足の爪が黒くなる前に考えたいランニングシューズの選び方

「わー!」

先日、トレイルランニングのレースに参加したときのことです。

走り終えてシューズの泥を洗い流すために水道に並んでいたら、近くで女性の驚いた声が聞こえたので、思わずそちらへ振り向きました。

僕と同じく泥だらけになったランニングシューズとソックスも脱いで、裸足になっていた女性の足を見ると、痛々しいことに、全ての足の爪が赤紫色に変色してしまっていたのです。

この女性のように、長い距離やアップダウンの多いコースを走ると、足の爪の内側が内出血してしまうランナーは多いです。僕もレース中に爪先に痛みを感じて、レース後に見てみると、足の爪の内側で内出血をしていた経験があります。

足の爪の内出血の原因には、爪先がシューズの内側にあたってしまうことや、足の指に力が入り過ぎて、爪を圧迫してしまうことがあります。今回は、これらの原因について、対策をお伝えしたいと思います。

ランニングシューズのサイズ選びについて

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爪先がランニングシューズの内側にあたってしまう方の場合は、シューズ選びの際に、小さいサイズを選んでしまっている可能性があります。

シューズの試着段階で爪先が内側にあたっていることはないと思います。ですが、足はランニング中、着地の度に土踏まずのアーチ構造を変化させる(潰す)ことによって、衝撃を分散しています。

一般的には着地の際にアーチが潰れることを考慮して、ランニングシューズのサイズを選びます。その際、実際の足のサイズより“0.5cmから1.5cm”の余裕が必要とされています。

僕も以前は、実際の足のサイズが25.5cmなのに対して、2627cmのシューズを履いていました。このサイズの場合、普段のジョギングのように、フラットなコースで10キロ程度走るのであれば何の問題もありませんでした。

しかしながら、フルマラソンやアップダウンの激しいコースを走ると、徐々に爪先に痛みを感じるのでした。

「足がシューズの形にあっていないんじゃないか…」

そんな風に思いながら、いつもレース前には、爪先が痛くなることを心配していました。

ところが最近、ある有名スポーツブランドの専門店でシューズを購入しようとした際に、店員さんから、「27.5cmでも大丈夫だと思います」と言われました。これまで履いたことのない大きさに戸惑いもありましたが、試着して店内を軽くですが走らせてもらったところ、履き心地が良かったので購入してみたのです。

軽さとクッション性を兼ね備えたそのシューズは、これまで爪先が痛くなっていたアップダウンのあるジョギングコースを走っても、何の問題も起きません。

「大きすぎるシューズって良くないんじゃなかったのか?」

日本では、ランニング用品店の店員さんやランニング関連の書籍、または、インターネットの情報などでも、表現は様々ではありますが、前述のように実際の足のサイズより+0.5cmから1.5cmと言う目安が多いです。

そこで今回は、海外のメディアではどうなのかを調査してみました。

調査の結果、Runner’s worldのような有名メディアや書籍などでは、爪先からシューズの先端までに“親指の幅分”の余裕が必要とされていることが分かりました。

“親指の幅分”と言うと、日本人の成人男性であれば、平均で2cm程度です。

足の爪の内出血でお悩みの方は、次にシューズを購入する際、この“親指の幅分”の余裕を覚えておきましょう。

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足の指に力が入り過ぎてしまう方には…

ランニング中、足の指に力が入り過ぎてしまう場合は、着地の仕方や身体の使い方と言った、ランニングテクニックの向上に取組むことをオススメします。

ランニング初心者の方にとって、ランニングテクニックの向上が難しい理由の一つは、様々なサポート機能のついたランニングシューズは僕達の足をしっかりと守ってくれています。

仮に足への負担が大きい走り方をしていても、シューズを履いていることにより、痛みが軽減されます。そのため、故障に繋がる走り方をしていても、なかなか気づくことができません。

長い距離やハイペースで走ると、足に痛みが出てしまうと言う方は、ランニングシューズを履くことで、本来の走力以上に走れていることを忘れないようにしましょう。

例えばフルマラソンを走る場合、42.195キロを走るためには、仮に歩幅を1mとすると、4万回以上の着地を繰り返さなければなりません。そのため、普段から「もし、シューズを履いていなかったら、今の着地で足は痛くなかっただろうか?」、「4万回繰り返しても大丈夫な1歩だったのだろうか?」と自問自答しながら練習してみましょう。

まとめ

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今回は、ランニング中に足の爪が黒くなってしまう原因と対策について解説してみましたが、いかがだったでしょうか?

ランニング中に足の爪が黒くなってしまう原因としては、小さいサイズのシューズを選んでしまっていることや、足の指に力が入り過ぎていることにより、足の爪が圧迫されてしまうことがありました。

それらの対策として、

1.シューズを選ぶ際に海外では“親指の幅分”の余裕が必要とされている

2.着地の仕方、または身体の使い方と言った、ランニングテクニックの向上が重要である

ことをお伝えしました。

今回、日本と海外でのランニングシューズのサイズ選びのポイントに違いがあることに気が付きました。

日本では、「サイズの大きいシューズを選んでしまって、靴擦れやマメを作ってしまう」ことに注意を促す傾向があったのに対して、海外のメディアでは、「小さすぎるシューズを選ぶランナーが多い」、「爪先には自由に動かすことができるスペースが必要である」と言った注意点が挙げられる傾向がある、と言う違いがみられました。

なぜこのような違いがあるのか、個人的に興味深いところですので、今後も調査を続けていきます。

ランニングシューズについては、走る路面、距離、ランニングフォームなどの条件が1つでも変われば、たとえ同じランナーであってもシューズを変更する必要性が出てくるはずです。

今回着目したサイズは、僕達の足が、26個もの骨から形成されるアーチ構造を中心に筋肉、靭帯、脂肪、そして血管まで駆使して着地衝撃を分散するものであることを考えれば、着地衝撃に応じて十分な余裕を持たせる必要があることは明白です。

標記上のサイズだけにとらわれずに、実際に走ってみて適切なサイズを決める必要があります。

それと同時に、足に負担をかけすぎないように走ることも考えなければなりません。最も簡単な方法は、ペースを落とすことではないでしょうか?

ランニングシューズを履いて走ることは、痛み止めを飲んで走っているような状態です。当然、無理をすれば故障と言う形で、後から代償を払うことになってしまいます。

「痛い思いをせずに、ランニングを楽しみたい」

そんな方は、普段から「もしシューズを履いていなかったら、こんな走り方をするだろうか?」そうご自身に問いかけてみて下さい。