1. TOP
  2. インタビューコンテンツ
  3. 僅か4年で100回以上開催!全国で広がりを見せている、いま注目の「シャルソン」って何?

僅か4年で100回以上開催!全国で広がりを見せている、いま注目の「シャルソン」って何?

インタビューコンテンツ
この記事は約 11 分で読めます。 4,231 Views

マラソンと言えば、いかに速く目的の場所(ゴール)にたどり着けるかを競う競技です。競争は時に美しく、人々を魅了します。2000年のシドニーオリンピックで高橋尚子さんが金メダルに輝いた時、2004年のアテネオリンピックで野口みずきさんが同じく金メダルに輝いた時、日本中が感動しました。

今や日本のランニング人口も1,000万人と言われ、マラソンレースの中には出たくても参加できない・・・そんな大会まであるほどランニング熱・マラソン熱は加熱し続けています。

では、マラソンとは人々と競い合うことだけが全てなのでしょうか?もしくは、自分に打ち勝つことや自分を成長させることがマラソンの大きな目的なのでしょうか?

もちろん、競争・自己成長といった側面を否定している訳ではありません。競技上、無くてはならない要素です。ですが、競争や自己成長というよりも、むしろ「楽しさ」を重視するランナーが圧倒的に多いのではないでしょうか?

勝負に勝つことが楽しい、自分を成長させることが楽しい、ゴール後の達成感が何とも言えない・・・そんな「楽しさ」があるのも事実です。

ですが、単純に身体を動かすことの楽しさ、走った後にビールを飲む楽しさ、仲間とコミュニケーションを取り合う楽しさなどなど。

ランニングが日本でも定着してから、様々なジャンルのランニングイベント・マラソンレースが全国各地で開催されています。中でも今まさに注目を集めているのが「シャルソン」というランニングイベント。

シャルソンとはソーシャルとマラソンを組み合わせた造語。「走ることを通じてまちを再発見し、人と人とが繋がるランニングイベント」というコンセプトで、2012年から全国で延べ100回以上のイベントが開催されています。

そこで今回、シャルソンの創始者である佐谷恭氏(株式会社旅と平和 代表取締役、パクチーハウス、PAX Coworking オーナー)にシャルソンについてお話を伺ってきました。

シャルソンが生まれたきっかけ

s_medoc
画像出典:http://edition.cnn.com/2014/08/29/travel/medoc-marathon/

佐谷氏ー

きっかけはシャルソンを作った直前に佐谷氏自身が東京マラソンに落選した2011年の秋頃の話です。

Facebookで色んな人が同じく落選をしていて、皆が「残念だ」と書いていました。ですが、別に落ちても走ればいい話。東京マラソンに落ちたから走らないのではなくて、走ればいい!東京マラソン実行委員会に左右される人生なんてダメだよ、ということで作ったのが2012年の2月の経堂マラソンでした。これが第一回目のシャルソンとなるのですが、シャルソンの発想の原点はメドックマラソンです

メドックマラソンから、なぜシャルソンという発送に至ったのかというと、メドックマラソンは毎回どこかのテレビでも取り上げられていて、お酒を飲みながら走る酔狂のマラソンです!と紹介されています

自分自身もお酒が好きだし、たまたま走るようにもなっていたので、1回くらいメドックマラソンを走ってみようかなということで、実際に行ってみたら、お酒を飲みながら走る酔狂のマラソンではないんですよね、本質は!

ワインがグラスで出てくるので、マラソンという進み続ける、できるだけ速く走るという当たり前の姿が前提ではないわけです。もちろん6時間範囲内という制限時間はありますが、立ち止まりながら走ることが素晴らしいなと。

もともと走ることが好きではなくて、ランニングやジョギングを完全に否定していたので、35歳まで。

ですが、ビールっ腹などもあり走り始めて、1回くらいはお酒を飲みながら走るというのもいいかなと思い参加したんです。

ですが、そこにあったものは人が立ち止まる、そしてワインのグラスを交わし合いながら、話をし始めたり、ということが自然に起こっている。凄いことだなと。

あとはマラソン自体が仮装を前提にしているので(もちろん仮装をしていなくても参加はできる)、かなりの数の参加者が仮装に力を入れています。日本人の多くはハッピなどを来て走っているんですが、そんな中途半端な格好では恥ずかしい・・・というくらい面白い!

で、面白い格好をしていると途中で話しかけられますし、逆に面白い格好をしている人には声をかけたくなります。飲んでいる時も飲んでいない時も誰かと話しながら走っている、パーティーをしている感じがありました。

こんなに知らない人と気軽に話すという行為は、普通のパーティでもなかなかないですし、マラソンというカテゴリーの中でも異質だなと思いました。

私はパクチーハウスという、人と人とが話ができ交流できるレストラン、そしてコワーキングスペースという色んな人が集って、何かが生まれる場所を作っていますが、メドックマラソンに参加した時に、「こういう場所でもコミュニケーションが生まれるんだな」ということを感じました。

レストランやコワーキングスペースというのは、場所の中でコミュニケーションが生まれるので、場所自体を自分の色にすることができます。

ただ、お店の中だとコミュニケーションが生まれるのはある意味当たり前です。

ですが、渋谷のスクランブル交差点で、「もっと隣の人と話しましょうよ」というと、何かの宗教と間違えられてしまう。なので、箱の中から出てしまうと、なかなかコミュニケーションが取れない。

ですが、マラソンという広域で走るもので、実際にコミュニケーションが起こっているんだということが凄い発見でした。

メドックマラソンという狂ったマラソンがあって、参加したことがある!という話をしたいと思いました。なので、1回行けばいいかなと。だけど、その本質を知った以上、同時に同じことを日本でやることで現代のコミュニケーションの在り方を変えることができるんじゃないかと思いました。メドックマラソンの日本版をどこでやろうかなと。

その時に北海道でビール会社に協賛してもらってイベントをやろうと思ったんですが、警察に許可を得て・・・こういうコースでやりたい・・・その間にビールやワインを置きたい・・・という話をしたら、恐らく簡単には許可が降りない。

東北酒マラソンというのがあるんですが、これはメドックマラソンの協力を得てやっています。結局レースの途中でお酒を飲むことは許されておらず、ゴール地点で酒祭りをやっているだけです。

もしかしたら10年、20年かけてやれば実現できるかもしれませんが、今必要なコミュニケーションを10年後に実現してもどうなんだ?という気持ちもあったので、もう少し早くやろうと。少なくとも来年やろうと。

最終的にはシャルソンという仕組みになるんですが、シャルソンで集まった人達が走ったり歩いたりして色んなところを回って情報を発信していきながら、地域のマップを作ることができれば、地域に貢献できるかなと。

1回目のシャルソンが開催されるまで

佐谷氏ー

最初はFacebookでイベントページを作ってやりました。半分くらいは友人が集まり、もう半分がパクチーハウスのお客さん、最終的には55人の参加者が来てくれました。

街の発見が基本コンセプトで、今は「給◯ポイント(※1)」となっていますが、第1回目は給水・給電ポイントと表記し、街の飲食店に協力をしてもらいました。

※1 給水・給電ポイントが給◯ポイントとなったのは、他の場所でシャルソンをやった時に、「うちはこれを提供します!」というのを色んな所が言ってくれるようになり、「給饅頭」だとか「給〇〇」と言うようになって、今は給◯ポイントということで統一して呼ぶようになりました。

ペットボトルを持って走る等でもいいんですが、どこかのお店に寄るという行為が必要だなと思っています。

でもレストランなどの飲食店に入ると、普通は水だけもらって帰るというのはあり得ない。ですが、一日何件も食べたり呑んだりできないから、レストランに行って水だけもらって帰って来ると、「この前あそこのお店にお世話になったから、行こうかな!」という流れが絶対にできると思ったわけです。

そうするとそれに参加してくれたお店は新しい、知らないお客さんに認知してもらえます。

認知だけではなく、実際にお店の中に入ってもらうことで関係性が生まれますし、お店の中の雰囲気、人の雰囲気を感じてもらえます。

普段、飲食店とお客さんの関係だとあまりコミュニケーションが生まれませんが、イベント(シャルソン)で立ち寄ると、新たなコミュニケーションが生まれます。

さらに、イベント後に再来店する、そこでまた新たなおミュニケーションが生まれると言った好循環が生まれます。

飲食店としては常連さんを作るきっかけにもなりますので、走る人だけでなく、飲食店側にもメリットがあるわけです。

ただ、1年に1回だけお店に行ってもらうことが趣旨ではなくて、それ以外の時にも行ってもらうことを大事にしています。あとはスタンプラリーでもない。それは街の発見には繋がらないので。

シャルソンにはこうしないといけないというルールがないので、主催者間で情報を共有しながら、いいものを取り入れながら、変化をしてきています。

日本の場合、東京で起きたものが地方に派生していくような流れができていますが、地方は別に東京を介して何かをする必要もありません。

なので、シャルソンに関してはご当地リレー(※2)という仕組みを作っていて、その土地の野菜やお菓子などを持っていったり、その土地に関係なくお互いが参加しあう仕組みを作っていたり、のぼりを次の開催地に送る時に、一緒に1品(その土地に関係のあるものなど)+メッセージを送るような仕組みになっています。

※2 日本語での当地という意味と英語のトーチ(聖火)という意味がある。

主催者同士のSNSグループもあるので、主催者同士が交流、情報共有する場にもなっています。

実際に体験してきた東京シャルソン

去る2016年2月28日(日)※東京マラソンと同じ日に5回目の東京シャルソンが開催されました。

受付時間は10時から16時の間であれば何時からでも参加可能。ゴールは17時半。その後18時から、参加者それぞれが見つけた東京の魅力をシェアするパーティをします。

筆者は自宅の目の前をランナーが通る東京マラソンの観戦を終え、15時前に受付会場であるPax Coworking(経堂)に到着。

シャルソンを楽しむ時間は僅か2時間半。つまり、10時に受付を済ませた参加者は7時間半も東京の魅力を発見することができ、給◯ポイントでの「補給」を堪能できるわけです。

そんなこんなでスタートした、東京シャルソン。経堂界隈は全くと言っていいほど土地勘がなく、名所をリサーチすること無く参加してしまった結果、ただただ身体が動く方へ動く方へと歩を進めていきます・・・。

世田谷の空気を感じながら走りながら、SNSで他の参加者の動向をチェックしていると、ある給◯ポイントが松陰神社前にあるとの情報をキャッチ!

\ SNSでシェアしよう! /

ランナーズNEXTの注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ランナーズNEXTの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ランナーズNEXT 編集長

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

鍼灸・あん摩マッサージ指圧師の国家資格者でもあるが、現在はランニングウォッチやランニング用パワーメーター(Stryd)などのデバイスを活用しながら、効率的にマラソンやランニングの目標を達成するためのサポートをしている。

自分自身もマラソンやトレイルランニングの実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

この人が書いた記事  記事一覧

  • 【自宅で筋トレ】ランナーのための家でもできるオススメトレーニング5選

  • GARMINで心拍トレーニングの精度を上げる方法

  • トレーニング以外でランニングパフォーマンスを上げるためにできること〜最大酸素摂取量(VO2max)編〜

  • 約2ヶ月の低酸素トレーニングと筋トレでランニングテストのパフォーマンスはどう変化したのか?

関連記事

  • 佐藤悠基選手が愛用する世界基準の次世代スポーツドリンク活用法

  • アミノ酸、クエン酸、糖質サプリメントの活用術【ランニング編】

  • 世界で戦えるランナーを育てるために〜城西大学男子駅伝部監督 櫛部静二さん〜

  • ランニングシューズ市場に衝撃を与えたHOKA ONE ONEの「存在価値」

  • 【特別号】ランナーにおすすめの治療院・トレーニング施設!第1回ATR半蔵門(東京)

  • ランナー向けウェアラブルデバイスJINS MEME RUNは私達のランニングライフを変えるのか?