おすすめトレイルランニング・ウルトラマラソン用ヘッドライト【最新版】

「ランニング」というワードから、ヘッドライトを想像する人はごく少数派の人達でしょう。ですが、夜間に街灯の少ない場所を走るランナーにとって、ライトは安全性を確保する上で重要です。100㎞を超えるウルトラマラソンに参加するランナーやトレイルランナーであれば、ヘッドライトは無くてはならない必須のギアへと変わります。

とは言うものの、ヘッドライトの必要性を感じ、購入しようと思っても「どのヘッドライトを購入すればいいのか分からない・・・」という問題が多くの場合発生します。

そこで、今回は特にウルトラマラソン参加者やトレイルランナーがヘッドライト購入をする際の選び方について解説をしていきます。

今回、ランナー用のヘッドライトの選び方について取材に応じてくれたのはLedlenser(レッドレンザー)の日本法人。

なぜ他社製品を含めてではなく、Ledlenser社単独の取材なのかというと「あれこれ迷わずにベストな選択肢を提示すること」を今回の記事の目的にしたからです。

確かにヘッドライトを扱う会社は複数存在しますし、製品数はかなりあります。

ですが、ウルトラマラソンやトレイルランニングなどのスポーツにフィットするタイプのヘッドライトは少なく、中でも価格のバランスが取れていて、ランニングのカテゴリーに力を入れているLedlenser社に打診をしてみたわけです。

※Ledlenserはドイツに本社を構える企業で、フラッシュライト、ヘッドライトのリーディングブランドです。日本では10年ほど前から代理店を通して、2015年からLedlenser Japanとして展開をされています。

今回はランナー視点で他社のヘッドライトとも比較し、「これさえ持っていれば大丈夫!」というレベルまで絞りました。どのヘッドライトを購入すればいいのか分からない・・・という問題を回避するために。

ヘッドライトを選ぶ3つの基準

では、実際にヘッドライトを選ぶ際の選択基準から紹介していきます。ポイントは大きく3つあります。

①ヘッドライトの光量(明るさ)
②ヘッドライトのバッテリー(電池)容量
③ヘッドライトの光の質

の3つです。それぞれ見ていきましょう。

ヘッドライトの購入を検討する際に、気になるポイントの1つ目はヘッドライトの光量(明るさ)について。

トレイルランニングシーンでの走りやすさや安全性を考えると、光量としては200ルーメンが1つの基準となるようです。200ルーメン以上の光量があるヘッドライトを選択したいということですね。

気になるポイントの2つ目はバッテリー(電池)の容量です。充電タイプの製品の場合、専用の充電池パックが付いていて、乾電池でも使えるものもあります。

ヘッドライトの場合、スペックが上がること=バッテリーの容量が増える、というわけではないのが選択の難しさなのかもしれません。

他メーカーの充電式ヘッドライトだと、多くの場合ヘッドライト本体から充電をする必要があります。

そうすると、電池の充電をしている間はヘッドライトを使用できなくなります。Ledlenserの一部の製品の場合は電池のみの充電で、使用することが可能です。

3つ目のポイントは光の「質」について。Ledlenser製品の場合、光がフラットになります。光にムラがなくなります。

多くのヘッドライトの場合、光の円の中心部分は明るいけれど、外に行くにつれてぼやけてしまうケースがほとんどです。

例えば、同じ200ルーメンでも中心部分のみ明るい場合と、ラウトで照らされた全体が均一に明るいのとでは安全性が全く異なります。

光がフラットであればあるほど、全体が見渡しやすくなります。

では、その前提を踏まえてオススメの製品を見ていきましょう。

Ledlenser MH5

2019年に新たにリリースされたモデルがMH5です。市販の単3電池1本で最大400ルーメンの性能を持ちます。

専用の充電式の電池もあるので経済的であり、予備バッテーも単3電池1本だけでOK。

電池一本で400ルーメンの光量を持つヘッドライトは、なかなかありません。

さらにワンタッチでライト本体をベースプレートから取り外し、ハンドライトとしても使用できます。本体にクリップがついているので、バックパックやウエアなどにも取り付けることができるマルチタイプのライトと言えるでしょう。


※本体をベースプレートから取り外すことで使用バリエーションが増える。

ウルトラマラソンや夜間のトレイルランニングでも力を発揮しますが、ロングトレイル時のサブバッテリーとして持っておくといいのではないかと。
※メインは後述のNEO10Rで、予備バッテリーとしてMH5を携行すると良いかと。カラーバリエーションは4種類。

これからトレイルランニングを始めたい、トレイルランニング用ヘッドライトの最初の1本を探したいという方には最適の一品です。

動画でのレビューは下記からご覧ください。

■スペック

重量(電池込):約92g

光束
パワーモード:400ルーメン
ローモード:20ルーメン

点灯時間
パワーモード:4時間
ローモード:35時間

照射距離
パワーモード:180メートル
ローモード:40メートル

Ledlenser MH5は専用の充電式の電池、乾電池(単3アルカリ電池1本)の両方を使うことが可能です。

定価:¥5,500(税別)

Ledlenser MH6

夜間のトレイルランにも対応できるモデルが欲しいけど、長時間の使用を想定していない場合はLedlenser MH6がオススメ。バランスの取れたヘッドライトです。

SEO 7Rの後継モデルで、形状やスペックは同じであるものの価格がグッと抑えられたので、購入のハードルは一気に下がりました。SEO 7Rがもともと12,000円(税別)で販売されていたのに対し、MH6は4,600円(税別)となっています。

動画でのレビューは下記からお願いします。

■スペック

重量(電池込):約93g

光束
パワーモード:200ルーメン
ローモード:20ルーメン

点灯時間
パワーモード:5時間
ローモード:20時間

照射距離
パワーモード:120メートル
ローモード:40メートル

Ledlenser MH6は専用の充電式の電池、乾電池(単4アルカリ電池3本)の両方を使うことが可能です。

定価:¥4,600(税別)

Ledlenser NEO10R

ロングトレイル(レース)を中心に楽しむ方にオススメなのはLedlenser MH10。ハイスペックのアウトドア系ヘッドライトです。

前作MH10の後継モデルで、出力は前作と同じでパワー、ミドル、ローモデルと3段階に分かれています。

MH10との違いは後頭部のバッテリーボックスが横から縦に配置変更。ダブルバンドにすることで、フィット感が格段に向上しました。カラーバリエーションも2種類に。

付属の延長ケーブルで後頭部のバッテリーボックスを取り外し、ザックに収納することも可能です。ライトを着けていることを忘れるほどの軽量化を実現できます。

フィット感が向上し、ランニング中の縦揺れにも強く、バッテリーを取り外して使用することもできるようになった上に、値段も2,000円安くなっています。

動画でのレビューは下記からお願いします。

■スペック

重量(電池込):約179g

光束
パワーモード:600ルーメン
ミドルモード:250ルーメン
ローモード:10ルーメン

点灯時間
パワーモード:10時間
ミドルモード:15時間
ローモード:120時間

照射距離
パワーモード:150メートル
ミドルモード:100メートル
ローモード:20メートル

付属品:USBケーブル、延長ケーブル、専用充電池、チェストベルト

Ledlenser NEO10Rは乾電池使用ができないモデルで、専用の充電池のみ使用可能です。

定価:¥10,000(税抜)

Ledlenser NEO10R + MH5

最後に、ウルトラトレイルやステージレースに参加するランナーであれば、上記で紹介したヘッドライトの内の2種を持っておく必要があります。

トレイル中にヘッドライトが機能しなくなった場合やバッテリー切れなどが起きてしまった場合、夜間は身動きが取れなくなってしまいます。

こうなってしまうと、どうにもできません。足元や周りが見えないだけでなく、バックパックから適切なものを取り出すことさえも苦労します。もちろん、使わないに越したことはありませんが、予備ライトはいざという時に役に立つわけです。

実際に、多くのトレイルランニングレースではヘッドライト2種とそれぞれの予備バッテリーが必携品となっています。

もちろん、同じヘッドライトを2つ持つことも可能です。ですが、1つは基本的にバックパックに携帯しておくものですから、軽いものの方がベターでしょう。

サブライトをハンディーライト代わりに使うこともできるわけなので、2つあれば心強いですね。

ということで、ウルトラトレイル やロングトレイルの場合はメインのヘッドライトにNEO10Rを、サブとしては使用バリエーションに富んだMH5を使用するのがおすすめです。

まとめ

以上、ウルトラマラソンやトレイルランニングで活用できるヘッドライトを厳選してご紹介してきました。

ヘッドライトを扱っているメーカーは複数ありますし、ラインナップも多数存在します。

今回ご紹介したLedlenser社が展開するラインナップだけ見ても、他に沢山の製品があります。ですが、ランナー用のヘッドライトなら、この3つのタイプを抑えておけば、まず間違いありません。

ヘッドライト選びで迷ったり、よりウルトラマラソンやトレイルレースに役立つヘッドライトを探している方はぜひ参考にしてみて下さい。