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ランナーが低酸素トレーニングによって得られる4つのメリットとは?

マラソンとトレーニング ランニングノウハウ
この記事は約 6 分で読めます。 609 Views

向上心のあるランナーであれば、こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

「どうすれば、現状よりも速く走れるようになるのか?」

「レースで自己ベストを出すには、どんなトレーニングをすれば良いのか?」

「トレーニングを頑張っているつもりなのに、なかなか思うように走れるようにならない。」

「トレーニングをしていても、年齢と共に体力の低下を感じている。」

日々のトレーニングに関する悩みは、尽きないですよね・・・。

今では国内外問わず、多様なトレーニング手法に関する情報が簡単に入手できるようになり、手軽に実践できるようにもなりました。

同時に、市民ランナーがトップアスリートと同等の環境を活用することが可能になり、日常のトレーニングの中で積極的に活用している人も見受けられます。

中でも、市民ランナーの間で注目されているのが「低酸素トレーニング」

既に都内にはいくつかの低酸素トレーニング施設が存在し、その数も少しずつ増えてきている印象です。

そこで今回は、今一度低酸素トレーニングとはどんなトレーニングなのか?そして、ランナーが低酸素トレーニングによって得られるメリットについてまとめてみたいと思います。

低酸素トレーニングとは?

低酸素トレーニングで得られるメリットを紹介する前に考えたいのは「そもそも低酸素トレーニングとは、どんなトレーニングなのか?」

標高の高い土地で実施するトレーニングである、「高地トレーニング」という言葉を、誰もが一度は耳にしたことがあるはずです。

特にマラソンや陸上の長距離選手、競泳選手等が実施していることでも有名になっています。

標高の高いところでトレーニングを行うと、標高の低いところよりも空気中に含まれる酸素が薄くなるので、身体はより多くの酸素を取り込もうとします。

その結果、最大酸素摂取量の向上、持久力の強化に繋がるわけです。

通常、高地トレーニングでは標高が高くなるにつれて気圧も低くなり、身体へのストレスも大きくなってしまいます。

ですが、低酸素トレーニングでは気圧の変化がなく、空気中の酸素濃度のみを低くした状態でトレーニングを行うことが可能です。

つまり、低酸素トレーニングでは身体への負担が少ない状態で、強度の高いトレーニングが実施できるため、効率よくトレーニングを積むことができます。

では、ランナーが低酸素トレーニングを実施することで、どんなメリットが得られるのでしょうか?

ポイントは大きく4つあります。

短時間で効率的に持久力を上げる

低酸素トレーニングのメリット1つ目は、通常の酸素環境でのトレーニングよりも短時間で効率的に持久力を上げることができるということ。

特に忙しい日々を送っているビジネスマンランナーであれば、できるだけ短時間で、効率の良いトレーニングを実施したいですよね。

前述したように、低酸素環境では空気中に含まれる酸素の量が少なくなるので、身体がより多くの酸素を取り込もうとします。

その結果、酸素を取り込む能力が高まることで最大酸素量が増え、持久力の向上に繋がるわけです。

マラソンに取り組む人はもちろん、例えば都内在住のトレイルランナーで「なかなか山に行く時間がない・・・」という方のトレーニングにも最適ではないでしょうか。

筋肉や関節へ加わるストレスの軽減

1つ目のメリットとも関係してきますが、低酸素トレーニングによる2つ目のメリットは筋肉や関節へ加わるストレスを軽減できること。

例えば、2,000m以上の低酸素環境下で、通常の酸素環境と同じ強度のランニングを行う場合、より少ない時間のランニングで同等の効果を得ることが可能です。

つまり、必然的に関節や筋肉にかかるストレスも少なくて済むということです。

ランニングの距離や時間が長くなり、強度が高くなると、それだけ身体に加わるストレスは大きくなり、怪我のリスクにも繋がってしまいます。

低酸素トレーニングを活用することで、オーバーワークによる怪我を防ぐことができるかもしれません。

乳酸処理能力の向上

特にマラソンなどの大会に参加するようなランナーなら、「レースの途中で足に乳酸が溜まってしまった・・・」という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

ランニングパフォーマンスを決定づける要因はいくつかあります。

その一つが乳酸性作業閾値(LT:Lactate Threshold)です。

段階的にランニングのスピードを上げながら血液中の乳酸濃度を計測していくと、ある運動強度を境にして、血中乳酸濃度が急激に上がり始めます。

この乳酸が急激に上がり始めるポイントが、乳酸性作業閾値(LT)です。

乳酸が溜まりにくい身体にすること、もしくは溜まった乳酸を処理する能力を高めることができれば、LT値は改善されます。

LT値はトレーニングによって改善できますが、低酸素環境で持久系のトレーニングと筋力トレーニングを実施することで、乳酸の処理能力が改善し、結果的にランニングパフォーマンスの向上に繋がってくるわけです。

体脂肪量の減少

市民ランナーの中には、「普段からランニングをしているんだけど、なかなか思うように体重(体脂肪)が減らない・・・」という悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。

Wiesnerらの研究によると、「低酸素環境で行う4週間の有酸素トレーニングが通常酸素環境で行う同一のトレーニングに比較して、体脂肪量を大きく減少させた」という報告がなされています。

低酸素トレーニングに伴う体脂肪量減少の要因の一つとしては、食欲抑制に伴う食事摂取量の減少が指摘されていますが、私個人の実体験でも低酸素トレーニング後は通常よりも少ない食事量でも満腹感が得られている印象です。

効率よくトレーニングすることができて、ウエイトコントロールにも効果があるのであれば、低酸素トレーニングを試してみたくなりますよね。

体脂肪量の減少という観点では、ランナーに限らず生活習慣病の予防や改善にも効果が期待できそうです。

まとめ


※ASICS Sports Complex TOKYO BAY 施設内の有酸素トレーニングエリア

今回は、ランナーが低酸素トレーニングによって得られる4つのメリットについて紹介しました。

今では、トップアスリートに限らず、市民ランナーが低酸素トレーニングを活用できる機会も、実施できる施設も増えつつあります。

これまでは比較的コンパクトな施設で、低酸素室でトレッドミルを使ったランニングができるところがほとんどでした。

ですが、2019111日に新しくオープンした低酸素トレーニングジム ASICS Sports Complex TOKYO BAYでは、ランニングはもちろん、ウエイトトレーニング、スイム、スタジオプログラムに至るまで、あらゆるアクティビティを低酸素環境で行うことができます。

前述したように、低酸素環境でのトレーニングは体脂肪率の減少に貢献すると言われていたり、さらにはランニングと筋力トレーニングの両方を低酸素環境で行うことで、ランニング単体で実施するよりも乳酸除去能力の向上も期待できます。

ランニングとそれ以外のアクティビティを組み合わせて実施していくことで、ランナーのさらなるパフォーマンスの向上も期待できるのではないでしょうか?

今後ますます、低酸素トレーニングに対する新たな知見が得られることでしょう。

私たち市民ランナーには、自分達が思っている以上に、まだまだ成長の可能性が眠っていそうです!

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ランナーズNEXT 編集長

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

鍼灸・あん摩マッサージ指圧師の国家資格者でもあるが、現在はランニングウォッチやランニング用パワーメーター(Stryd)などのデバイスを活用しながら、効率的にマラソンやランニングの目標を達成するためのサポートをしている。

自分自身もマラソンやトレイルランニングの実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

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