GARMIN(ガーミン)ForeAthlete 630JがランニングのパフォーマンスUPに必要なワケ!

GARMINの中の上位モデルとして、2016年6月8日にリリースされたのがGARMIN(ガーミン)ForeAthlete 630Jです。前作のForeAthlete 620Jの進化版として新たに発売されました。

※同日、ForeAthlete220Jの進化版、ForeAthlete230Jも発売されます。

ランナーのためのポータルサイト、RUNNETを運営するアールビーズ社がランナー12,100人を対象にしたアンケート結果によると、最も人気の高いランニングウォッチメーカーはGARMIN(ガーミン)との報告がなされており、全体の25%に支持されています。

ForeAthlete 620Jといえば、920XTJと共にランニングダイナミクス機能(ランニング中、どれくらい上下動しているか、ランニング中の足の接地時間)をランニングウォッチの中では唯一計測できるモデルでした。

そのForeAthlete 620Jの進化版、ForeAthlete630Jは果たしてどれほど進化をしているのか?

どんな機能があるのか?

前作からの比較も含めて概要を解説していきたいと思います。

GARMIN(ガーミン)ForeAthlete 630Jとは?

本家アメリカでは、既にForerunner 630としてリリースされています。この日本バージョンがForeAthlete 630Jです。

日本版はアメリカ版とカラーバリエーションが違いますが、機能は基本的に同じです。

※ForeAthlete 630JのカラーバリエーションはMidnightBlue WhiteとMarsalaPinkの2パターン。

ちなみに、Forerunner 630のプロモーションビデオはこちら。

 

 

新たに加わった機能

ForeAthlete630Jは前モデルと比べ、バッテリー駆動時間が拡大され、ディスプレイサイズの大画面化を図りました。さらに、業界初の次世代機能ランニングダイナミクスが進化し、3種から6種へと計測できるデータが増えました

これまではランニングダイナミクス機能としてランニング中の上下動(ランニング時に身体が上下に動く振れ幅を測定)、ピッチ(1分間あたりの歩数を計測)、接地時間(足が地面に接地している時間を計測)の3種でした。これらが進化して、

上下動比・・・ランニング時に身体が上下に動く振れ幅の歩幅に対する比率を%で表示。

歩幅・・・ランニング時の1歩あたりの平均歩幅。

GCT(接地時間)バランス・・・ランニング中、地面に足が着いている左右の接地時間バランスを%で表示。

計6種類の計測が可能になりました。

加えて、最も注目すべきは乳酸性作業閾値(LT)の予測機能です。

乳酸性作業閾値(LT)はランニングのパフォーマンスを決定付ける1つの要因であり、最大酸素摂取量(VO2Max)と同様に、実験室レベルでしか計測することができませんでした。

そもそも、乳酸性作業閾値(LT)とは、運動強度を徐々に高めて血中の乳酸値が急に上昇し始める時の運動強度のことを指します。

anaerobic_threshold_graph
※Bood Lactate(血中乳酸濃度)が急に上がり始めたポイント=LT

詳細は別の記事にて紹介することにしますが、乳酸性作業閾値(LT)がある程度予測できるということは、分かりやすく説明すると、長時間運動可能な運動強度が理解できるようになるということです。

つまりフルマラソンのような長時間運動し続ける場合に、LTがある程度分かっていれば、どれくらいのペースで走ればバテにくいかが理解できるようになります。

なので、私達一般の市民ランナーが「科学的に」練習に取り組む事ができるようになるわけです。

もちろん、LTはトレーニングで向上させることができますので、どんなトレーニングをすれば良いのか?の指標も手に入れることができます。

その他スペックの比較

s_garmin-launches-gps-watch-foreathlete630j-foreathlete230j-and-fitness-band-vivofit3

では次に、ForeAthlete630Jと前作の620Jのスペックの違いを見てみましょう。

大きな違いは赤字で記してみました。

サイズ(厚さ) 
620J・・・12.5mm
630J・・・11.7mm

重量
620J・・・約43.6g
630J・・・約44g

ディスプレイ
620J・・・直径 25.4mm / 180 x 180 ピクセル / カラー
630J・・・直径 31.1mm / 215 x 180 ピクセル / カラー

防水機能 
620J・・・50m完全防水
630J・・・50m完全防水

動作時間
620J
– トレーニングモード 約10時間
– 時計モード 約6週間

630J
– トレーニングモード(GPS):約16時間
– トレーニングモード(GPS+GLONASS):約12時間
– 時計モード:約8週間
– 時計モード+ライフログ+通知機能:約4週間

※GLONASSとはロシア政府のために運用されている衛星測位システム。
GPSはアメリカ合衆国に運用されている衛星測位システムのことを指します。
GPS+GLONASSということはより正確なデータを取る場合、と考えましょう。捕捉時間が短縮化されるそうです。

保存可能データ容量 
620J・・・約200時間分の走行軌跡ログデータ
630J・・・約200時間のトレーニングデータ

価格
620J・・・¥36,800(税抜)
※心拍ベルト付きは¥43,800(税抜)
630J・・・¥44,800(税抜)
※心拍ベルト付きは¥49,800(税抜)

※注意点として、ランニングダイナミクス機能を活用する、つまりランニングフォームを可視化するためには付属のハートレートセンサー(心拍ベルト HRM-Run)が必須となります。
ForeAthlete630Jを購入するのであれば、心拍ベルト HRM-Runを購入しないという選択肢は無いでしょう。

ランニングダイナミクス、乳酸性作業閾値や最大酸素摂取量が計測できないのであれば、わざわざForeAthlete630Jを購入する必要はありませんよね。

スマートウォッチとして活用できる

sumartwatch

ForeAthlete630Jはランニングのパフォーマンスアップのために活用するアイテム、というだけではありません。

スマートウォッチとして使用することで、現在地周辺の天気/気温/最高・最低気温、降水確率の確認ができたり、スマートフォンの音楽の再生/停止/曲送り/曲戻しができたり、ペアリング中のスマートフォンの着信や受信したメッセージの通知をデバイスの画面に表示できたりします。

つまり、ランニングを「楽しむ」要素も沢山あるということです。

さらに、活動量計として使用することで、一日の歩数や距離、消費カロリーなど毎日の基本的な動きを計測できるため、日常の健康管理も可能です。

色んな機能が搭載されているので、正直使いこなすのは大変かもしれませんが、利便性も高く、ある意味「こんな機能があったら良いのにな!」というものを全て網羅しているランニングウォッチかもしれません。

まとめ

今回はGARMIN(ガーミン)のGPSウォッチの新作、ForeAthlete 630Jの特徴と機能について前作の620Jと比較することで解説をしてきました。

前作の620JはGPSウォッチ初のランニングダイナミクス機能が搭載されたランニングウォッチということで注目が集まりましたが、今回は更に機能を充実させた形でGARMIN(ガーミン)の最上位版モデルとして更に注目が集まるのではないかと思っています。

繰り返しになりますが、特に乳酸性作業閾値(LT)の予測機能はランニングのパフォーマンスを上げたいランナーには朗報の機能です。

トレーニングモード(GPS)の計測時間も16時間に伸びたことから、ウルトラマラソンを制限時間内に完走したい!というランナーにも使用できるようになりました。

ランニングのパフォーマンスUPだけに留まらず、日常生活をより充実させる「スマートウォッチ」としての機能にも注目です。

ランナーの多くは心拍計を付けない方が多いですが、パフォーマンスアップを図るのであれば、心拍計は必須アイテムです。

ランニングダイナミクスを計測するにはハートレートセンサー(心拍ベルト HRM-Run)が必須であるため、ForeAthlete630Jを購入検討される方は、合わせてハートレートセンサーの購入もお忘れなく!

ランナーズNEXTではForeAthlete630Jを含め、GARMIN社のGPSウォッチを活用したワークショップや体験会を企画しています。

詳細はメールマガジン:ランナーズNEXT通信にてお知らせしますので、GARMIN社のGPSウォッチを体験してみたいという方はこちらからご登録をお願い致します。