HOKA ONE ONEのランニングシューズ徹底比較【トレイルランニングシューズ編】
スポーツ店のランニングシューズ売り場に行くと、様々なメーカーのシューズで溢れています。同じメーカーでもタイプの違ったシューズが陳列されていて、どのシューズが自分に合っているのか、試すだけでも大変・・・という方も多いのではないでしょうか。
矢野経済研究所が発表した、2016年のランニングシューズ市場の調査結果によると、市場規模は金額ベースで約694億円。2013年からの国内出荷数量の推移を見ても、年々右肩上がりで伸びています。
そこで、ランナーズNEXTではロード用、トレイルランニング用、メーカー別など、様々な切り口でランニングシューズをご紹介していきます。
今回は2009年にフランスで生まれたスポーツシューズブランド、HOKA ONE ONE(ホカ オネ オネ)のトレイルランニングシューズについて紹介します。一部のランナーから多くの支持を得ていたブランドですが、2017年から本格的にブランドの展開をスタートしました。
※HOKA ONE ONEのロード用シューズについては、別の記事でご紹介します。
目次
HOKA ONE ONEの特徴
HOKA ONE ONEの最大の特徴は、シューズの「クッション性」にあります。他のランニングシューズと比較しても、圧倒的にソールが厚底である印象を持つのではないでしょうか。最近では、他のシューズブランドでもソールを厚くしたようなシューズが増えてきました。
HOKA ONE ONEの場合、ソールが厚いというと、
①シューズが重たくなるのではないか?
②着地時に足元が不安定になるのではないか?
という2つの点で不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、①に関しては、HOKAのシューズは軽量のクッショニング素材を使っています。②については、ミッドソール部分で足全体をホールドし、シューズとの一体感を出すため、不安定感を感じにくい構造です。
※通常のランニングシューズを履いている人が初めてHOKA ONE ONEのランニングシューズを履いた時には、慣れないために多少の不安定感を感じることがあるかもしれません。
※ミッドソールが足全体をホールドする。
なので、クション性による身体への衝撃を緩和しつつ、ランニングシューズそのものの軽量化も追求しているシューズだと言えます。
もう1つ、忘れてはならない機能としては、HOKA ONE ONEのランニングシューズはロッカー機能があることです。
※ロッカー機能により、ランニング時の着地から蹴り出しまでがスムーズに行える。
ロッカー機能とは上記の写真のように、ランニング時の着地から蹴り出しまでをローリング運動でアシストすることを指します。ロッカー機能があることで、スムーズに足が前に出て、自然な体重移動ができるわけです。
その他、HOKA ONE ONEブランドの詳細については、下記の記事もご覧ください。
ランニングシューズ市場に衝撃を与えたHOKA ONE ONEの「存在価値」
では、HOKA ONE ONEのトレイルランニングシューズについて、それぞれ見ていきましょう。
※筆者の足は「足の幅が広めで、甲は高い」状態で、シューズはどちらかと言うと、ゆったりと履きたいタイプのランナーです。
CHALLENGER(チャレンジャー) ATR 3
CHALLENGER ATR 3はロード用のシューズとしても使用可能な、トレイルランニングシューズです。
筆者は、もともとCHALLENGER ATR 2ユーザー。2と比べると、アウトソールを含めたスペックは殆ど同じですが、アッパー部分のデザインがシンプルになりました。加えて、アッパー部分の補強を網状で網羅しているため、個人的には2よりも中足部分の幅が若干タイトに感じました。
シューレース(靴紐)が伸縮性のある素材に変わっていたため、履いた時のフィット感を調整しやすい印象です。
CHALLENGER ATR 3は特に「走れるトレイル」では重宝する一品です。
アウトソールがある程度擦り減っても、ウルトラマラソンなどロードで再(?)利用できます。軽量化を目指すにあたり、アウトソールの耐久性はそれほど高くないかもしれません。ですが、そもそものクッション性の高さから、ロードを含め長期的に利用できるシューズだと言えるでしょう。
<スペック>
重さ:269g(27.0cm)226g(24.0cm)
ドロップ:5mm
※ドロップ=つま先と踵部分の高さの差を表します。ドロップが大きい=つま先立ちに近い状態。ドロップが大きくなると、姿勢そのものも変化します。ドロップが無ければ、裸足で立っている時と同じ状態の姿勢を維持できます。
価格:¥18,000(税別)
SPEEDGOAT(スピードゴート) 2
チャレンジャーややスティンソンがロード、トレイルの両方で使用可能なモデルに対し、スピードゴートはあらゆるトレイルに対応できるシューズとなっています。
足の型にもとづいて作られた型(ラスト(木型))はチャレンジャーと同様です。
大きな違いはアウトソール部分にあります。スピードゴートのアウトソールはVibram®の素材が使われており、耐久性に優れます。更に、5mmの溝で高いグリップ力を発揮します。
他の多くのモデルのデザインがシンプルになっていく中、スピードゴートのデザインは逆を行く(?)デザインとなっていて、個人的にはウィメンズを含めた3色とも気に入っています。
<スペック>
重さ:278g(27.0cm)233g(24.0cm)
ドロップ:4.5mm
価格:¥20,000(税別)
STINSON(スティンソン) ATR 4
STINSON ATR 4はHOKA ONE ONEのランニングシューズの中で、最も重く、クション性も高いシューズです。
チャレンジャー同様にATR(ALL TERRAIN)ということで、全路面対応シューズです。スティンソンと前述のチャレンジャー、スピードゴートの2タイプは基となるラスト(木型)が異なり、スティンソンはロング走を重視したワイドラストになっています。
筆者の場合、ステージレースでの使用を考えています。
<スペック>
重さ:336g(27.0cm)
※STINSON ATR 4のサイズは25.0cm〜
ドロップ:5mm
価格:¥21,000(税別)
まとめ
今回はHOKA ONE ONEのトレイルランニングシューズについてまとめましたが、いかがだったでしょうか?
もちろん、個々で既にお気に入りのランニングシューズはあるでしょう。シューズの合う、合わない、デザイン的な趣味嗜好も個々で違います。
ただ、色んなブランドの個性を知り、今より自分に合ったシューズ、もっと履いてみたくなるようなシューズを探すお手伝いができればとは思っています。
個人的に、HOKA ONE ONEのランニングシューズは「走るのが楽しくなるようなシューズ」だと位置付けています。まさにブランドコンセプトにある”Time to Fly”を体現するシューズ。
履き心地、シューズそのものの機能は非常に重要です。ですが、機能的にどうか?を考えることに加えて、履いてみたくなる、走ってみたくなる、そんなワクワクできるようなシューズがこれからの時代に必要なのではないでしょうか?