SUUNTO(スント)SPARTANシリーズの特徴・選び方を徹底解説
株式会社アールビーズによるランナー世論調査2016(サンプル数12,934人)の結果によると、所有しているGPSウォッチメーカーは1位GARMIN(ガーミン)2位EPSON(エプソン)3位SUUNTO(スント)となっており、所有率はそれぞれ約29%、18%、3%程度となっています。
各社で数値に開きはありますが、いわゆるランニング業界におけるGPSウォッチ3強です。もちろん、今後はどうなるか分かりません。
2012年にアスリート向けのGPSウォッチが発売され、そこから急激にGPSウォッチの市場が伸びると共に、機能やデザインも各社進化を続けています。
※とは言うものの、マラソンやランニング、ジョギングをする人の中でGPSウォッチを持っている人というのは全ランニング人口の約12%程度。
各メーカー毎に特徴はあるものの、比較検討という意味で、強いて各メーカーの強みを簡単に挙げるとすれば、エプソンはGPSを稼働させた状態でのバッテリー持続時間がコストの割に長いこと。ガーミンは機能・計測項目の充実。スントはデザイン。といったところでしょうか。
各メーカーでバッテリー持続時間向上、機能の向上が図られていますが、最初に液晶画面がカラー対応となったのはガーミン。
恐らくこれから液晶のカラー化は各社ともテコ入れしてくるでしょう。
SUUNTO(スント)は2016年8月25日、9月28日に、それぞれSPARTAN ULTRA(スパルタン ウルトラ)、SPARTAN SPORT(スパルタン スポーツ)をリリースしました。
SUUNTOのGPSウォッチの中では初のカラータッチスクリーンモデルです。
さらに、各社が光学心拍計搭載のランニングウォッチを投入し、市民ランナーには当たり前の機能となりました。
スントは光学心拍計の対応に遅れをとっていましたが、2017年にSUUNTO SPARTAN SPORT WRIST HRを、さらに低価格帯のモデルとして、SUUNTO SPARTAN TRAINER WRIST HRを投入。
それぞれ光学心拍計に対応したランニングウォッチとなっています。
スントのランニングウォッチ・GPSウォッチはAmbit3シリーズが有名でした。
参考記事:SUUNTO(スント)のランニングウォッチAMBIT 3シリーズ徹底活用術!
今回はその後継モデルとなっている、SUUNTO SPARTANシリーズについて見ていきましょう。
ランナー、トライアスリート向けの記事ということで、SPARTAN FITNESS(スパルタンフィットネス)以外のスパルタン ウルトラ、スポーツ、スポーツリストHR、トレーナーの4シリーズについて解説しています。
目次
SUUNTO SPARTAN ULTRA(スパルタン ウルトラ)
<スペック>
サイズ 幅50×高さ50×奥行き17mm
重量 約73〜77g(カラーによって異なる)
※BLACK、WHITEは77g。他は73g
防水機能 10気圧(100m)
動作時間
最大18時間/GPSデータ取得頻度1秒毎
最大35時間/ GPSデータ取得頻度5秒毎
最大140時間/GPSデータ取得頻度60秒毎
最大20日間/時計画面表示のみ
心拍計測 オプションでHRモニターベルト購入の必要あり
標準価格:84,000円(税抜)〜
SUUNTO SPARTAN SPORT(スパルタン スポーツ)
<スペック>
サイズ 幅50×高さ50×奥行き13.8mm
重量 約70g
防水機能 10気圧(100m)
動作時間
最大10時間/GPSデータ取得頻度1秒毎
最大25時間/ GPSデータ取得頻度5秒毎
最大80時間/GPSデータ取得頻度60秒毎
最大14日間/時計画面表示のみ
心拍計測 オプションでHRモニターベルト購入の必要あり
標準価格:63,000円(税抜)〜
SUUNTO SPARTAN SPORT WRIST HR(スポーツ リストHR)
<スペック>
サイズ 幅50×高さ50×奥行き16.8mm
重量 約74g
防水機能 10気圧(100m)
動作時間
最大10時間/GPSデータ取得頻度1秒毎
最大20時間/ GPSデータ取得頻度5秒毎
最大40時間/GPSデータ取得頻度60秒毎
最大14日間/時計画面表示のみ
心拍計測 光学心拍計対応
標準価格:68,000円(税抜)〜
SUUNTO SPARTAN SPORT TRAINER HR(スパルタン トレーナー)
<スペック>
サイズ 幅46×高さ46×奥行き15.7mm
重量 約56g
防水機能 5気圧(50m)
動作時間
最大10時間/GPSデータ取得頻度1秒毎
最大16時間/ GPSデータ取得頻度5秒毎
最大30時間/GPSデータ取得頻度60秒毎
最大14日間/時計画面表示のみ
心拍計測 光学心拍計対応
標準価格:31,900円(税抜)〜
SUUNTO(スント)SPARTANシリーズの選び方
では次に、4種のSPARTANシリーズの選び方について、解説していきましょう。マラソン、トレイルランニング、トライアスロンの中でも、様々な距離を走るシーンがあります。
ハーフ、フル、ウルトラなどのカテゴリーです。基本的に、まずは参加するレースを完走するために必要なバッテリーの容量が必要になります。
ウルトラマラソン完走が目的なら14時間はバッテリーが持つ必要があります。100マイルのウルトラトレイルであれば、30時間以上かけて完走を目指すことが多いです。
SPARTANシリーズはスパルタンウルトラがGPSデータ取得頻度1秒毎で最大18時間。他は最大で10時間なので、ウルトラマラソンやウルトラトレイル、フルのトライアスロンに参加する場合は、GPS精度の高さを求めるならスパルタンウルトラを選択するのが無難です(金銭的な問題は置いておきます)。
ただし、スントのGPSウォッチはGPS取得頻度を5秒に設定することが可能です。ちなみに、ガーミンは1秒取得か60秒取得しかできません。
1秒取得には劣りますが、多少の誤差は許容範囲だと割り切って、ロングレースの時だけGPS取得頻度を5秒に設定して走るということもできます。
※ちなみに、GPS取得頻度が1秒でも天候や周りの環境(ビル街を走る等)によって、精度は変わってきます。
そうすると、例えば普段はフルマラソン、年に一回だけウルトラマラソンを走る!という方であれば、スパルタントレーナーを選ぶことも可能です。心拍ベルトを装着する必要もなくなります。
特にスパルタントレーナーはスントのGPSウォッチの中では重量も軽いため、フルマラソンを中心に走り、価格も押さえたいという方向けです。
トライアスロン中心であれば、スパルタンスポーツを選ぶことになるでしょう。
他社との比較
SUUNTO SPARTANシリーズは確かに、他社に比べると価格は高めです。
価格に関しては、購入の際に最も他社製品、もしくはスント内の他のモデルとも比較したいポイントだと思います。
では、SUUNTO SPARTANシリーズの価格が高い理由はどこにあるのでしょうか?
個人的に最も魅力的なポイントは「デザイン性」です。ランニングウォッチらしからぬデザインはファッションウォッチとも称されます。アンビットシリーズから、そのデザイン力はSPALTANシリーズでも引き継がれています。
また、ディスプレイの表示解像度をGARMINのGPSウォッチと比較すると、スパルタンウルトラ/スポーツ共に320×300。一方のGARMINはfenix 5で240×240ピクセル。スパルタンの解像度の単位がドットなのかピクセルなのかは不明ですが、いずれにしても解像度は高いということです。
つまり、ランニング中もディスプレイが見やすい。
スントのGPSウォッチが優れている点のもう1つは、気圧計&GPSによる高度測定機能を他社に先駆けて搭載したこと。対応していないモデル(例えば、AMBIT 3 SPORT)もあります。
※GPSデータと気圧高度を組み合わせたFusedAlti™による正確な高度情報を取得。スント スパルタンウルトラだけでなく、AMBIT 3 PEAKやVerticalでも対応。
SUUNTO SPARTANシリーズではスパルタンウルトラは気圧計&GPSによる高度測定が可能ですが、スパルタンスポーツはGPSによる高度測定のみとなっています。
トレイルを中心に活動するランナーがスントを好んで使う理由も頷けます。
更にスントのサービスで象徴的なのがSUUNTO(スント)のランニングウォッチAMBIT 3シリーズ徹底活用術!の中でも紹介したスントムービーと、下記のイメージ動画でも紹介されているヒートマップ。ヒートマップを活用することで、新しいルートを発見あるいは自分だけのルートを計画し、GPSウォッチ本体に転送してナビゲートします。
最近では、Reliveなどのサービス(自分が走ったルートをよりリアルに再現してくれるアプリケーション)が新たに生まれてきている背景もあり、スントムービーのインパクトも落ちつつあります。
まとめ
今回はSUUNTOのGPSウォッチ、SPARTAN シリーズについてご紹介をしてきました。発売当初はスパルタンウルトラがスポーツタイプのGPSウォッチで初めて10万円を越えるランニングウォッチとなりました。
GARMINのfenixシリースで一部10万円を越えるGPSウォッチがありますが、明らかにスポーツとは異なる用途で購入するはずなので、スントがスポーツタイプとしては実質初めての大台突破となりました。
現状は、価格も比較的落ち着き、スパルタンウルトラとGarminのfenix5がハイエンドモデルとして、8万円程の価格になっています。
ランニングは手頃に始められますが、ハマればハマるほどにお金がかかっていきます。大会のエントリーだけでなく、シューズ、ウエア、GPSウォッチ、サプリメント・・・その中でも商品単価だけを見ると、GPSウォッチは大きな買い物となります。なので、ぜひご自身の使用目的を踏まえた上で、メーカー・モデルを選択しましょう。