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ランニング用パワーメーターの種類と選び方

 2018/12/03 おすすめランニンググッズ
この記事は約 9 分で読めます。 1,017 Views

2016年にアメリカで初めてリリースされたランニング用パワーメーター。

まもなく2019年を迎えようとしている現在、ようやく日本でも徐々にではありますが、ランニング中にパワーを計測することが認知され始めました。

関連記事:ランニングのパワートレーニングで得られる5つのメリット

まだまだ「ランニングのパワー?何それ?」といった状況かと思いますが、ランニング用のパワーメーター(パワーを計測できるデバイスを用意している会社)は私が知っているもので5つ程あります。

ランニング中の心拍数を計測することが徐々に理解され、心拍トレーニングが一般化されてきたのと同じく、今後ランニング中のパワーを計測するパワートレーニングも普及してくることでしょう。

そこで、今回は一方先ゆくランニングメディアらしく(?)ランニング用のパワーメーターにはどんなものがあって、どのように選んでいけばいいのか?というテーマで書いていこうと思います。

マニアックな「テーマ」ではありますが、内容そのものは読んでも理解できるように書いているつもりです。

ランニング用パワーメーターの種類

ランニング用パワーメーターは2015年にStrydがクラウドファンディングプラットフォームである、Kickstarterからクリップ型のポッドをリリースしようとしたのが一番最初だと認識しています。

今で言う、ガーミンのランニングダイナミクスポッドと同じようなデバイスをリリースしようとしたわけです。

そこから最終的にStryd Pioneerとして、胸部でパワーを計測するデバイスが誕生しました。

心拍ベルトの胸部中央に加速度センサーを埋め込み、パワーを予測するデバイスです。


※世に初めて出たランニング用パワーメーター“Stryd Pioneer”

Strydがきっかけとなり、そこから数社がランニング用のパワーメーターを開発し、世に送り出しています。

今現在リリースされている、ランニング用のパワーメーターを分類すると、

①ランニングシューズや胸部など装着するポッドタイプ

②インソールにセンサーを埋め込んで計測するインソールタイプ

③時計そのものでパワーを予測するウォッチタイプ

の3種類です。

ポッドタイプのランニング用パワーメーター

ランニング用パワーメーターの中で最も数が多いのが、ポッドタイプのパワーメーターです。

ランニングシューズにデバイスを装着するフットポッドタイプのもの、心拍ベルトの胸部中央で計測するもの、腰回りにクリップで装着するものがあります。

メーカー毎に、それぞれ見ていきましょう。

Stryd(ストライド)

Strydは前述の通り、世にランニング用のパワーメーターを初めて出した、いわゆるリーディングカンパニーです。

初代Stryd Pioneerから、現在はランニングシューズに装着するフットポッドタイプに変わっています。Stryd Pioneerではランニング中のパワーはもちろん、心拍数、ケイデンス、接地時間、上下動が計測できました。

現在のフットポッドタイプのStrydでは、ランニング中のパワー、ケイデンス、接地時間、上下動に加えて、Form Power(フォームパワー)、Leg Spring Stiffness(レッグスプリングスティフネス)という新しい概念を生み出し、ランニングエコノミーを評価する指標として活用されています。

また、Strydに付随するPower Centerというソフトウェアでトレーニングプランを提示してくれたり、日頃のトレーニングの特徴や癖を可視化してくれる機能もあります。

フッドポッドタイプに変更したことで、当然ながら心拍数は計測できませんし、フットポッドは片方だけの装着なので、左右のバランスを見ることができません。

Strydに関する記事はランニング用パワーメーターSTRYDでパフォーマンスは変わるのか?の中でも書いていますので、ぜひ参考にして見てください。

価格は199ドルとなっています。

Garmin(ガーミン)

GPSデバイスとして日本でお馴染みのガーミンでも、2018年あたりからランニング時のパワーを計測できるようになりました。

ガーミンから新たなランニング用パワーメーターが発売されたわけではなく、既存のランニングダイナミクスポッドやHRM-Run、HRM-Triといったいわゆる心拍ベルトに内蔵されている加速度センサーを通じて、ランニング中のパワーを予測できるようになったというわけです。

Connect IQというサイトから専用のアプリをダウンロードすることで、ランニング中のパワーを計測することができますが、全てのGPSウォッチでパワーが計測できるわけではありません。

現在はForeAthlete 645/Music, ForeAthlete 935, fenix5シリーズのみランニングパワーに対応しています。

上記のGPSウォッチを使用している方であれば、ランニングパワーを計測することができますので、ぜひ試してみてください。

価格も他のデバイスより安く、ランニングダイナミクスポッドであれば日本で購入する場合、8,400円(税別)で購入することができます。

RunScribe(ランスクライブ)

Strydと同じく、クラウドファンディングを経てリリースされたのがRunScribeです。KicksterterでのプロジェクトはStrydよりも先でしたが、当初はランニングパワーという指標は考慮されていませんでした。

RunScribeもランニングシューズに装着して使用します。

もともとはランニング中の足の接地位置(踵接地なのか、ミッドフットなのか、フォアフットなのか)の情報をフィードバックしてくれたり、接地時にどれくらいブレーキがかっているのか?を可視化してくれます。

怪我に繋がる動作の一つ、プロネーション(足が内側に倒れ込むような動作)を評価してくれるのも大きな特徴です。

それらに加えて、3Dの加速度センサーによって、ランニング中のパワーを計測できるようになったという流れです。

2つのポッドを装着することで、左右バランスを見ることができます。フットポッドが2つあるということは、(人によっては)手間になるという見方もできるでしょう。

価格はStrydよりも高めで249ドルとなっています。

インソールタイプのランニング用パワーメーター

RPM2(アールピーエム2)

現在世に出ている、唯一のインソールタイプのランニング用パワーメーターです。

シューズの中に、センサーが搭載されたインソールを入れてパワーを計測します。あえて「ランニングシューズ」と言わなかったのは、RPM2はサイクリングでも使用できるパワーメーターだからです。

ペダリング時にインソールセンサーに加わった力を計測します。

ランニングやサイクリング時に、左右で圧のかかり方の違いを把握することができます。

RPM2は実際に使用していないので、把握できていないことも多いですが、インソールタイプということは、ランニングをすればするほど消耗してしまうということです。

価格は499ドルと他のパワーメーターよりも高いので、買い換える必要などを考えると、敷居が高いかなと。

あとはインソールに加わった圧を、どの程度正確にセンサーが捉えることができるのか?は定かではありません。

ウォッチタイプのランニング用パワーメーター

Polar Vantage V(ポラール バンテージ V)

ランニング時のパワーは基本的にフットポッドや心拍ベルトなど、GPSウォッチと別のデバイスを装着し、時計やスマートフォンを使って、リアルタイムのパワーを確認しながら走るのが主流です。

ですが、ポラールのVantage Vは時計とは別のデバイスを装着することなく、ランニング中のパワーを確認することができます。

GPSウォッチさえあればパワーを計測できるというのは、ユーザー側からすると、大きなメリットになります。

では、どうやってGPSウォッチでパワーを算出しているのか?

(詳しいアルゴリズムは分かりませんが)GPSの情報と気圧計による情報を元に予測しているようです。GPSウォッチを使用している人なら分かると思いますが、そもそもGPSの精度は(現時点では)それほど高くはありません。

マラソンレースに参加した時に、GPS情報から算出した走行距離が、実際に走った距離よりも長く表示されたり、短く表示されたりという経験はあるはずです。

つまり、GPSの情報をもとにパワーを算出するというのは無理があるのでは?というのが現段階での個人的な考えです。トンネルやGPS情報を拾いにくいところもあると思うので・・・。

ランニング用パワーメーターはどう選ぶ?

では、実際にランニング中のパワーを計測しようと思った場合、どのパワーメーターを使用すればいいのでしょうか?

どのパワーメーターを使用しても、パワーの値は計測(予測)できます。

ですが、例えばStrydで計測されるパワーとガーミンで計測されるパワーの値は異なります。

どちらが正しいか?は正直分かりません。

私達が評価しなければならないのは、計測されたパワーをどう活用するか?であり、活用しやすいデバイスを選んだ方が良い、ということです。

パワーの数字が分かっても、活用できなければあまり意味はありません。

そこで、判断基準の1つとなるのが「ソフトウェア」です。

パワーメーターを使用して取得したデータを、ランナーにどうフィードバックするのか?ソフトの部分が肝になります。

もう一つは(個人的な想いも多分に含まれていますが)、パワーメーターを作っている会社が「パワートレーニングで世の中を変えようとしているか?」という視点は非常に大切だと思っています。

要は、もともと3Dの加速度センサーを搭載したデバイスを持っていて、「パワー表示機能も付けちゃえ!」という会社と、最初から「我々はランニングパワーでランナーのパフォーマンスアップに貢献する!」とコミットしている会社があれば、どちらを選びますか?という話です。

もちろん、私はメーカーの人間ではありませんので、本当のところは分かりません。

ですが、例えばStrydという会社は、単にパワーメーターを販売するのではなく、顧客やコーチ、専門家と協力しながら製品やサービスをより良いものにしていこうという姿勢がもの凄く伝わってくる会社です。

SNS上のコミュニティを見てもらうと、毎日活発なディスカッションがなされています。

テクノロジーの進化とともに、パワーメーターやパワートレーニングのノウハウも今よりアップデートされるのは間違いありません。

パワーを表示できるだけのデバイスなのか?活用のサポートまで考えられているデバイス+ツールなのか?最終的にどちらを選べばいいのか?は明白です。

まとめ

ここまで、ランニング用パワーメーターの種類と選び方を紹介してきました。

ランナーにとって、「パワー」という指標はまだまだ馴染みの薄い分野かと思います。

ランニングのパワートレーニングも少しずつ認知され始めてきましたが、情報は少なく、情報があったとしても、難解なものばかりです。

ランナーズNEXTの中で、できる限りランニング中に発揮されるパワーについての情報を発信していければと考えています。

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ランナーズNEXT 編集長

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

鍼灸・あん摩マッサージ指圧師の国家資格者でもあるが、現在はランニングウォッチやパワーメーターなどのデバイスを活用しながら、効率的にマラソンやランニングの目標を達成するためのサポートをしている。

自分自身もマラソンやトレイルランニングの実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

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