マラソン・ランニングで膝痛が起きたら、最初に考えたい2つのこと!

ランニングやマラソンをやっていて困ることトップ3に必ず入るもの。

それは膝の痛みに関する悩みです。

初心者の方であろうと上級者であろうと、ランニングやマラソンをやっている人は怪我をする可能性は0ではありません。

ランニングやマラソンが膝の痛みを引き起こしやすいスポーツである!ということを言いたいのではなく、あらゆるスポーツにおいて、怪我をするリスクは必ずついて回ります。

その怪我や痛みを予防しながら、ランニングライフを楽しむことができればいいですよね?

そもそも、「怪我」は大きく2つの分類ができます。

1つは1回のインパクトで怪我をしてしまうもの→外傷

例えば、膝の前十字靭帯という箇所をジャンプの着地に失敗し、損傷してしまった。

集団の中でのランニング中、前の人の足に躓き、足首を捻挫してしまった。

などが「外傷」にあたります。

もう1つは、身体の一部に何度も同じストレスが加わることで痛みを引き起こしてしまうもの→障害

例えば、今回のテーマでもある膝の痛み(ジャンパー膝、ランナー膝など)や足の骨の疲労骨折などが「障害」にあたります。

ランニングの場合は、1回のインパクトで怪我をするケースはどちらかというと少なく、ほとんどが何度もストレスが加わることによって起きる「障害」です。

ランニングで膝を痛めるケースは実際に多いようですが、しっかりと予防をすることで、ランニングによる障害は減らすことができます。

知っておきたいランニングで起きる膝の痛み・怪我ベスト3

という記事の中でもご紹介しましたが、ランニングで起きやすい膝の痛みを分類すると、

膝のお皿まわりに痛みが出るもの(ジャンパー膝)

膝の外側に痛みが出るもの(ランナー膝)

膝の内側に痛みが出るもの(鵞足炎)

という感じで分けることができます。当然痛む箇所が違えば、膝を痛める原因も違うわけです。

ですから、ジャンパー膝とランナー膝の対処法は違いますし、もっというと同じジャンパー膝の中でも原因が同じであるとは限らないわけです。

つまり、ここで最初のポイントに成りますが・・・

原因を追求・把握する

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まずは、しっかりと膝の痛みが出てしまった原因を追求することからスタートしなければなりません。

以前、ランニングで膝が痛くなってしまったら必ず実施したい4つの対処法!という記事の中で、対処法の概略をお伝えしました。

この記事の中では、アイシングをする、病院へ行く、ストレッチをする、トレーニング(筋トレ)をするという形で紹介しました。

もちろん、どれも取り組むべき項目です。

ですが、中でも原因を追求し、把握していなければ、どこをどうストレッチしていいのか?どこをどのようにトレーニングすればいいのかが分かりません。

病院に行って、診断名がついたとしても、それは「結果」であり「原因」ではないわけです

例えば、ランニングで膝の痛みを感じるようになった場合、太ももの前の筋肉が硬いか、筋力が弱いかという判断をする場合が多くあります。

だから太ももの前をストレッチしたり、トレーニングすることが多いですよね。

もちろん、太ももの前が硬かったり、筋力が弱いという原因から痛みが出ているケースもあります。

その場合は、ストレッチや筋トレでカバーしてあげるといいでしょう。

もう1つ考えなければならないのは、膝以外をしっかり見れるかどうかです

要は、膝の痛みが出ている原因は膝周りにあるとは限らないということです。

人間の身体は非常にうまくできていて、各々の関節で役割があります。

具体的に言うと、人間の身体が「動く」ことを考えた場合、全ての関節が動いてしまうと、身体はグラグラ状態になり、立っていられなくなります。

関節が動くところはしっかりと動く代わりに、当然のことながら関節を「安定させる」箇所がなければなりません。

例えば、股関節から下の関節を見た場合、膝関節というのはどちらかというと関節を安定させる働きをします。

対して、膝関節の上下にある、足関節(足首)と股関節は関節を動かすために働くケースが多いわけです。

つまり、どういう事かというと、足首や股関節がしっかり動いていないと、膝関節に影響が出やすいということです。

膝の痛みが出ている原因が膝ではなく、足首にあったというケースはよくあります。

ですから、痛みが出ているという結果だけではなく、「なぜ膝の痛みが出てしまったのか?」という原因を追求し把握することが何より大切です。

それが分かれば、具体的な対処法(解決策)を打つことができるからです。

トレーニングがランニングに活かされているか考える

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先程の例で、太ももの前の筋力が弱いことが原因で膝に痛みが出ているケースがある、という例を挙げました。

この場合の解決策はシンプルに考えると、「弱くなっているんだから、強化すればいいよね!?」という話になります。

太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が弱いんだったら、フィットネスジムに行ってレッグエクステンションマシン(※上記写真を参照)で筋肉を鍛えればいいかと言われると、必ずしもそうではありません。

もちろん、鍛えないよりは鍛えたほうが良いのは間違いありません。

ですが、仮に大腿四頭筋を鍛えたとしても、ランニング中にその筋肉が活かされなければ意味が無いということです。

筋肉は鍛え方によって働き方も変わってきます。これを専門的には動作特異性と呼びます。

どういう事かというと、写真のように座った状態でのトレーニングによって、座った時に力を発揮できるようにはなります。

ですが、ランニング動作中に筋力が必要な場合は、よりランニング動作に近い形でのトレーニングも必要だということです。

膝の痛みが出た場合の対処法としては、トレーニングで筋肉を鍛えることが目的ではなく、鍛えた筋肉がランニング中にしっかりと機能してくれるか(働いてくれるか)ということが大切なわけです。

まとめ

以上、膝の痛みや怪我に対する具体的な解決法を2つの切り口から紹介してきました。

本当は「膝が痛くなったら、これをやって下さい!」と言った感じでパターン化ができれば一番良いのですが、痛みが出る場所が人それぞれ違うどころか、原因を探っていくと本当に色んなケースが出てきます。

ですから、原因は何か?という部分だけでもしっかりと専門家に診てもらう、評価してもらうことをオススメします。

なぜなら、原因が分かれば具体的な解決手段は、最悪自分自身でもできるからです。

筆者としては、トレーニングを指導してもらうよりも、まずは原因(問題)を明確にする法が価値が高いと思っています。

参考にしていただければ幸いです。