記録を伸ばしたいマラソンランナー必見の栄養素「5-アミノレブリン酸(ALA)」とは?

ランナーがより楽に、速く、長く走るために必要なものは沢山あります。

効率的なランニングフォームや食事・栄養の知識、走り続けるためのメンタル、練習・トレーニング、水分・エネルギー補給など、数え上げればキリがありません。

様々な要素が求められる中で、ランナーにとって身体を動かすためのエネルギーを多く作りだせる能力も重要な要因となります。

筋肉は基本的に糖質や脂質からエネルギーを作り出しています。とはいえ勝手にこれらからエネルギーを得ている訳ではありません。ミトコンドリアという細胞内の器官が糖質や脂質を分解することでエネルギーを作り出しているのです。

ミトコンドリアが持久的な運動を行う際にはとても重要だということはよく知られています。

トレーニングされた選手は一般の人に比べて、ミトコンドリアの量が多く、より多くのエネルギーを作り出す能力に優れています。つまり、今より速く走りたい(タイムを縮めたい)ならミトコンドリアを増やし、その機能を高めていく必要があります。

今回紹介する5-アミノレブリン酸(5-AminoLevulinic Acid : ALA)という物質は、ミトコンドリアという器官に密接に関係している栄養素です。

ALAとは一体どのような物質なのか、どのような効果があるのかを紹介していきます。

ALAはヘムの原料

ALAという物質は「はじめて聞いた!」という方が多いのではないでしょうか。まずはALAとは一体どのような物質なのかを紹介していきます。

ALAはアミノ酸の1種で、体内ではスクシニルCoAとグリシンという物質から合成される物質です。

アミノ酸と聞くとタンパク質を思い浮かべる方も多いはずです。

タンパク質は20種類のアミノ酸がたくさん結合してできる物質です。しかしALAはその20種類の中には含まれていません。つまり、タンパク質の中にALAは存在しない、ということです。

少し特殊なアミノ酸ですが、どのような働きをしているのでしょうか?

体内で作られたALAは代謝されていき、最終的に鉄と結合してヘムという物質になります。

ヘモグロビンという物質を聞いたことがないでしょうか。血液に含まれる、酸素を運ぶ役割を果たす物質で、ランナーにとって非常に重要な物質です。

※(鉄欠乏性)貧血かどうかを判断する際にも、ヘモグロビンの濃度は使われます。

このヘモグロビンはヘムとグロビンという2つのタンパク質から構成されています。ALAはその内のヘムの原料となっているのです。

ヘムには他の物質にも使われています。それが、シトクロムという酵素です。この酵素はミトコンドリアでエネルギーを作り出す経路である電子伝達系に関連しています。

シトクロムが多いと、ミトコンドリアでたくさんエネルギーを作り出すことができるのです。

そのためALAを摂取すると、ミトコンドリアに含まれる酵素の働きが良くなり、いままでよりも多くのエネルギーを作り出すことで持久力を高められるということになります。

マラソンのパフォーマンスを高めるALA

それでは本当にALAを摂取するとマラソンのパフォーマンスが高まるのでしょうか。このことを調べるために、マウスにALAを与える実験が行われました。

その結果、ALAを与えるマウスは与えないマウスに比べて、疲労困憊に至るまでの走行距離が伸びました。つまり持久力が高まったといえます。

体内でどのような変化が起きたのかを調べるために、マウスの筋肉を採取し、様々な酵素を分析しました。その結果、電子伝達系に関連した酵素が多くなっていました。