アミノ酸、クエン酸、糖質サプリメントの活用術【ランニング編】
持ち運びやすくて、吸収が速く、かつ直ぐにエネルギーに変わってくれるということから、ゼリー状のエナジージェルと呼ばれているものが世の中には沢山あります。
固形の食べ物として食べるよりも、ジェルの状態で摂取した方が消化に時間がかからず、吸収が速い、というのが利点です。
これらは、カロリー補給ということになりますので、概ねどこのメーカーから出ているものも基本的は甘いわけです。
なので、甘ったるいのが嫌いな人もいますね。外国産のものは特に甘いですよね。
絶対に固形の食べ物より、ジェルの方が良いのかというとそうではなくて、目的によりけりだと思います。
サプリメントばかりだと飽きることもありますし、レース中の補給も楽しみの1つとして、気分転換の1つとして、おにぎりやバナナなどを食べるのもいいのかもしれません。
これも空腹状態になる前に取った方が良いです。なぜなら、ガス欠は突然なることが多いから。
ということは、アミノ酸にしても、クエン酸にしても、エナジージェルにしても、補給のタイミングはあって無いようなもので、経験を積んでいく中で、自分なりのタイミングを見つけていくのが、まずはベストだということですね。
人によって摂取するタイミングや、筋肉がダメージを受ける度合いも違ってきます。また、前回のレースと今回のレースで体調が全く一緒ということはありません。
なので、例えば必ず15㎞と30㎞のポイントでエナジージェルを摂取しないといけないのかというと、そうではなくて、その日の体調によって摂取するタイミングは変わってくると思います。
レース中だけではなく、レース前の調整、例えばカーボローディングが上手くいったなどによっても変わってくると思いますので。
レース中にエナジージェルを摂取るメリットとしては、自分のタイミングで摂取することができるということと、吸収の速さにあるわけですね。
そういうことですね。
日常生活でのサプリメント活用法と選び方
今まではマラソンのレースとサプリメントがテーマでしたが、普段の生活の中でもサプリメントは活用した方がいいですか?
個人的には、アミノ酸に関しては、日常生活の中ではそこまで必要ないかなとは思います。
しっかりと食事が取れていればの話ですが。むしろ、一般ランナーの方であれば、栄養バランスの方を考えたほうが良いですね。
クエン酸というのは、日常生活の中で疲れている人に有効です。例えば残業、子育てなど、必ずしもスポーツだけではありません。
日常生活の中で毎日摂取して良いのは、私はどちらかというとクエン酸のサプリメントだと思っています。
一般的なスポーツドリンクというのはミネラルや水分を補給するという意味では良いと思いますが、実はかなり糖分が含まれています。
スポーツドリンクというだけあって、スポーツをしている時には良いと思いますが、日常生活で喉の渇きを癒すためにスポーツドリンクばかりを飲んでいると、カロリーが過多になってしまいますので注意が必要です。
ここまで主にマラソンレースにおけるサプリメントの必要性をお話していただいたわけなんですが、今市場には本当に沢山のサプリメントが存在しています。その中で、サプリメントを選ぶ際のポイントがあれば教えて下さい。
サプリメントは先程もお話した通り、色んな形状のものが存在します。
例えば、1つは顆粒状になっていて、直接口の中に入れて水で流し込むタイプのもの。
もう1つは水に混ぜて、液体として飲むもの。
他には、飴のように口の中で舐めながら摂取するもの、飴よりはやわらかくて噛みながら摂取するものなどがあります。
本人の好みにもよりますが、中には顆粒状のものが苦手な人もいますし、逆に固形のものを水で飲むのに抵抗がある人もいます。
なので、好みに応じてというところはありますが、身体の中で吸収が速いのはパウダー状のものになります。
タブレットや飴状のサプリメントは、固めるための材料が入ってしまっています。凝固剤と言われるものですね。
成分の中で身体の役に立つ成分はかなり無駄なものが多いわけです。なので、そこが難点ですかね。
例えば、アミノ酸やクエン酸がどれくらい入っていますよ、という顆粒状のものと同じ量をタブレットや飴状のもので取ろうと思うと、相当な量をとらなければ同じ量を摂取したことにならない。
いくつかのサプリメントを試した中で、自分に合うものを選ぶ。あとは摂取する量によって得られる体感も変わってきたりもしますので、その辺りを1つの基準にすると良いかもしれませんね。
ありがとうございます。体感ベースでサプリメントを選択するというのは、多くの方がされていて、非常に大事だと思いますが、一方で科学的にはどうなの?というところを気にされる方もいらっしゃるのではないかなと思っています。なので、例えばこういう成分に注目しているとか、最近の研究で分かってきたことなどがあれば教えていただけませんか?
ここ最近は「シトルリン」という成分が注目されています。
その他にはグルタミンやアルギニンといった身体を元気にする作用があるものが注目されていますが、実は単独の成分だけを摂取しても、あまり役に立たないことがあったりします。
例えば、シトルリンであれば、それだけを摂取するという感じですね。
そうではなくて、お互いの成分が相乗効果を出せる、引き出し合う物も多いので、この成分というものだけにフォーカスが当たったとしても、他の成分と一緒に取ることで良さを引き出し合うことが多いわけです。
なので、その辺りを見極めることは大事です。
では、最後に島田さんから、サプリメント、補給といった切り口から読者の方にお伝えしたいことがあれば、お願いします。
サプリメントに関しては、有効活用をまずはしていただきたいなと思っています。
サプリメントは栄養補助食品なので、もちろん身体に害のあるものではありません。食事が分解されていって、アミノ酸やクエン酸になって、エネルギーに変わっていきます。
取るタイミング、自分の体調と相談しながら、取っていただければと思っています。
無理して取らないで、レースマネジメントができなくなるよりはしっかりと活用して、快適にゴールに向かっていければいいのかなと。
フルマラソンを速く走る方の中には、サプリメントを取りたくないという人もいます。
日本人は我慢の美学というものがあるようにも思います。
もちろん、それで最高のパフォーマンスが出せているのであれば、いいのかもしれませんが、マラソンを楽しみながら、かつ高いパフォーマンスを出したいと思っている市民ランナーの方であれば、上手く活用していく。
例えば、つい最近こんなエピソードがあったんですが・・・
マラソンの練習会で知り合った方が、なかなかサブスリー(フルマラソンで3時間を切って走る)が達成できなかったそうなんです。
ただ、サブスリーに手が届くところまでは来ている。3時間3分とか5分くらいでは走れる、でもなかなか3時間の壁が突破できない。
どうしても30㎞以降にペースダウンしてしまう。
私からアミノ酸とクエン酸の入っているサプリメントを勧めたんですが、その人は途中で止まりたくない。
ただ、極端な話ですが、30㎞以降で1㎞あたりのペースが30秒近く落ちるよりも、一旦補給のための時間を取る。その時間は20秒もあれば十分です。
そこからのペースダウンが仮に10秒になったとしても、残り12㎞で240秒の違いが出てきます。
補給の時間20秒を差し引いても220秒。つまりは3分40秒も短縮できるわけです。
実際にその人も、サプリメントを活用することでサブスリーを達成し、2時間56分くらいで完走したそうですが、非常に喜んでくれました。
始めてサプリメントを活用するのは人によっては、ある意味とても勇気がいることかもしれませんが、1つ嬉しい事例として共有をさせていただきます。
ありがとうございました。
まとめ
今回の記事はいかがだったでしょうか?
マラソンとサプリメント・補給をテーマに、非常に分かりやすく解説をしていただきました。サプリメントに関しては、本当に情報で溢れていますし、非常に難しく書かれてある情報が多く、いずれにしてもよく分からないものばかり。
ですが、今回のインタビューの中では、敢えて分かりやすく解説をしていただけました。
私自身も特にレースの時にはサプリメントを活用していますし、レースでどのサプリメントをどう活用するのか?と計画すること自体が、1つの楽しみだったりもします。
サプリメントに依存することはよくありませんが、マラソンライフを楽しみ、かつ最高のパフォーマンスを引き出すための1つの手段としてエナジージェルやクエン酸、アミノ酸といったサプリメントをご活用いただければと思っています。
最後に、今回インタビューのご協力をいただきました島田さんが在籍されています、株式会社アリストでは、プロのウルトラランナーが商品開発にも携わっているクエン酸、アミノ酸、糖質サプリメントを始め、多くの商品が販売されています。
今回のインタビュー記事を参考に、ぜひ一度お試し下さい。その際は、インターネットやスポーツ店、薬局等でお買い求めいただけます。