ウルトラマラソンのトレーニングでやってしまう4つの間違いとは?

東京マラソンに端を発したマラソンブームも、徐々に移行期となり、一部のランナーがウルトラマラソンやトレイルランニングに移行しつつあります。移行というよりも、シーズンに応じてマラソン+ウルトラマラソン、マラソン+トレイルランニング、マラソン+トライアスロンといった形を取るようになった、という方が正しいでしょう。
ランニング系の雑誌を見ていても、特にウルトラマラソンに関する特集が増えました。
とは言うものの、ウルトラマラソンに関する情報は、まだまだフルマラソンに関する情報より少なく、体系化されたコンテンツも少ないのが現状です。
そこで今回は、海外の文献・事例をもとに「ウルトラマラソンのトレーニングでやってしまう上位4つの間違い」について解説をしていきたいと思います。
文献のもととなるのはTraining Essentials for ULTRARUNNINGです。この文献の内容を踏まえて、解説を加えていきます。
ここから紹介する事例はウルトラマラソン、ウルトラトレイルの両方を含みます。
目次
間違い1:n=1であること
つまり、ノウハウが一個人の経験に依存していることが問題です。nは事例や被験者の数だと考えて下さい。
例えば、あるコーチもしくはランナーが100㎞のウルトラマラソンを完走したとします。そこに至るまでのプロセス(練習)やレースマネジメントについて、誰かに指導したものというのは、あくまで一個人の経験にすぎないということです。
特に自然科学系の研究の場合、nの数は多ければ多い方がいい。なぜなら、事例の数が多ければ多いほうが再現性は高くなるからです。
もちろん、個人の経験が無意味というわけではありません。
個人的な経験や体験が他の人の役に立つかもしれないですし、役に立たないかもしれない。
1つの参考事例として、情報のストックをしておきましょう。
では、どんな情報からウルトラマラソンに関するノウハウを学べば良いのか?と言うと、基本的にはnの数が多い研究や論文、その他の書籍ということになります。
ですが、このような情報は一般の方の場合、なかなかリーチできません。
ということで、ランナーズNEXTの中で随時紹介をしていこうと思った次第です。
間違い2:練習の量に重きを置き過ぎている
ウルトラマラソンやウルトラトレイルというと、距離が長くなるので、練習の量も多くなります。
日本においても、ウルトラマラソンを完走するには月間200㎞以上走らなければならない、300㎞以上走らなければならない・・・というような情報も散見されます。
ですが、練習量以外の「どんな練習をするか?」に関しては、情報が圧倒的に少ないのではないでしょうか。
ウルトラマラソンの場合、長くゆっくり走ることがベースになります。
※「ゆっくり」には個人差がありますが、例えばフルマラソンを走る時よりはペースは落ちるはずです。
なので、ウルトラマラソンシーズンになると、いかに長い距離を走るか?ばかりを考えがちです。