RaidLight Presents 来年は出たい!世界のULTRA RACE! 【イベントレポート】

2018年12月7日(金)にRaidLight Presents 来年は出たい!世界のULTRA RACE!というイベントに参加してきました。

会場は東京・神保町にある、さかいやスポーツシューズ館にて開催。

今回はイベントの様子やレースの情報を中心にレポートしてみたいと思います。

RaidLight Presentsということで、トレイルランニングの専門ブランドRaidLight(レイドライト)の創業者で、トレイルランナーでもあるベヌワ・ラバル氏がフランスより来日。

チーム・レイドライトの飯野航選手とのトークセッション形式で進んでいきました。

※尚、当日のイベントに関する写真はTeam RaidLightの代田渉選手から提供していただきました。

スピーカー紹介

・ベヌワ・ラバル氏

これまで世界100カ国のレースに出場。

日本ではハセツネ、OMM(Original Mountain Marathon)、神流マウンテンラン&ウォーク、そして今回、このイベントの2日後に開催されるITJ(Izu Trail Journey)にも参加。

1999年からレイドライトブランドをスタートさせています。

もともとはマラソンからキャリアをスタートし、その後トレイルの世界へ。

世界中のレースに参加し、体験したことがレイドライトのプロダクトに反映されています。

・飯野航選手

主に世界を主戦場とするウルトラトレイル ランナー。

昨年アメリカ・デスバレーで開催されたバッドウォーターで優勝したことは記憶に新しく、サハラマラソン(MDS)9位、サハラレース優勝などなど、「極地」にめっぽう強いランナーです。

国内のウルトラマラソンレースでも何度も優勝しています。

NHKのグレートレースで、もはやお馴染みのランナーです。

今回は、お二人が参加をしてきたレースの印象も踏まえて、ご紹介できればと思っています。

UTMB ウルトラトレイル・デュ・モンブラン

まずは、言わずと知れたトレイルランニングの世界最高峰のレース、UTMB。

日本からも毎年多くのランナーが参加しています。

2018年、このレポートを書いている時点では、100マイル(169km)のレースの他に、CCC, TDS, OCCといった距離の短いレースと約308kmのPTL、計5つのカテゴリーがあります。

フランスでも非常に有名な大会で、毎年約7000人が参加。

ベヌワ氏曰わく、「レースとしても観光としても楽しい大会」。

特にフランス人はコースを熟知しているし、地元の理があると。時差が無いのでコンディションは整えやすい。とのことでした。

Grand Raid Reunion グラン レイド レユニオン

次は毎年10月にレユニオン島で開催されている、グラン レイド レユニオン。

30年の歴史のあるトレイルレースで、レイドライトがスポンサードしている大会でもあります。

2014年設立のウルトラトレイル ワールドツアーにも当初からジョインしていましたが、2018年には脱退を表明。

それでも、世界各国から7,000人ものランナーが集まる人気のレースです。

日本人にも人気のレースで、今後も参加者が増えるのではないでしょうか?

島の人の7割がトレイルランナーという異様な(?)島のようで、フランスではUTMBよりも人気の高いレースだそうです。

大会をスポンサードした理由は地元のフランス繋がり(レユニオン島はフランス領)。フランスの休暇中に開催しているレースでもあることから、多くの人が集まります。

スタートとフィニッシュ時は大会のシャツを来て走らなければならない、というルールがあります。

ベヌワ氏、飯野選手共に「食事が美味しい」とのことで、一致していました。

エイドでの食事が美味しいこと、レース前後で食べる食事が美味しいのは大事ですよね。

飯野さんはレース中、ヘッドライトの電池が切れて、携帯の灯りで走った「思い出のレース」でもあるそうです。

UTMBと違うのは、グラン レイド レユニオンは蒸し暑い環境でのレースとなっています。

The Barkley Marathons バークレーマラソン

世界100カ国のレースに参戦してきたベヌワ氏をして、「世界で一番過酷なレース」と言わしめるバークレーマラソン。

ベヌワ氏は過去に4回出場しているとのこと。

※後でお話を伺ったところ、ITJの次のレースはバークレーマラソン(5回目)だそうです!

1周約32kmのコースを60時間以内に5周するレースで、バークレーマラソンは毎年40人しか出場することができない、30年の歴史を持つレースです。

毎年40人が参加するわけですが、今までで16人しか完走者がいないそうです。

40人中16人が完走!ではないですからね。単純計算で1,200人中16人の完走者・・・。

バークレー「マラソン」ですが、地図とコンパスを見て走らないといけない大会で、オリエンテーリング力も必要とのこと。

まだ女性の完走者がいないそうなので、主催者は女性の完走者が出ることを期待しているそうです。

参加費は1.6ドル。180円程度で参加できます。参加するだけなら、かなりハードルが低いですね(笑)。

レースのオーガナイザーが吸っているタバコの火が消えたらレースがスタートする、ちょっと変わった仕組みがあります。

一方、レイドライトの本社がある、フランスはシャルトリュージュ地方でも、フランス版のバークレーマラソンとして、昨年からレースを開催しています。

バークレーマラソンと同じようなシステムで、レイドライトの本社の周りを使ってレースを開催。

80時間で30kmの周回を5周。こちらも40人の参加者で開催されています。

2年開催していて、まだ誰も完走していないそうです。

参加費3ユーロ。こちらも、参加するだけであればハードルは非常に低いと言えるでしょう。

【番外編】Algarviana Ultra Trail アルガヴィアナ ウルトラトレイル

このイベントが開催された前の週にポルトガルで開催されたウルトラトレイルレースに飯野さんが参戦してきたということで、紹介がありました。

アルガヴィアナ ウルトラトレイルは300kmの距離を一気通貫で走破する、ウルトラトレイルレース。4人一組の駅伝もあるそうです。

飯野選手はこのレースで2位。アジア人の参加は一人だけだったそうです。

ホスピタリティは素晴らしいレースだったと振り返っていました。

ただ、前日の山火事でマーキングがなくなっていたり、ルートが非常に分かり辛く、何度もロストしたりということで、苦労をしたそうです。

編集後記

今回のイベントは限られた時間の中でしたので、各レースの概要とフランス人トレイルランナー、日本人トレイルランナーから見たウルトラトレイル レースについて、情報をシェアしていただいたような感じとなりました。

50名弱の参加者に対して、UTMB参加者が数名ということでしたので、多くの参加者がこれから世界のトレイルレースを視野にトレーニングをしていきたい!という方だったのではないでしょうか?

飯野選手に「これから海外のトレイルレースに参加するランナーに対して、何かアドバイスをいただけますか?」と伺ったところ、レースはもちろん前後にも何らかのトラブルを経験する可能性があるので、それも含めて楽しんだ方が良い!とのことでした。

もちろん、海外のレースは日本のレースよりも凄い!というわけではなく、日本では味わうことのできない、異なる(トレイル)文化、レースの雰囲気、ホスピタリティに触れることで、ランナーとしての深みが増すことは間違いありません。

日本のレースの素晴らしさを再確認することもできるでしょう。

ぜひ来年は、海外のレースにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?