世の経営者が密かに実践しているランニングのルール
多くの人が健康の保持増進や自己鍛錬のために行っている「ランニング」。
東京マラソンのスタートがきっかけとなり、ここ数年前までに急激なランナー人口の増加を見せています。
個々の目的に応じて、ランニングの取り組み方は違えど、この数年の間でビジネスパーソン、特に経営者の間で新しい動きが起こっています。
いかに速く走るか、いかに長く走るか、いかに健康のためになる走りをするか、
ということに囚われない「ある目的」のために、特に経営者の方々がランニングを取り入れています。
それは、ビジネスのために走る!ということです。
もちろん、健康のためにという目的でもあるとは思いますが、それに加えてビジネス上での効果を実感されている経営者が非常に多い。
ビジネスのため、と書くと何とも抽象的ですが、
特に走っているとビジネス上のアイデアが溢れ出てきます。
蔦屋(TUTAYA)で有名なカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の創業者であり、社長の増田さんが日経ビジネスのインタビューの中で、下記のようなやり取りをしていました。
渋谷のCCCのオフィスから二子玉川の「蔦屋家電」まで、自分の足でランニングする。そして、目的地に着くまで、頭の中でいろいろ瞑想したりイメージしたりするわけ。「店の照明はどこから入ってくるんだろう」「サインはどこに付けたらいいんだろう」そんなことを、全部イメージしながら走る。
(中略)
で、僕が気になったこと、気がついたことを言って、メモしてもらっているわけ。そして、帰ってからそれに取り掛かる。そもそも走る前、あらかじめスケジュールに入れた段階で、何を見たいかってテーマがあるわけです。だから、一度きりじゃなく、時間帯を変えて何度か走るようにしている。朝と夜では風景も変わるわけだから、得るものも違ってくる。
(中略)
そもそも、オフィスっていう室内空間そのものには、何の情報もないわけだから、現場を身体で感じることが大切なの。
あえて走るのは、単に物件や周辺のことをリサーチするだけでなく、走りながら考えること、思いつくアイデアすべてが、僕の企画につながっていくから。そこからふつふつとアイデアが湧いてくる。つまり、無になって考える時間。その意味では、瞑想みたいなものでもあるわけです。
※出典元:日経ビジネスオンライン 2015年5月12日なぜ「TSUTAYA」が家電店をやるの? より
ランニングをしている時間は、ビジネスで頭をつかっている時と同じように、脳の「前頭前野」(ぜんとうぜんや)という部分が活性化し、脳の機能自体を向上させる効果があります。
また、ランニングをしていると、走っているコース景色や周りの音などによって、脳が視覚や聴覚から適度な刺激を受け、脳内の散らかっている情報が潜在的に整理されます。
ランニングにより事前に脳が整理された状態になると、本来ある記憶情報が、うまく引き出せるようになり、結果的に良いアイデアがでやすくなるのです。
これは科学的にも研究で解明されている事実であり、私を含めた多くの人が経験的にアイデアが出ている実感を持っています。
まだランニングに取り組んでいない方も、既にランニングをされている方も、走りながら「ビジネスアイデアを生み出す」という切り口を持つと、新たな発見があるかもしれません。
参考にしていただければ幸いです。