ランニングタイツのおすすめ9選 | 効果と選び方を徹底解説

特に寒い冬場は市民ランナーに必須アイテムと言って良い「ランニングタイツ」。

今では多くのランナーがランニングタイツを愛用しています。

以前は主に冬の寒さ対策としてランニングタイツ(スパッツ)が活用されていましたが、この数年の間で機能性が伴ったランニングタイツが増えてきました。

というのも、冬場のマラソンレース・練習だけでなく、比較的気温の高いレースでもランニングタイツを装着している人が多いからです。

今では、足首から腰までのタイプのもの、膝下〜腰までのタイプ、そしてふくらはぎのみをサポートするタイプがあり、目的に応じて使い分けているランナーも多いのではないでしょうか?

では、ランニングタイツを使用するランナーは、どのような目的で使用しているのでしょうか?

そこで今回はランニングタイツの効果や選び方を解説すると共に、おすすめのランニングタイツを紹介していきます。

ランニングタイツの効果とは?

はじめに、「ランニングタイツの効果」について見ていきましょう。

ランニングタイツは各社様々な目的で作られています。機能性を重視しているものもあれば、機能よりも外的刺激から皮膚を守ることを重視しているもの、コストパフォーマンスに優れているものなど。1つのランニングタイツが全ての効果を有しているわけではありませんので、ご注意ください。

膝関節やふくらはぎなどの筋肉をサポートする効果

ランニングタイツの効果の中で、特に初心者のランナーが求めている効果が膝関節やふくらはぎなどの筋肉のサポート機能ではないでしょうか?膝関節のサポート機能に特化したもの、段階着圧タイプのコンプレッションタイツなどは関節に負担をかけずに、ランニング中の筋肉のブレを抑える効果があります。

筋肉疲労を少なくし、長時間筋肉が動くようにするためのパフォーマンスアップ効果

実は、今のところ多くの研究論文を確認しても、ランニングタイツがマラソンなどのパフォーマンスに+の効果を与えたとする研究はそれほど多くありません。運動の種類によっても、結果は変わってきますから、一概にランニングタイツを履けば、マラソンなどのパフォーマンスは上がるとは言えないようです。ただし、メーカー毎の研究では、パフォーマンスの発揮に効果があるとするデータも存在します。例えば、血中乳酸の除去を促したり、心拍数を抑える効果も確認できています。

翌日の疲労を残さないため疲労回復・リカバリー効果

様々な研究結果を踏まえると、ランニングタイツが身体のリカバリー効果を促すことを示唆するものは多く見受けられます。

筆者の体感としても、ランニングタイツを履いた場合と履かない場合は、翌日の疲労感が違うと感じています。

リカバリーに違いがあるということは、ランニングタイツを装着することで、日々の疲労感を軽減できる=パフォーマンスを落とさずに済むということに繋がるわけです。なお、ランニングタイツの他にランニング以外で装着するリカバリーに特化したタイツも存在します。体験ベースで言うと、多くのランナーが「筋肉痛が出なくなった」「リカバリーが早い」など効果を実感しているようです。

外的刺激から身体を守る効果

上記3つの効果の他にも、寒さ対策や日焼け、紫外線対策など、外的刺激から身体を守る効果もあります。もちろん、ランニングタイツ以外でも外的刺激から身体を守ることは可能です。ですが、より動きやすく、身体にフィットするウエアはランニングタイツの他にないでしょう。ランニングタイツは身体動作を優先させながら、寒さや紫外線対策ができる優れたアイテムです。

ランニングタイツの選び方

では、実際にどのようなランニングタイツを選べばいいのでしょうか?

各メーカーのロングタイツはそれぞれ特徴がありますし、機能性を重視し、価格が高いものもあれば、保温性をメインに最低限の機能かつ低価格のランニングタイツもあります。

ランニングタイツの選び方としては、以下の7つの軸で考えていくと良いでしょう。

  • 価格軸・・・低価格帯のランニングタイツなのか?高価格帯のものなのか?
  • サポート軸・・・膝関節等のサポートを重視ているランニングタイツなのかどうか。
  • パフォーマンス軸・・・ランニングタイツを履くことで、パフォーマンスの向上を期待できるかどうか。
  • リカバリー軸・・・リカバリー機能を有するランニングタイツかどうか。
  • 保温性軸・・・生地の厚さ(生地の厚さによって動きやすさや保温性が変わってくる)。
  • 履きやすさ軸・・・④の生地の厚さにも関係しますが、タイツが履きやすいかどうか。
  • 耐久性軸・・・長く履けるものなのかどうか。できれば機能性を保った上で。

以上、7つの評価軸を踏まえながら、おすすめのランニングタイツをメーカーごとに紹介していきます。

おすすめのランニングタイツ

今回は9つのメーカーのランニングタイツ(ロングタイツ)を、リカバリー性、(膝関節の)サポート・安定性、ランニングパフォーマンス、コストパフォーマンス、生地感(生地の厚さ)、履き易さ、耐久性の7点を5段階評価して、比較してみたいと思います。
※デザインに関しては好みが別れるところなので、比較対象とはしませんでした。

※男性用(メンズ)、女性用(レディース)展開されているブランド、メンズ、レディースのカテゴリーがなく、サイズで区別しているブランドがあります。います。

膝下のみをサポートするふくらはぎ用のランニングタイツに関する情報は、ふくらはぎ用コンプレッションタイツを比較するならこの5つがおすすめ!を御覧ください。

MCSランコンプレッションタイツ(2XU)

オーストラリア発祥で、機能性コンプレッションタイツを展開しているブランドです。

ロイヤルメルボルン国立工科大学、オーストラリア国立スポーツ研究所といった大学や研究機関と共同で製品開発を行っています。

2XUのハーフタイツは多くのトップアスリートがレース時にも着用していることで有名。

他社のランニングタイツと比較しても、耐久性に優れ、ランニングパフォーマンスを向上させる様々なエビデンスがあります。

おすすめはタイツの内側に筋肉をかたどったスタンプのあるMSCランコンプレッションタイツです。MCSとはMuscle Containment Stampingの略で、運動時の筋肉のブレを抑え、ホールドしてくれます。

ランコンプレッションタイツは足首から腰にかけて理想的な段階着圧を実現しており、着用時には少しキツく感じる場合もあります。ですが、着用した後は身体に馴染む感覚が得られるでしょう。

MCSランコンプレッションでは着圧が強いと感じたり、生地の薄いものを好む場合はランダッシュコンプレッションタイツがおすすめです。

生地が薄くなって通気性も上がっていますが、内面のスタンプはありません。

関連記事:2XUのランニングタイツはなぜトップランナーにも選ばれるのか?

リカバリー性 ★★★★
サポート・安定性 ★★★★
ランニングパフォーマンス ★★★★★
コストパフォーマンス ★★
生地感 ★★(厚手)
履き易さ ★★
耐久性 ★★★★★

メンズ・レディース:XS、S、M、L、XL、XXL

参考価格:16,500円(税込)
ランダッシュコンプレッションタイツは11,000円(税込)

ツー・タイムズ・ユー(ツー・タイムズ・ユー) MCSランコンプレッションタイツ G3 MA5305B-BLK/UAF (ブラック×ブルー/S/Men’s)
ツータイムズユー

C3fit(ゴールドウィン)

「C3fit®」は段階着圧で働きかける〈Compression〉、身体機能を整える〈Conditioning〉、あらゆる動きを快適にサポートする〈Comfort〉、この3つの「C」が、カラダの動きにぴったりとフィットし、身体機能と運動機能を向上させるハイパフォーマンスウエアです。

中でも、インスピレーションロングタイツは「一般医療機器」としての対象商品となっています。

もし価格を抑えて購入したいのであれば、インスピレーションロングタイツをベースにした段階着圧設計を採用したアドバンスカーゴロングタイツがオススメです。

アドバンスカーゴタイツはコンプレッションタイツで最も重要な着圧機能は継承しつつも、他の機能は限定することで価格を抑えています。

C3fitの一番の特徴は、生地の薄さと清涼感でしょう。

生地が厚いものだと夏場の装着を嫌う人もいるかもしれませんが、生地が薄いので日差し、紫外線対策として使用する人も多いようです。

製品の素材(奈良時代から桐生に紡がれる伝統と技術を使って・・・)開発、縫製に至るまで、ブランドのストーリーが明確に記されており、製品に対するこだわりが伝わってくるのも大きな魅力と言えるでしょう。

科学を追求しながらも、日本らしさ、日本の伝統が製品に活かされている部分を知れば知るほど、同じ日本人としてはファンになってしまいますね。

リカバリー性 ★★★★
サポート・安定性 ★★★★
ランニングパフォーマンス ★★★
コストパフォーマンス ★★★
生地感 ★★★★★(薄手)
履き易さ ★★
耐久性 ★★★

メンズ・レディース:S、M、L、XL

参考価格:13,200円(税込)
※アドバンスカーゴロングタイツは7,700円(税込)

(シースリーフィット)C3fit トレーニング インスピレーションロングタイツ 3F06320 [メンズ] K ブラック S
C3fit(シースリーフィット)

CW-X(ワコール)

メジャーリーグで活躍したイチローさんや、田中将大投手が履いていることでお馴染みのランニングタイツ、CW-X。

機能性タイツの草分け的な存在であり、ランニングタイツが拡がりを見せたのも、ワコールがリリースしたCW-Xの影響が非常に大きいと言えるでしょう。

同じロングタイプのランニングタイツでも、用途ごとにいくつかのタイプに分かれています。

CW-X公式サイトによると、エントリーモデル、スピードモデル、サポートモデルの3つのカテゴリーがあり、膝関節や下肢の筋肉のサポートにはサポートモデルを、股関節を安定させ骨盤前傾をキープしながら、一歩をより前へ動かしやすくする場合はスポーツモデルを、下肢の動きやすさをメインに考えるならエントリーモデルを選ぶと良いでしょう。

もともとはテーピングの原理をタイツに組み込めないか?という問いからスタートしていますので、一番の特徴は関節の安定性と言えるでしょう。

特に膝に不安感がある方など、初心者には優しいランニングタイツだと言えます。

ただし、上記3つのカテゴリーの中で、更に様々な種類のタイツが展開されているため、自分に合ったものを選択するのは非常に困難ではないかと個人的には感じています。

リカバリー性 ★★★★
サポート・安定性 ★★★★★
ランニングパフォーマンス ★★★
コストパフォーマンス ★
生地感 ★★★(厚手)
履き易さ ★★
耐久性 ★★★

メンズ:S、M、L、LL レディース:S、M、L

参考価格:
スピードモデル 20,900円(税込)
サポートモデル 18,700円(税込)
エントリーモデル 6,600円(税込)

スキンズ(デサント)

2013年からデサント社が取り扱いを行うようになったスキンズ。残念ながら2019年の秋冬シーズンをもって日本での取り扱いは終了になってしまいましたが、一部の商品がアマゾンや楽天で販売されています。

オールラウンドモデルであるA200シリーズ、動的な段階的着圧を可能にしたA400シリーズ、リカバリーに特化したリカバリーエリートの3種類があります。

「スポーツ科学・医学ジャーナル」、「国際スポーツ生理学ジャーナル」、そして「英国医学ジャーナル」などの著名な誌面にて、今日まで多くの研究論文が発表されているというのが大きな特徴でしょう。

特にリカバリーに特化したタイツがあるのは、目的別にタイツを選びたい人にとっては嬉しいポイントですね。

C3fit同様に薄手の生地感が特徴的です。

リカバリー性 ★★★★
サポート・安定性 ★★★
ランニングパフォーマンス ★★★★
コストパフォーマンス ★★★
生地感 ★★★★(薄手)
履き易さ ★★★
耐久性 ★★★

メンズ・レディース:XS、S、M、L、XL

ナイキのランニングタイツ

特に陸上長距離選手がこぞって使用しているのがナイキのランニングタイツです。

以前はトップアスリートがレースでタイツを履くことはそうできませんでしたが、今では着用が主流になりつつあります。大迫傑選手がランニングタイツでレースに参加したり、トレーニングを行う際に着用している影響が大きいのではないでしょうか。

多くのトップアスリートが使用しているランニングタイツではありますが、リカバリー機能や筋肉や関節のサポート機能はなく、伸縮性に富んだ、皮膚の保護機能がメインになっています。

その分、機能性タイツよりも低価格。スポーツブランドのランニングタイツを履きたいけれど、価格は抑えたいという方におすすめです。

リカバリー性 ★
サポート・安定性 ★★
ランニングパフォーマンス ★★
コストパフォーマンス ★★★★
生地感 ★★★★★(薄手)
履き易さ ★★★
耐久性 ★

メンズ:S、M、L、XL

参考価格:4,999円(税込)

created by Rinker
NIKE(ナイキ)
¥5,780 (2024/10/13 13:10:43時点 Amazon調べ-詳細)

UAコールドギア ラッシュ シームレス レギンス(アンダーアーマー)

スポーツ時に着用するコンプレッションタイプのアンダーウェアを定着させたのはアンダーアーマーの功績が大きいでしょう。

ランニングカテゴリーでは他社の牙城をなかなか崩すことができていませんが、野球やバスケットボールなどでは圧倒的な知名度を誇ります。

UAコールドギア ラッシュ シームレス レギンスはミネラルを注入した素材を使用。高密度なマイクロファイバー糸を使用し、暖かさと快適さを実現しています。

リカバリー性 ★★
サポート・安定性 ★★
ランニングパフォーマンス ★★
コストパフォーマンス ★★★
生地感 ★★★★(薄手)
履き易さ ★★★
耐久性 ★★★

メンズ・レディース:S、M、L、XL、XXL、3XL

参考価格:11,000円(税込)

バイオゲア(ミズノ)

ミズノと言えば、ランナーの中で知らない人はいないと言い切れるほどの日本を代表するブランドです。

まだまだ野球のイメージが強いですが、社内に陸上競技選手を抱えるほど、陸上競技やランニングに力を入れています。

海外ランナーの中にも愛用者がいるほどの、総合メーカーとしての地位を築いていると言っていいでしょう。

ランニングタイツに関しては、下半身の各筋肉や関節をしっかりサポートしたい方向けのBG 8000Ⅱ、軽量感を重視しながらも下半身をサポートできるように開発した、BG 9000が上位商品と言えるでしょう。

ランニングタイツは徐々に改良されて入るようですが、若干履きにくさを訴える方も多いようです。

リカバリー性 ★★★
サポート・安定性 ★★★
ランニングパフォーマンス ★★★
コストパフォーマンス ★★★
生地感 ★★★(厚手)
履き易さ ★★
耐久性 ★★★

メンズ【90(ブラック × ブラック)】 S、M、L、XL、2XL メンズ【92(ブラック × ブルー)】S、M、L、XL レディース:S、M、L、XL

参考:10,800円(税込)

MMS LONG TIGHT(アシックス)

日本発のグローバル企業として確固たる地位を確立しているアシックス。

カーボンプレート搭載のシューズはナイキに大きな差をつけられているものの、ランニングシューズ全体の使用率を見ると、日本人ランナーの絶大な信頼を得ています。海外にも愛用者は多いです。

ブランドとして比較すると、海外ブランドのナイキやアディダスに差はつけられています。ですが、それでもマーケット第3位に位置しています。

ランニングタイツに関しては、他社と比較すると劣勢と言わざるを得ませんが、着用することによってインナーマッスルをサポートするテクノロジーを用いたシリーズが人気です。

特に骨盤周りのサポート力を謳っているので、腰に違和感がある方、腰痛で悩んでいる方、体幹が弱く、ランニング中に骨盤を安定させては知りたい方などにオススメです。

リカバリー性 ★★★
サポート・安定性 ★★★
ランニングパフォーマンス ★★★
コストパフォーマンス ★★
生地感 ★★★(厚手)
履き易さ ★★★
耐久性 ★★★

メンズ:S、M、L、XL

参考:ロングタイツの価格:14,800円(税込)

エアリズムUVカットパフォーマンスサポートタイツ(ユニクロ)

スポーツアパレルブランドではありませんが、圧倒的なコストパフォーマンスの高さを誇るユニクロのランニングタイツ。

エアリズムUVカットパフォーマンスサポートタイツは何と2,000円台で購入することができます。

段階着圧や筋肉や関節のサポート機能はありませんが、安さ、履きやすさ、皮膚の保護機能を目的に使用するのであれば、ユニクロ一択ではないでしょうか。

ユニクロ品質で考えれば、決して安かろう悪かろうではないことは分かるはずです。

普段のトレーニングはエアリズムUVカットパフォーマンスサポートタイツを使用し、レースや身体に負荷のかかるトレーニングの時に機能性タイツを使用するのもアリでしょう。

コスパ重視派のランナー、目的別に使い分けたいランナーにおすすめです。

リカバリー性 ★
サポート・安定性 ★
ランニングパフォーマンス ★
コストパフォーマンス ★★★★★
生地感 ★★★★★(薄手)
履き易さ ★★★★★
耐久性 ★

メンズ:S、M、L、XL、XXL、3XL、4XL

参考価格:2,189円(税込)

>>エアリズムUVカットパフォーマンスサポートタイツの購入はこちら

まとめ

今回の記事はいかがだったでしょうか?

各社のランニングを5段階評価していますが、それぞれのタイツに特徴があります。

目的に合わせて選んでもらえればと思っています。

特にこれからフルマラソンを目指したいという方であれば、ランニングタイツを上手く活用し膝のサポート・安定性を高め、レース後の疲労回復に務めることは非常に重要です。

経験者、上級者であっても、リカバリーは重要な要素ですし、いかに疲労を溜めないか高いパフォーマンスを発揮する上でも非常に重要です。
なので、レース中ではなく、レース後やレース前に着用するのも1つの戦略でしょう。

ランニングタイツは消耗品であり、1つの目安としては1週間の内3回、ランニングタイツを履いて走った場合に寿命は約2年、とのことです。

また、永久に機能が保たれるわけではないので、必要に応じて買い換えましょう。

ランナー全員がランニングタイツを活用すべきとまでは言いませんが、目的に応じて活用する、使い分けることはありなのではないでしょうか。

ランニングタイツに依存するのは決して良いとは言えません。ランニングする時にいつも着用するのではなく、例えばレースの時だけ、長い距離を走る練習をするときだけ、といった感じで人間が本来持っている筋力も鍛えながら、上手に活用していきましょう。