月にたった4回の練習でサハラマラソンを完走するために必要な3つの極意
普段からランニングやマラソンに取り組む人なら、行き着く先は
・マラソンのタイムを一秒でも更新する
・マラソンの距離を伸ばしていく
のどちらかに。
さらに、その先は
トレイルランもしくはトライアスロンへ。
トレイルランも単に山を走るところから、ウルトラトレイルを目指すところまで進化の過程がありますし、
トライアスロンでもオリンピックディスタンス→ハーフ→フル(アイアンマン)へとレベルが上がっていきます。
ランニングやマラソンの中でも多種多様な競技特性がある中で、一際異彩を放つものが砂漠マラソンです。
世界中で4つほど、砂漠マラソンが存在しますが、
中でも過去30年間続く「サハラマラソン」には世界中から参加者が集まります。
なぜ他のマラソンとは違うといえるのか?
それは、
・7日間の自給自足レースであること
・大会に参加するだけで10日以上の日程を要すること
・参加費が他の大会に参加するよりも高額であること
の3点。
フルマラソンで3時間を切るランナーでもリタイアする者が出るなど、単に走力があるだけではレースは攻略できず、完走するためには「準備」が必要です。
逆に言うと、準備がしっかりできていればストイックな練習をせずとも完走出来てしまう大会だとも言えます。
今回、サハラマラソンに参加してきた筆者が月に4回の練習でサハラマラソンを完走する、その極意をお伝えします。
1回あたりの走る距離を伸ばす
サハラマラソンを完走するにあたり、マラソンの練習に必要な日数(頻度)は重要ではありません。
頻度より、一回あたりに走る距離です。
フルマラソン以上の距離を走る大会に出場される方であれば、月間走行距離を気にするもしくは一つの目安として考える方も多いのではないでしょうか?
確かに全く走らずに完走を目指すのは無謀ですが、それでも月間200kmとか300kmも走る必要はないんです。
完走だけなら100kmで十分。
それも1回あたりの距離が5kmで月に20回走るんじゃなくて、25kmを4回走る。
もっと言うと、50kmを月に2回走れればそれだけでOKです。
しかも、ゆっくり長く走る。所謂LSDです。
これを楽だと思うかキツイと思うかは人それぞれですが、単なる事実として紹介しておきます。
サハラマラソンは世界一過酷と言われていますが、世界一過酷というキーワードに囚われて、特に日本人は練習をしすぎてしまう傾向にあるので、もっと楽しむ感覚が必要です。
事実、私も実際にレースに参加してからは「マラソンレース」というよりも「マラソンイベント」という認識が強くなりました。
強い胃腸を手に入れる
2つ目は個人的に凄く大事なポイントだと思っていますし、胃腸が強ければそれだけでストロングポイントとなります。
多くのランナーが身体的な疲労を意識するのに、内臓疲労を認識していません。
内蔵疲労・・・分かりやすいところだと、「夏バテ」です。
夏に食欲が湧かないのは身体的な疲労ではなく、内臓が食べ物を受け付けなくなる状態のことです。
サハラマラソンは50℃近い暑熱環境で長い距離を走りますので、身体的疲労に加えて内蔵が疲労し、食べ物を受け付けなくなる事態に陥ることもしばしば。
エネルギー補給ができないということは、ガソリンがない状態で走っているのと同じことになりますので、当然遅かれ早かれ走れなくなってしまいます。
昔の高橋尚子さんや野口みずき選手などのオリンピック金メダリストは、物凄く食べることで有名でしたが、沢山食べれるということも強さの秘訣です。
さらに、月間走行距離が300km程度走るランナーで強度の高い練習をされている方がレースで思うようなパフォーマンスが発揮できない原因の一つとして、内臓の疲労が抜け切れていない場合があるので注意が必要です。
事前準備を徹底的に行う
最後のポイントは事前準備です。
練習やトレーニングも事前準備に入りますが、どちらかと言うと「道具の準備」です。
特に足元の準備は勝負の鍵を握ります。
私が参加した大会でも、多くのランナーがマメや靴擦れ、爪の問題で苦しんでいました。
日焼けや汗疹など皮膚のトラブルがいくつかありましたが、インソールやゲーター(靴の中に砂が入ってこないようにするカバー)を工夫したこともあり、足にマメを一つ作る程度でダメージは抑えることができました。
また前述の胃腸の問題とも重なりますが、食料も自分が食べやすいもの好きなものを選び、なるべくストレスを加えないことも重要です。
カロリーだけを気にして、美味しくないものを口に入れ続けることは身体的にも精神的にもストレスが加わってしまいます。
食事はレース期間中、唯一と言っていいほどの楽しみなので、事前準備は怠らないようにしましょう。
以上、サハラマラソン完走に必要な3つのポイントをご紹介しましたがいかがだったでしょうか?
世界一過酷とは言え、準備さえしていれば辛さを含めて十分に楽しめる大会であることは間違いありません。
マラソン=ストイックという一面もありますが、競技アスリートではない僕らにとって大事なのは、レースを楽しみ、そこから何を感じ取るか?
ではないでしょうか。