市民ランナーは月間200km以上走ると怪我のリスクが高まる!は本当か?

「できることなら怪我なく長く、ランニングを楽しみたい!」

あなたがもしランナーであれば、そう考えているのではないでしょうか?

怪我には無縁のランナーがいる一方で、殆どのランナーが何らかの怪我を経験し、今でも悩み続けているランナーも沢山います。

そもそも、ランナーが怪我する原因は多岐に渡ります。

身体の骨格構成上、特定の場所に集中してストレスがかかるランナーもいるでしょうし、筋力や柔軟性の問題が怪我を引き起こしているケースもあるでしょう。ランニングフォームを含めた、身体の使い方に問題がある場合もあるかもしれません。

※ランニングで起きる怪我の改善は、原因を追求することから始まる。

自身の身体特性や使い方が原因で怪我が起きている場合は、怪我の原因を探し出し、1つ1つ対処していく必要があります。

ですが、仮に自身の身体特性や使い方に問題が無い(もしくは非常に少ない)としたら、ランニング中に怪我を起こすことは無いのでしょうか?

ランナーの間で時々話題になるのは、「月間走行距離が200kmを越えると、怪我のリスクが高まる!」というテーマです。

そこで今回は、「月間走行距離と怪我のリスク」について考えてみたいと思います。

そもそも、前述の「月間走行距離が200kmを越えると、怪我のリスクが高まる!」というは、どこから湧いて出てきた話ではありません。

実際に、2002年の臨床スポーツ医学会の「骨・関節のランニング障害に対する提言」では、中高年ランナーにおいて月間走行距離が200kmを超えると、身体に何らかの痛みの出現頻度が増加するとの記載がなされています。

Koplan等の研究で、年間障害発生頻度は男性では走行距離が多くなるにつれ、発生頻度が増加していることを示しています。月間走行距離に換算すると約 200 kmで 40 %の発生頻度、女性も同様の傾向にあり、月間走行距離が約200km以上で急激に増加し、発生率は約 65 %となっています。

では、市民ランナーは月間走行距離が200kmを越えると怪我をしてしまうのでしょうか?

結論は、怪我をしてしまうケースと怪我をしないケースの両方考えられます。

当たり前だ!と言われそうですが、前述の論文から「月間走行距離と怪我のリスク」を判断するためには、大切な視点を加えて考える必要があります。

大事なのは月間200kmという距離だけではなく、「運動強度」という視点を含めて怪我のリスクを考えてあげる必要があります。

※トレーニングの負荷は距離(トレーニング量)だけでなく、強度も考慮することが大切。

極端な例かもしれませんが、毎回のトレーニングを例えば最大心拍の40%程度で200km走った人と、毎回全力(最大心拍レベル)で200km走った人だと、怪我のリスクはどちらが高くなるか?

答えは明確です。

つまり、ランニングと怪我との関係性は「運動量(距離や時間)と運動強度」の両方の視点で見ていく必要があります。

当然ながら、運動量が多くなり、運動強度が高いトレーニングが継続すればする程、怪我のリスクは高くなります。

なので、ピリオダイゼーションのようにトレーニングを期分けしながら、運動量や運動強度をコントロールしていく必要があるわけです。

参考:マラソンで怪我なく速く走るために必要な「ピリオダイゼーション」という考え方

ただ、トレーニングの期分けをしましょう!と言っても、何を根拠にトレーニング量や強度を変化させるのか?一般の市民ランナーには分かりません。

では、専門家はどうなのか?と言うと、基本的にこれまでの経験をもとに(型にはめて)期分けをするだけで、根拠を追求するには非常に難しい状況でした。

例えば、同じ運動量・運動強度のトレーニングを処方したとしても、性別や年齢、体力レベルの違いなどによって、加わるストレスは変わってきます。

あるトレーニングの結果、Aさんは比較的回復が早くても、Bさんは物凄く回復に時間がかかる、という場合もあるわけです。

なので、残念ながらトレーニングメニューに汎用性はありません。

※これさえやれば上手くいく!といった汎用性のあるトレーニングは無い。

つまり、これさえやればサブ4が達成できる!サブ3が達成できる!といったトレーニング方法は存在しないということです。誰かが実施したトレーニングメニューはあなたに合うはずがない。

では、どうやって怪我のリスクを抑えながら、自身に合ったトレーニングを実施していけば良いのでしょうか?

まずは前提条件として、ランニング中のデータを取得する必要があります。ペースや距離、心拍数などに関するデータです。データがなければ自分自身がトレーニングを通じて成長したか否かの判断ができません。

今ではGPSウォッチを使うことで、様々なデータを取得することができます。

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