ランニングブームは定着したのか?日本のランニング人口1,000万人に対する疑問

「ランニング」と言うと、多くの人が健康の保持増進、ストレス解消、そしてハーフマラソンやフルマラソンのためのトレーニング、などを連想するだろう。目的は様々だ。

笹川スポーツ財団の調査でも、日本のランニング人口は1,000万人と言われている(年に1回以上ジョギンやランニングを実施している人が2012年で1,009万人。1998年の調査開始から過去最高を記録したが、2014年の統計では986万人となっている)。

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実は、フルマラソンを完走した人は2012年度で273,754人(陸連公認コースに限る)。仮にランニング人口が1,000万人だとすると、フルマラソンを完走した人はランナー人口の3%にも満たない。

陸連公認コース以外のレースを含めると、もう少し割合は高くなるだろうが、それでも5%を越えることはないだろう。

では、ランナー人口のほとんどは何を目指して走っているのだろうか?

もちろん、将来フルマラソンを走ってみたい!というフルマラソンランナー予備軍がいるのは確かだ。

しかし、ランニング雑誌『ランナーズ』の出版を行う株式会社アールビーズの発表によると、日本人がランニングを続ける理由は1位が「健康のため」2位が「楽しから」、そしてようやく3位に「レース出場に向けて」が入ってくる。ちなみに、4位は体型維持のため、だそうだ。

健康のためにレースに出ている人もいるだろうが、ほとんどが自宅の周りなどを走っているか、ランニングにトライしてみたけれど挫折をしてしまったか、気が向いた時のみ走っているかのどれかだろう。

※冒頭のランナー人口の定義が「年に1回以上ジョギンやランニングを実施している」なので。

つまり、ランナー人口は1,000万人と言えども、ランニングを習慣にしている人は以外に少ないのではないかという疑問が残る。

「習慣化」というと、その基準をどこに置くかは難しいが、週に2回以上ランニングを実施している人を仮に習慣化できている人だとすると2012年がピークで385万人。2014年は374万人となっている(同じく笹川スポーツ財団の調査結果より)。

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つまり、ランナー人口と言われる数の4割は、週1回以下でランニングを実施しているということになる。

※週1回以上ランニングをしている人口で見ると、550万人。

ランニング人口1,000万人を堂々と謳うのであれば、残りの6割をどう底上げするかが鍵となる。

「底上げ」と書くと語弊がありそうだが、ランニングを習慣化してもらうかが鍵であるということ。

現にランニング関連のビジネスは400万/1,000万を対象としていると言っていい。

それでも、マラソン大会は軒並み抽選、クリック競争・・・

これ以上ランナー人口が増えると、大会に出たくても出れなくなる人が続出しそうだが、「ランニング」という一つのカテゴリーの中にも切り口やターゲットを変えることで新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれない。