【イベントレポート】トレイルランニング体験ワークショップ
ランナーズNEXTで定期的に開催しているワークショップ、11月のテーマはトレイルランニングでした。
今回は11月26日(土)に開催された、トレイルランニング体験ワークショップについて、レポートしてみたいと思います。
今回は東京・あきる野市、武蔵五日市駅近くにある東京裏山ベースを拠点にワークショップを開催。
当日は2日前に積もった雪が残っており(東京都心では11月に初の積雪。降雪は54年振りとのこと)、紅葉×残雪トレイルランニングを経験できる機会となりました。
普段からトレイルランニングを実践しているという人よりも、これからトレイルを始めてみたい。何度かやったことはあるけれど、これからしっかりと取り組んでいきたいという参加者が多いワークショップとなりました。
※ワークショップの拠点となるのは東京裏山ベース。
今回のトレイルランニング体験ワークショップは前半パートが座学、後半は山の走り方のレクチャーを受けながら走る、実戦形式の2パートに分かれています。
ワークショップ最大の特徴は、トレイルランニングに必要なシューズ、バックパック、GPSウォッチ(GARMIN社製)をレンタルできることです。
通常のワークショップの場合、トレイルに必要な装備品は各自で準備しなければならない場合がほとんどであり、これからトレイルランニングを始めようという方にとっては大きなハードルとなります。
実際にバックパックを購入したとしても、どうやってフィッティングをして良いのか分からなかったり、店頭で試履をして購入したけれど、実際に山を走ったら、意外にシューズが合わなかった・・・というケースも十分に想定されます。
そのような背景もあり、様々な装備を購入する前に、実際に装着して山を走る機会を提供することが今回のワークショップの1つの「ウリ」になっています。
トレイルランニングに必要な知識や技術をプロから学び、必要な装備はレンタルできる。他ではなかなか体験できないワークショップです。
座学編
まずは代田選手からのレクチャー。
トレイルランニングの歴史、トレイルランナーの在り方、一般登山客がいる中での走り方やマナーなど。
今回走るコースが日本の三大山岳耐久レースの一つである通称ハセツネのコースの一部となっているため、ハセツネの歴史についてもお話いただきました。
「トレイルランニング業界をより良いものにしていくには?」「トレイルランニングの文化発展のために」という視点でお話されていたのがとても印象的でした。
実際に代田選手が普段使っている装備、アイテムなどを紹介して頂きながら、どういうシーンで使うのかにも言及。
参加者からの様々な質問にも丁寧に答えて下さいました。
続いてRaidLight笠原さんより、トレイルシューズとバックパックに関する解説。
代田選手が解説したものを更に掘り下げてのレクチャーです。
トレイルシューズとランニングシューズとの違い、ソールやアッパー部分の違いを知り、どんな目的でどんなシューズを使用するのか等、各ラインナップの使用用途や特徴などを解説していただきました。
レイドライトのシューズは他のトレイルシューズに比べてアウトソールに固めの素材(TPU素材:ゴムのようなしなやかな弾力性と硬質プラスチックのような強靭さを合わせ持つ素材)を使っており、耐久性にも優れているそうです。
バックパックに関しては3種類のラインナップ毎に使用用途と特徴を説明していただきました。
特にレース中はザックを背負ったまま、必要なアイテムの出し入れができるように設計されており、実際の使用法を解説していただけたことで、より効率的なパッキングができそうです。
その後、参加者が使用してみたいシューズとバックパックのフィッティングを行います。
実践編
※ラダーを使用したウォーミングアップの様子。
東京裏山ベースの近くにある公園にて、ストレッチやウォーミングアップを実施。
実際のトレイルランニングシーンでは、ロードランニングと違い、不整地を走ることになります。なので、自分の身体をコントロールすること、素早い足さばきも重要となるため、ラダーを使ったトレーニングを実施します。
実際に初めてラダートレーニングを体験した方が多かったようです。
※実際にワークショップ時に走ったコース。
今回のコースはウォーミングアップを実施した公園から、今熊山まで登り、東京裏山ベースに戻ってくるコースを走りました。
※長谷川恒男カップ(通称:ハセツネ)で通るコースの一部。約8.5㎞のコースを実際に走行。
登りパートは基本的に歩きながら、山を走る醍醐味である下りパートはレクチャーを受けながら、ポイントを押さえながら走ることができました。
※登りパートのレクチャーの様子。
登りパートでは、足にダメージを蓄積しないような走り(歩き)方、コース取りのポイントなどの解説を受けながら、各自が目的を持って歩いていきました。
前を走行するランナーが通る道をそのまま走るのではなく、自分なりにコースを取りながら、コース取りによる足への負担の違い等を感じながら実践できる、良い機会となったようです。
ロード、トレイルに関わらず、多くの人が「走り方」を学んでいない場合がほとんどです。より楽に長く走る場合は、コツがあります。
今回はプロのトレイルアスリートである代田選手から山の走り方のコツを教えて頂きながら、その場で各自が実践していきました。
※今回の目的地、今熊山山頂にて。
山頂では他の登山客がお湯を沸かして、いわゆる「山めし」を堪能していました。
トレイルレース(ロードでも同じですが)では、エネルギー補給がパフォーマンスを左右するため、素早く体内で吸収できるジェル(エナジージェル)を使用する場合が多いですが、こういったトレイルランニングを楽しむ時には、皆で温かい山めしを食べたいなと思ったわけです。
次回以降の企画に盛り込みたいと思います。
山頂まで来たら、あとはメインの山下りです!
※山下りのレクチャーの様子。代田さんの走り、足さばきを確認しながら。
実践編のメインレクチャーは山の下り方について。トレイルランニングの一番の醍醐味は山を下る場面にあると、代田選手。
確かにスピードを出しながらの山下りは気持ちが良い!足元にも注意を払うための集中力を維持する必要があるので、走りに没頭できます。
とは言うものの、下りは走り方によっては特に太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)にストレスがかかりやすく、長距離になればなる程「いかにダメージの蓄積を最小限に留めるか」が鍵を握ります。
また、スピードが出るが故に足首の捻挫や転倒などによる怪我に繋がりやすいのも事実です。
いかに速く効率よく山を下っていくか?なるべく怪我を予防しながら下るのはどうしたらいいのか?を各自が身をもって経験できたはずです。
※コース上でレクチャーを受ける参加者
実践編では2時間程度の時間をかけて、10㎞弱の距離を、レクチャーを受けながら走ったり、歩いたりしながら全員で楽しむことができました。
ロードを走ることに比べると、あっという間に時間が過ぎていくのがよく分かります。それだけ飽きずに、皆で楽しく走れたということでしょう。
編集後記
今回は初のトレイルランニング企画でしたが、トレイルランに必要な知識や技術を学ぶというだけでなく、「トレイルランニングそのものを楽しむ」という意味でも、非常に有意義なものになったのではないかと感じています。
実際に参加された方からは
「実際にトレイルシューズ、ザック、時計を使用しながら山を走れたのが良かった。自己流のトレランだったので、走り方などを教えていただけたり、プロの走り方を実際に見れた所も良かったです。」
「プロのトレイルランナーから、直接小さなことでもポイントを教えてもらいながら実際に山を走れるのはやはり学びが違うなと思いました。走る人を考えた(考え尽くされた)商品は素晴らしい。」
「良いものを使って走ると、より楽に走れるということがよくわかりました。」
「とても楽しかったです。天気にも恵まれ、フカフカのトレイル、紅葉と雪を同時に楽しむことができて、いい機会になりました。」
などの声をいただきました。
今後も継続してトレイルランニングを始める切っ掛けであったり、実際にレースに参加できるようになるまでのサポートをしていきたいと思っています。ワークショップは定期的に開催していく予定です。
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