです。

ちなみに、GPSウォッチで2万円台のモデルは安い部類に入ります。

金額が安いに越したことはありませんが、その分スペックを落とすよりも、ある程度の金額でも、それ以上の価値を加えていった方が間違いなく売れます(機能を極限まで絞り込み、価格を物凄く抑えるという手もありますが)。

現に2016年2月に発表されたIDCの報告によると、2015年のウエアラブル市場シェア14.9%がApple(3位)、GARMINは4位につけていますが、マーケットシェアは4.2%となっています。ちなみに、この報告結果はApple Watch Series 2は発売前なので、含まれていません。

今後の動向に注目です。

※1位はFitbitでマーケットシェア26.9%。

つまり、何が言いたいのかというと、ランナー向けに専門特化しているGARMIN ForeAthleteシリーズはランナー向けであって、その中でForeAthlete35Jはランニングに必要な機能を削って、スマートウォッチを意識してしまった中途半端な製品のような感じがしてしまいます。

同様にvivoactive Jはスマートウォッチの立ち位置だと思いますが、変にアスリートを意識しているせいか、こちらも中途半端な製品に映ってしまうわけです。

まとめ

今回はApple WatchとGARMINのForeAthlete 35J、vivoactive Jを比較することで、ランニング市場におけるGPSウォッチの行く末を考察してみました。いかがでしたでしょうか?

ランナーのコア層がGPSウォッチを選ぶ理由として、かなり大きなウエイトを占めるのがバッテリーの持続時間です。

Appleの公式サイトによると、“Apple Watch Series 2の内蔵GPSを使用した場合のワークアウト時間は最大5時間”

とのことです。

4時間そこそこのタイムでフルマラソンを走る事のできるランナーであれば、問題なくレースでも使用できそうな感じはします。

ですが、iPhoneが使用頻度に比例してバッテリーの寿命が短くなるのと同様に、Apple Watchもバッテリー持続時間が極端に短くなっていくのではないかと危惧しています。

ただでさえ、バッテリーの持続時間が短いので・・・。

もちろん、GPSウォッチもバッテリーの劣化は避けられませんが、極端に電池の減りが早くなっているという印象は今のところありません。

ハーフマラソン程度の距離を走るランナーや健康の保持・増進のために走っているランナー、ファンラン中心のランナーであれば、ランナーに特化したGPSウォッチではなく、Apple Watchを選択肢することも可能でしょう。

その他の機能面では、iPhoneとの親和性の高いApple Watchが圧倒的な魅力があります。

特に普段から音楽を聴く人にとっては、Apple Watchのユーザビリティは抜群に高く、ワイヤレスで(つまり、イヤホンのコード無しで)音楽・音声を楽しむことがより可能になるのではないでしょうか。

現状はワイヤレスイヤホンであるAirPodsはランニングをしながら使用するには安定感に欠けます(実際に装着したわけではないので、見た目だけで判断していますが)。ですが、今後ランニング中も耳にフィットするような改良が加わってくれば、音楽好きなランナーや忙しいビジネスパーソンがオーディオブックを聴く際に大きく貢献するでしょう。

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ランナーズNEXT 編集長

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

自分自身も実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

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