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ランニングフォームを正しく評価するにはどうすればいいのか?

例えば、見た目だけで「ランニング中の上下動が大きいですね!」と言われるのと、「このランニングスピードの時の上下動は◯cmなので、同じようなランニング動作の人と比べると上下動が大きいですね!」と言われるのとでは、どちらが納得感があるか?という話です。

明らかに後者ではないでしょうか。

ただし、ランニングフォームを定量化するのも限界があって、問題は「データだけではランニング動作のイメージができない」ことです

例えば、多くのランナーが使用しているガーミンランニングデータから、ランニングフォームに関する情報上下動、接地時間、ケイデンス等)を見ても、実際のランニング動作をイメージすることはできないでしょう

また、データだけに頼っていると、現状は数値には現れてこないランニングフォームの問題を見逃すことになってしまいます。

例えば、ガーミンデータから肩甲骨がスムーズに動いているか?」は分からないわけです。

同様に、着地の際に膝が内側に入っているかどうかの判断もできません。

なので、特に「ランニングと怪我」という切り口で考え場合、まだまだ取得できる情報は不足しています。

ランニングフォームを正しく評価するには?

以上の2つの評価法を踏まえて、ランニングフォームを正しく評価することを考えた場合、

①実際のランニング動作

②その時のランニングデータ

どちらか一方の情報ではなく、両方あることが重要です。

現段階では、映像上のランニング動作を全て定量化することは難しいので、①と②の両輪が必要になります。

ただし、現状はランニング中取得できるデータの項目数、データの精度は発展途上です。

まだまだ改善の余地が残っている領域と言って良いでしょう。

なので、実際のランニング動作を中心に評価し、補足的にテクノロジーを活用していきます。

今後のテクノロジーの進化に期待をしたいところです。

「ランニング効率」という意味では、ランニング用パワーメーターSTRYDで数値化できるようになっています。

参考:ランニング用パワーメーターSTRYDでパフォーマンスは変わるのか?

ランニングフォームの評価だけで終わらせない

ランニングフォームを評価する際のポイントについて解説してきましたが、実は「ランニングフォームの評価だけで終わらせない」ことも、また重要です。

ランニングフォームを評価することは、確かに大切です。

ですが、ランニングフォームを評価しても、「なぜ今の走り方をしているのか?」「何が原因でその痛みが起きているのか?」もう一段深掘りして、その背景にある情報にアクセスする必要があります。

例えば、立脚中期といって片足でバランスを取っている最中に反対側のお尻が落ちてしまっているケースを考えてみましょう。

※立脚中期など、ランニング動作の各フェーズに関する詳細はランニングフォームの分析法〜走り方の問題点を明確にするために〜をご覧ください。

この時、走っている本人に対側のお尻が落ちている自覚があるのか?というと、間違いなくありません。

「反対側のお尻が落ちているから落ちないように気をつけてください」とアドバイスをしても、かえって不自然な走りになり、逆効果になる恐れがあります。

重要なのは、なぜ立脚中期に対側のお尻が落ちてしまうのか?を考え、検証していくことです。

もちろん、ランニングフォームの評価から原因が変わる場合もありますが、ランニング動作は様々な関節や筋肉が関与しながら起こる動作なので、例えばもう少し単純な動作、筋力、柔軟性などを評価してみる必要があります。

まとめ

ここまで、ランニングフォームを正しく評価する方法について考えてきました。

もちろん、実験室などの専門かつ特殊な環境であれば、実際のランニングフォームと、その時の詳細なデータを取得することはできるでしょう。

もしかしたら、この先ランニング動作の映像を全て定量化できる日が来るかもしれません。

ですが、今回考えたのはランニングマシン上で行う評価ではなく、実験室のみで使用できる機器を使った評価でもないということです。

実際のランニング動作と、主にウェアラブルデバイスを通じて取得できるデータをもとに評価する方法を考えました。

つまり、より手軽にランニングフォームを評価する方法を考えたわけです。

今後、テクノロジーの進化は益々進んでいくでしょう。

きっと、現状では把握できない数値や指標が見れるようになるはずです。

ただし、テクノロジー全盛の時代にあっても、データのみでランニング動作を「評価し切る」までには至っていません。

テクノロジーの進化と同時に、ランニング動作を評価するコーチやトレーナーの「目」を同じく養っていくことも、まだまだ必要です。