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「ランニングテスト」でパフォーマンスレベルが明らかに!果たしてその結果は?

前回の記事、目標とするレースに向けてのスタートは現状把握をすることから~ASICS Sports Complex RUNNING TESTでは、ASICS Sports Complex TOKYO BAYにて、ランナーとしての「現在地」を把握するために実施する各種テストについて紹介しました。

今回は、ランニングテストを通じて、具体的にどんな結果が出たのか?計測結果がどんな意味を持つのか?今後、計測結果を踏まえてどう対策を打っていくのか?について考えていきましょう。

足型 Foot Shape

写真1:足型計測の結果

まずは左右の足型に関する計測結果から。

足型の計測結果は写真1の通りです。

①足長(踵から最も長い指先までの長さ)、②足囲(親指と小指の出っ張り部分の周径囲)、③第1趾側角度(親指の角度。外反母趾の人は親指が小指に向く)、④踵の傾斜角度、⑤踵の幅、⑥アーチ高(土踏まずの高さ)、⑦足高(地面から足の甲の出っ張り部分までの高さ)の7項目を専用の測定機器で計測します。

アシックスがこれまでに計測してきた足型のデータと比べて、足囲は細いのか太いのか、アーチは高いのか低いのか、といったフィードバックが得られます。

これら7つの測定項目を踏まえて、アシックスのシューズを選ぶのであれば、左右で何cmのシューズを選べば良いのか?足の幅がA(細い)~G(広い)の範囲の中で、どのシューズを選べば良いのか?まで提案してくれるわけです。

私の足型の特徴は大きく2つ。

まず足長の左右差が大きいこと。

左の足長が24.6cmに対し、右が25.3cm。データからはじき出されたシューズのサイズは左右で1cm違います。

実際に、トレイルランニング時に足の爪のトラブルが黒くなるのは、決まって右足です。

これまで爪の問題は放置していましたが、ソックスで調整するなどして、対策を立てていく必要がありますね。

足長以外の項目で大きな左右差はありません。

ですが、もう1つ特徴があるとすれば、足の甲とアーチが高く、足の幅が広いこと。

足型の計測をすることで、自分の足に合ったシューズを選びやすくなるのと同時に、怪我のリスクに備えることも可能になります。

自身の足の特徴を客観的に把握し、適切な対処をしていきましょう。

脚伸展・屈曲パワー Power of Leg Extension/Flection

写真2:脚伸展・屈曲パワーの結果

次に脚伸展パワーと屈曲パワーについての計測結果をもとに考えてみましょう。

太もも前面の筋力、太もも後面の筋力、左右差、前面・後面の筋力バランスを計測し、筋力発揮の癖や弱点を把握することが目的です。

数値だけを見ても、筋力があるのか無いのかが分かりにくいですよね。

筋力そのものは伸展筋力も屈曲筋力も、一般平均よりはかなり高いとのことでした。

特に伸展筋力は非常に高いそうです。

脚伸展筋力はランニング中に発生する膝の怪我とも関係が深いので、筋力が弱い人は注意する必要があります。

私の場合、問題は左右の筋力バランスと伸展・屈曲のバランスが良くないことです。

幸い、ここ数年はランニングによる怪我は起きていません。

ですが、怪我がない=筋力や柔軟性に問題が無い、というわけではありません。

ランニング動作は左右の着地動作の連続で、同じ動作を何度も繰り返します。

小さなストレスが繰り返されることで、怪我に繋がることはあるので、特にランニング動作に関連のあるトレーニングを通じて、怪我の予防に取り組んでいく予定です。

もちろん、テストの数値そのものを向上させることが本来の目的ではありませんが、日頃のトレーニングで筋力バランスや左右差を意識しながら取り組んでいきたいと思います。

ランニングスピード/パワー Running Speed/Power

写真3:ランニングスピード/パワーの結果

ランニングスピード/パワーはランニングマシン上で、自身の体重の50%70 %90%の負荷を加えながら、15mに相当する距離を全力で走ります。

女性の場合は40%、60%、80%の負荷となります。

つまり、私の場合は33.7kg47.2kg60.7kgの負荷に抵抗しながらトレッドミル上を15m相当走るわけです。

上記の結果を見ると、ピーク出力、ピーク速度共に、セット1(体重の50%の負荷)で最も高いパワーを発揮し、速く走ることができています。

負荷が体重の70%90%と増えるにしたがって、パワーもスピードも低下していることから、私の場合は負荷が軽い方が高いパワー、スピードで走れるという特性を持っていることが分かりますね。

読者の方の中には「負荷が軽い方がパワーもスピードも高くなるのでは?」という感想を持たれている方も多いかもしれません。

ですが、例えばアメリカンフットボール選手やラグビー選手などの場合は、重い負荷の時の方が発揮できるパワーは大きい傾向にあるそうです。

ただし、一般的なランナーの場合は軽い負荷の時の方が発揮できるパワーもスピードも高い傾向にあるため、より大きな力を発揮するには、重い負荷がかかっても力を発揮できるような筋力をつけて、スピードを高める必要があります。

ランニングフォーム Running Form

写真4:ランニングフォームの測定結果(実際は動画でフィードバックしてくれます)

ランニングフォームのフィードバックはトレッドミル上でのランニング動作を横方向、後方から撮影した映像を通じて確認します。

各計測結果はランニングスピードに依存するので、一概にどれくらいの数値が適切なのか判断が難しいところです。

アシックスのランニングフォーム診断では、これまでの膨大なデータに基づき、フィードバックを受けることができます。

例えば、写真4から読み取れるのは「ランニング中の上下動が大きい」ということ。

私の場合、ランニング中の上下動の大きさは「股関節前面のタイトネス(硬さ)」が主な原因だと考えています。

股関節の前面の筋肉の中でも、特に腸腰筋が硬いため、股関節の伸展動作(足を身体よりも後方に伸ばす動作)が制限されているのが現状です。

通常は股関節の伸展動作を通じて、身体を前方へスムーズに移動させることができます。

ですが、可動域が制限されているために、推進力が前方方向だけでなく、上方向への力として分散されているわけです。

なので、今後は股関節前面のストレッチと共に、股関節を伸展させ、地面を押し出す際に前方方向へ力を使えることができるようなエクササイズを実施していく必要があると考えています。

全身持久力 Anaerobic Threshold

写真5:全身持久力の計測結果

最後に全身持久力の結果です。

今回の無酸素性作業閾値(Anaerobic Threshold:AT値)の計測は、ランニング中の呼気ガス分析によって算出。

※AT値は血液中の乳酸濃度を計測することでも、LT値として算出することができます。

今回の計測ではペース、心拍数で換算すると、AT値はそれぞれ50/km172/分という結果になりました。

フルマラソンの予測タイムは3時間386秒、ハーフマラソンであれば1時間4044秒。

これらの予測タイムはAT値から算出しています。

今回の企画ではフルマラソンやハーフマラソンがレースターゲットになっているわけではありません。

ですが、もしフルマラソンやハーフマラソンに参加する場合は、AT値を参考にトレーニングをすると良いでしょう。

ランニングテストでは、AT値と合わせてRCTペース、RCT心拍数が算出されます。

RCTとはRespiratory Compensation Threshold。日本語に訳すなら、「呼吸性代償閾値」です。

RCTは呼気中の二酸化炭素量が急激に増えるポイントを指します。

要はRCTの強度を越えてくると、運動中のエネルギー源として脂質よりも糖質がより多く使われることになるので、RCT以上の強度では長時間の運動ができなくなってしまいます。

ただし、AT値、RCTは共にトレーニングによる改善が可能です。

つまり、AT値が向上すれば、それだけ有酸素運動の領域が広がることになりますし、RCTが向上すれば、運動中の糖質利用を抑えて、長時間の運動ができるようになります。

次回以降の計測でAT値やRCTがどう変化するのか?見ていきたいと思います。

まとめ

今回はランニングテストの結果から、自身の「現在地」を客観的に捉えてみました。

ASICS Sports Complex RUNNING TESTでは、計3回のテストを実施し、自身の現在地を適宜チェックしながら、「成長度」を可視化することができます。

ただ単にトレーニングを続けていても、トレーニングが目標までのギャップを正しくめることができているのかどうか、理解するのは難しいですよね。

なので、定期的に同一のテストを実施することで、客観的に自身のパフォーマンスを可視化し、トレーニングが正しく行えているかどうかチェックをしていく必要があります。

今回は「現在地の把握」がメインでしたが、次回以降で各テスト項目の比較ができればと考えています。