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ランナーが腹筋運動を絶対にやってはならない2つの理由!

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この記事は約 5 分で読めます。

ランニングやマラソン界において、昔から筋トレ・補強運動の1つとして実施されてきた、いわゆる「腹筋運動」。

ランナーのための筋トレと言えば、腹筋、背筋、腕立て伏せという時代がありました(今でも続いているのかもしれませんが・・・)。

また、腰痛を患っているランナーに対しては、「腹筋が弱いから、腰痛になる」ということで、何百回も腹筋運動をさせるという時代がかつてはあったわけです。

今までは、ある意味当然のごとく行われてきた腹筋運動。ランナーのパフォーマンスアップに貢献し、腰痛の予防と改善に効果があるとされてきた腹筋運動が、パフォーマンスUPと腰痛予防・改善に逆効果だとしたら・・・あなたは信じられるでしょうか?

実は、ランニングをする上で、腹筋運動は役に立たないどころか、マイナスの影響をもたらしかねないのです。

腹筋運動というと、人によってはイメージがマチマチですが、ここで言う腹筋運動とは、仰向けに寝た状態から上体を何度も繰り返し起こしていくもの(シットアップやクランチ)を指します。

※近年ランナーの間で特に注目されている、いわゆる体幹トレーニングやコアトレーニングも腹筋運動の1つですが、ややこしいのでここでは別物だと考えて下さい。

では、なぜランナーにとって腹筋運動はメリットがないのか?マイナスの影響をもたらしかねないのかを考えていきましょう。

腰椎に加わる圧縮力

s_perez_lumbar_d※腰椎の曲げ伸ばしの際に加わる力(イメージ)

まず理由の1つめは、腹筋運動によって加わる腰椎や椎間板への「圧縮力」という観点からオススメできないということ。

上記の写真の左側(女性がお辞儀をしているような写真)をご覧いただくと、腰椎椎間板の前方部分が潰れているのが分かると思います。

Stuart McGillはLow Back Disorders: Evidence-Based Prevention and Rehabilitationの中で、いわゆる腹筋運動によって腰椎の椎間板に3,350N(約340kg)の力が加わっているとの見解を示しています。

アメリカ国立労働安全衛生研究所は脊椎に3,300N以上の力が加わることは危険であると発表しています。ですから、腰椎の椎間板に対するリスクは大きいといえるでしょう。

腰椎が動きやすくなってしまう

spine

腰椎が動きやすくなってしまう。一見すると、凄く良いことのように聞こえるかもしれません。

関節は骨と骨のつなぎ目であり、動くこと(可動性)と支えること(支持性)という2つの大切な働きを持っています。

ですが、動くことが得意な関節と、支える(安定させる)ことが得意な関節があり、腰椎が得意なのは「支える(安定させる)」ことです。

一方、腰椎の上下にある胸椎や股関節は動くことが得意な関節です。

腰椎がしっかりと安定することによって、胸椎や股関節は動きやすい環境が得られます。

逆に、本来動いてほしくない腰椎を腹筋運動で動かすことにより、動いて欲しい胸椎や股関節の動きが悪くなってしまうわけです。

ですから、腹筋は動かして鍛えることよりも、支持性を強化する方が理にかなっています。

動かすことで、胸椎や股関節の動きが悪くなってしまうと、ランニングのパフォーマンスの低下に繋がります。

ランナーに腹筋は不要なのか?

search※腹直筋を収縮させると、青矢印に方向に筋肉は短縮する。

とは言うものの、アスリートの腹筋は6つに割れていて、いかにも腹筋を鍛えているように見えます。

もちろん、昔ながらのトレーニングを継続しているアスリートがいるのも事実です。ですが、上記2つのリスクがあるにも関わらず、腹筋運動をするということは何らかのメリットがあるのではないか・・・とも考えたくなるものです。

腹筋運動で鍛えられる筋肉は、「6パック」に代表される腹直筋。そしてその脇にある内腹斜筋、外腹斜筋という筋肉です。

格闘家のように、外部から腹部に対する打撃が飛んで来る場合は、身体を保護する意味で、これらの筋肉を鍛える必要はあるでしょう。ですが、それ以外のスポーツでは、打撃から身体を守る必要は基本的にありません。ランニング、マラソンに関しては全く無いですよね。

さらに腹筋運動を繰り返すと、筋肉自体は固くなり、短くなる傾向にあります。これが非常に厄介です。特にデスクワークの多い市民ランナーであれば、左側のような姿勢で仕事や作業をする場合が多いのではないでしょうか?

badposture※良い姿勢と悪い姿勢

腹直筋は左側のような姿勢を維持してしまうと、筋肉の長さが短くなってしまいます。

そこに腹筋運動で筋肉を短縮させてしまうと、余計に筋肉は固くなり、短くなってしまうわけです。

まとめ

今回はランナーが腹筋運動を絶対にやってはならない2つの理由!ということで、腰椎の椎間板にかかる力が非常に大きくなってしまうこと。

腰椎本来の安定性に貢献する働きを阻害してしまうことを紹介しました。

筋肉は運動をしている時だけ使われるものではなく、日常生活での姿勢や身体の使い方にも注意をする必要があります。

最後に、ここまで文章で解説してきたことを動画で簡単にまとめてみましたので、ぜひ御覧ください。

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ビジネスアスリート
データサイエンティスト

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

自分自身も実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

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