201X年あなたがサハラマラソンを走るための必須ガイド!

2015年4月3日〜13日の11日間、モロッコ南部のサハラ砂漠を舞台に第30回サハラマラソン(30th SULTAN MARATHON DES SABLES)が開催された。今大会は世界各国より過去最多の1,358名のエントリーがあった(日本からは男性29名、女性6名が参加)。今回は大会の節目となる30回目の開催を記念して、サハラマラソンの創始者であり、主催会社Atlantide Organisation Internationaleの代表でもある、パトリック・バウアー氏にサハラマラソンが生まれた背景、ストーリー、そして彼が参加者に伝えたいメッセージを踏まえ、サハラマラソンを走る「魅力」をお伝えしたい。

主催者:パトリックバウアー氏インタビュー

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Q1. サハラマラソンを開催しようと思ったキッカケは?

アフリカは幼少期時代からの夢であり、小さい頃に見た映画や聞いた冒険の話しを象徴する未知のシンボルや魅力的な大陸でした。当時、私は写真家で情熱を失いかけていました。そしてその仕事を辞め、いつも夢に見ていたアフリカへ出かけたんです。快適な生活から離れることは困難でしたが、若い時にしたい事をしなければ、一生しないと思いました。車でサハラを5回横断し、西アフリカまで向かいました。これら全ての経験が自分の中の砂漠に対する情熱を目覚めさせました。そこでは信じがたい景色や素晴らしい人々との出会いがありました。ある朝、私は弟(もしくは兄)に砂漠に歩いて出かけると告げ、3週間後、私は15Lの水と3.5kgの寝袋が入った40kgのリュックを背負い、旅をスタートさせました。その際、私のやっていることが理解できないと言った何人かのイタリア人やトラック運転手に途中で会いましたが、その中の一人が新鮮なトマトをくれ、未だにその味を覚えています。この12日間の砂漠での経験を経て、私は本当に自由になったと実感したんです。

Q2. はじめて大会を主催しようと考えた時、参加者のターゲットは明確でしたか?また、参加者を集められる見込みはありましたか?その当時のヨーロッパにおけるマラソン・ランニング事情を含めてお聞きできれば。

アフリカから帰国後、この壮大な景色は他の人にとっても飛び出していきたい場所なのではと思いました。私はランナーに途方もない冒険の経験から得られるこの広く開放的な感覚を楽しんでもらいたいと思いました。その当時はまだトレイルやウルトラトレイルが行われる前で、革新的でした。ランニング自体はどこでも行われていましたが、主に大都市されるロードでのマラソンばかりでした。サハラマラソンは現在のほぼ全てのアウトドアレースの中で、草分け的存在です。1986年に23人のランナーでスタートし、30年の時を経て、18,000人が参加し、今年は過去最多記録となる1,358人もの人が参加しました。私たちはランナーにより良いサービスを提供する為、このイベントをより優れた、そして組織的なものとして発展をさせてきました。

Q3. サハラマラソン参加に関して、どんな準備が必要か?メンタルやフィジカル面を含む。

一番に挙げられるのは、謙虚さです。砂漠をなめてはいけません。準備なくしてサハラマラソンに立ち向かう事はできないですし、完走した人は皆、準備を怠っていません。暑さや砂、風、距離はサハラマラソンをタフなイベントとし、世界で最も過酷なレースとも言われています。これはハイキングではなく、自分の能力に対し謙虚さが求められています。ほんの些細で気がかりな事であっても、レース中は気に留めておかなくてはいけません。レースに打ち勝とうとするよりも、水分補給や睡眠、食事、ペース等、レースをどう管理していくかが成功の鍵となります。また精神的な強さも必要とされますし、体が疲れると頭が動かなくなってしまいます。だから、今まで考えなかったことや制限時間に間に合うか考えてしまう。

砂漠で身に着いた精神的強さは、今後日常生活でも役立つでしょう。成功は全てを覆っています。もちろんザックが重すぎたりしてはいけませんが、全てに情熱が必要です。砂漠への情熱、冒険への情熱、他者への情熱、そしてそれを皆と共有する情熱。

Q4. サハラマラソンを通じて、参加者にどんなことを感じて欲しいのか?

人生の中で、時には魅力的な場所に旅する機会や通常の世界から切り離され、自給自足の生活で風や暑さに自分の身を投じる時もあることでしょう。仲間との団結、友情、他者との違いを尊重し、毎晩の厳しいキャンプで本来の意味を見出すでしょう。

参加者には今の社会の中では味わえない”自由”という本当の贅沢を感じて欲しいと思っています。MDSは星の下で火を焚き、毎晩ランナー同士で協力し合い、ご飯を作る特別なコミュニティーです。全てが終わるとあなたの表情は和らぎ、水ぶくれや痛みがあるにも関わらず、生きている事への喜びを感じます。競技者の一人が“心が洗われた”と話してくれました。スタート前には気がつきませんでしたが、このイベントを通して広い心を持つきっかけとなり、一人ひとりが考えもしなかった何かを見つけることができます。それは将来ずっと彼らの存在を養い続けてくれることでしょう。

Q5. これまで30回大会を主催してきて、一番印象に残っていることは何か?

一つに限定はできません。私たちは過去30年間、毎年素晴らしい経験をしてきました。多くのランナーがサハラマラソンで心が踊るような体験をしてきました。

最も素晴らしい例の一つは、モロッコ人のLahcen Ahansalが過去10回優勝しています。彼は砂漠の羊飼いで、1回目のサハラマラソンを見終わった後、スタートに立つ為に今までやってきたことを手放し、サハラに全てをかけました。彼はその後10回もレースで勝ち、今日では権威あるアスリートとして認められています。このような例は他にも沢山あります。完走メダルをランナーに手渡す際、参加者の目は輝きを放っています。これら眼差しや賛美は素晴らしい賞に値します。

Q6. サハラマラソンを企画・主催するというチャレンジの原動力はどこにあるのか?

参加者に対しては情熱です。第一に国への情熱です。モロッコは特別な国であり、モロッコの歓迎は、とてもユニークです。過去20年、Royal Highness King Mohammad VIがサハラマラソンのスポンサーになってくれました。これは素晴らしき栄誉です。それに加え、モロッコ以外の世界各国(2015年には50カ国)から参加者が集まってくれたことがとても嬉しい。仲間と共に互いに助け合い、砂漠やテントで過ごした一週間の経験は一生忘れることはないでしょう。参加者は通常、日常からかけ離れているものや相互のサポートを求めます。また。多くの参加者は信頼性や平等性を求めて、大半は寄附のために走ります。あなたはレースに必要最低限のものだけを装備していれば、あとは自由になれます。レース後は参加する前より充実していることは間違いありません。

 

サハラマラソンを走るための事前準備

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2014年6月にサハラマラソンにエントリーしてから、実際のトレーニングは8月よりスタート。パトリック氏のインタビューにもあるように、サハラマラソンを走り切るにはとにかく「準備」が必要だ。