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ランニングシューズは「機能性」を求める時代から「体験価値」を求める時代へ。巨大市場で勝つために必要なこととは何か?

 2015/12/01 ランニングお役立ち情報 ランニングシューズ
この記事は約 5 分で読めます。 2,986 Views

トップアスリートから市民ランナーまで、ランニングライフで欠かせないもの、それは「ランニングシューズです」

より速く、より長く走るために、そして怪我を防ぐためにもランニングシューズは私達の足を守ってくれています。

今では様々なメーカーがランニングシューズ市場に参入し、2014年には615億を越える市場へと成長。とどまるところを知りません。

日本のランニングシューズと言えば、20年程前まではミズノ、アシックスの2大勢力が占めていたところ、15年程前にナイキ、アディダスなど海外のブランドのシューズも現れ始めました。

筆者が学生の頃にもラニングシューズを使い分ける習慣は存在し、普段の練習用はソールが割りと厚めのもの、スピード練習(インターバル、レペ走)やレースの時はソールが薄くて軽いものを使用していました。

ランニングを継続する上で、どんなランニングシューズを選べば良いのか?という疑問は多くのランナーが持っていることでしょう。

しかし、残念ながらそこに「正解」はありません

ソールが厚くてクッション性の高いランニングシューズを履いている人もいれば、裸足で走っている人もいるくらいです。ワラーチやルナサンダルも裸足ランニングのためのシューズと言っていいわけです。

s_DSC_0873※ワラーチやルナサンダルもランニングシューズの1つ。

ランニングシューズ選びに正解がなくなった背景には、各スポーツメーカーがランニングシューズの「機能性」を追求してきたからに他なりません。

ランニングシューズは、ランニング中にかかる身体への負担を軽減するために、クッショニングを追求する時代がありました。

ランニング中には体重の約3倍ものストレスがかかるわけですから、その衝撃を軽減していこうと。

当時はランニング中の着地=踵から、という認識が強かったわけですから、主に踵部分の衝撃吸収性を追求していた時代だといえるでしょう。

その代名詞となったのが、ナイキのエアマックス・シリーズです。

19205371※一時期、絶大なる人気を博したナイキ・エアマックス

その後、より軽量で足の裏(ミッドソール)全体のクッション性を保つために、各社EVA(エチレンビニルアセテート)という素材を採用すると、各社のランニングシューズにおけるミッドソールの主流として使われています。

その後も各社が様々な素材を活用しては、よりランニングシューズの機能を向上させようと躍起になっています。

ですが、ここまで機能性を追求していくと、私達ランナーにとって「どこまで機能的であるか」というのはあまり重要性を持たなくなります。

もちろん、機能は重要ですが、今は正直どこのメーカーも同じようなランニングシューズに見えてしまいます。

唯一、大手メーカーの中で優れた機能性を上手く伝えているのが、アディダスの「ブーストフォーム」ではないでしょうか。

発泡スチロールのような見た目(素材)が他社のランニングシューズとの違いを表現しており、スポンサーとして参画している青山学院大学が箱根駅伝で総合優勝した際にもアディダスがフューチャーされ、有名になりました。

アディダスのブーストフォームはドイツの化学会社であるBASFと共同で開発された素材であり、それまでに感じたことのない柔軟性、衝撃吸収性、反発性を確保していると言われています。

adidas-supernova-sequence-boost-1※アディダスが誇るブーストフォーム

もちろん、他の企業のミッドソールに関しても、アディダスの一人勝ちを許すはずはなく、機能性を追求しています。

なので、この機能性重視の流れが加速すればするほど、益々私たちは機能性でランニングシューズを選べなくなってしまいます。

なぜなら、選択肢が多くなってしまうからです。

機能性を追求してきた結果として、メリットはもちろん沢山あります。

一方、デメリットは各社のランニングシューズの違いが分からなくなったということでしょう。

私達消費者は、確かにランニングシューズの「機能」を大切にしています。まずはより長く、速く、安全に走りたいと願うからです。

今では、ほとんどどこのメーカーのランニングシューズを履いてランニングをしたとしても、自分自身の身体に問題がなければ、安全性が確保された状態で、長く、速く走ることが可能です。

そうすると、ランニングシューズを選択する基準は「履き心地」「デザイン」「ソールの厚さ」の3つになってしまいます。

ですが、私達一般消費者が求めているのは、「このランニングシューズを履いている!という充実感」、「ワクワクするような感覚」、「自分が速くなったかのような感覚」ではないでしょうか。

つまり、これからの時代は各社のランニングシューズが機能性を追求した結果として、益々上記のような「体験価値」を求めるようになるのではないか?というのが筆者自身の見解です。

体験価値を提供できるシューズとは何なのか?

それは一般消費者から見て、明確な違いがあるかどうかが大きなポイントです。

機能性で違いを打ち出したとしても、私達一般消費者の目には明確な違いとして映ることはありません。

それよりも、HOKA ONE ONEのように圧倒的に厚いミッドソールを搭載したランニングシューズや、onのクラウドレーサーのように反発力をイメージさせるようなソールの方が明確な違いとして私達の目に映るでしょう。

s_On_Cloudracer_-e1410162912700-1024x502※onがリリースしているクラウドレーサー。アウトソールが特徴的。

もちろん、毎年毎年各社からは新しいモデルのランニングシューズがリリースされ、凌ぎを削っていきます。

今年の流行が来年には廃れている、というように製品サイクルは非常に短くなってきています。

そんな時代の中で各企業が生き残りをかけて勝負していくのか、楽しみでなりません。

いくらランニング人口が増えているとは言え、選ばれるランニングシューズ・メーカーは限られているわけですから。

あなたはどんなランニングシューズに「価値」を感じますか?

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ランナーズNEXT 編集長

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

自分自身も実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

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