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ランニングフォームからマラソンで疲れない走り方、着地方法を考える

 2015/08/15 ランニングノウハウ ランニングフォーム
この記事は約 9 分で読めます。

マラソンの練習中でもレース中でも、いかに効率良く走ることができるか?楽に走ることができるか?というのは、ランナーにとって非常に大事なポイントです。効率の良い走り方とは?ランニングフォームとは?様々な疑問もあることでしょう。

できることなら、疲れを溜めずに楽に走り続けたいですよね?

その結果が、自己ベストの更新だったり、より長い距離を走れるようになる(例えばウルトラマラソンを完走する)ことに繋がります。

では、どうしたら疲れを溜めずに楽に、長く、そして速く走り続けることができるのでしょうか?

とは言え、「これさえやっておけば!」というものはありません。

ランニングのパフォーマンスを決定するのはフィジカル(最大酸素摂取量や乳酸性作業閾値、ランニングエコノミ―)の他、レース当日の食べ物、メンタル、コンディション全般、そしてレースまでのトレーニングなどなど、様々なファクターが絡んできます。

最高のパフォーマンスを発揮するには様々なファクターが絡んで履きますが、その中で今回は「ランニングフォーム」に着目して、疲れを溜めずに楽に走る方法を考えてみたいと思います。

ランニングフォームと一言で言っても、その見方は様々です。

楽に効率良く走るということを考えた場合、下半身の動きに注目してみると、足の接地(どうやって地面に対して足を付いていくか)が非常に大切です。

ランニング中の足をどこに接地していくか、どうやって接地するかでパフォーマンスは変わってきます。

もちろん、体幹や肩甲骨の動きなど、動作全体を考えていく必要はありますが。ランニングフォームの中で、足の接地(着地)に関して考察を深めていきましょう。

足をどこに接地(着地)させるか?

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まずどこに足を接地(着地)させていくか?

について考えてみたいと思います。

より長く、楽に走るためにはできる限り筋肉や関節にダメージを加えないことがポイントです。

筋力トレーニング(例えば、腕立て伏せ)を例に考えてみても、筋肉を使えば使うほど、つまり反復回数が増えれば増えるほど、疲れてしまいますよね。ですが、手を付く位置や肘の曲げ方によっては、反復できる回数は違ってきます。腕立て伏せと言っても多くの回数を重ねたいという場合は、筋肉に負担をかけないやり方もあるということです。
※もちろん、腕立て伏せは筋肉に負荷をかけることが目的であり、楽に実施するのが目的ではありません。

ですから、ランニングフォームに関して考えると、なるべく筋肉に負担をかけないように走る方法を考えなくてはなりません。

重心より前方に着地させる

まずは、前に振り出した足を自分の上半身(身体の軸)より前に着地させる場合から考えてみましょう。

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このような走り方を続けていると、着地のタイミングで太ももの筋肉に負担がかかってしまいます。

太ももの前の筋肉に負担がかかることで、特に筋力が弱い人は膝周りの怪我のリスクも高くなってしまいます。

もう1つは着地をして蹴り出すまでに時間がかかり、長い時間筋肉が活動しなければならないということです。

前方への振り出しが大きくなると、必然的に踵から着地することになります。

分かりやすい例を挙げると、急な坂道を身体を反らせた状態で走る場合、非常に大きなブレーキをかけながら走ることになってしまいます。

重心の真下に着地させる

次に、上半身の真下に足を着地着地させる場合を考えてみましょう。

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この場合は、足を前に着地する場合に比べて接地時間が短くなるので、筋肉の活動時間も短くなります。

また、分かりやすく説明すると頭から足までが一直線(正確に言うと、膝は少し曲がった状態になりますが)になるため、いわゆる「骨で立った状態」を作ることができます。
※骨だけで立つことはできませんが、イメージしやすいために使っています。

ですから、踵接地に比べると、筋肉への負担を抑えることができるわけです。

上半身と着地位置との関係性

足の着地位置として、重心の前に着地するか真下に着地するかという紹介をしました。

もう1つ大事なことは、上半身をいかに保てるか?ということです。

分かりやすく言うのであれば、重心の真下に足を着地させたと思っていても、例えば腹筋や体幹が弱くで上半身が反るような感じで走っていれば、位置関係としては前に着地させていることになるわけです。

普段、上半身より前に足に着地している人でも、上半身を前傾させることで、位置関係としては真下に着地させていることになります。

ランニング中に上半身と足の運びを「意識」することはできますが、意識し続けることはできません。

例えば、上半身の前傾を42km意識し続けることが難しいのは、想像するだけでも難しいのが分かるはずです。

ですから、脚力を付けることも大切ですが、上半身をキープするだけの上半身、体幹の筋力をつけることも大切です。

足をどうやって接地(着地)させるか?

次に足をどうやって接地させていくか?について考えていきたいと思います。

色んな所で議論されているテーマですが、踵から接地する、足全体でフラットに接地する、つま先から接地する、の3つの場合を考えていきましょう。

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踵から着地する

踵から接地するということは、少なからずブレーキをかけながら走っていると言えるでしょう。

また、踵から接地した場合は足が地面に付いている時の時間が長くなるため、走る時間や距離が長くなればなるほど負担も大きくなってしまいます。

多くのランナーが踵接地のランニングフォームで走っているようです。

極端な例で言うと、重心よりも前に踵から足を接地すると、より大きな負荷が身体にかかってしまいます。

足全体で着地する

足の裏全体で着地することの利点としては、ふくらはぎの筋肉など小さな筋肉ではなく、お尻の筋肉を使って走ることができます。足の裏全体で衝撃を吸収することができるのも特徴です。

また、ランニング中の上下動が少なくなるので、エネルギーロスが少なくなります。

スムーズな平行移動ができるということです。

ランニング中の振り出し足を重心の真下に落とすことで、足全体での接地に近づけることができます。

つま先から着地する

アフリカのエリートランナーはつま先から接地している!というデータが出てから、一気に認知度が上がったような気がします。

NHKのドキュメンタリー番組(ミラクルボディ マラソン最 強軍団,2012 年 7 月 16 日放送)で,ケニア人長距離トップ選手の前足部(つま先)着地の優位性について調査を行い,国立スポーツ科学センターのラボテストで,ケニアの Patrick Makau および日本の山本亮選手(佐川急便,2012 ロンドン五輪マラソン代表)の走動作における着地方法と地面からの衝撃の強さに関する実験が行われました。

その結果,山本選手が踵付近で着地するのに対し、Makau は前足部外側付近で着地をしており,また,踵着地では地面から体重の 2.2 倍の衝撃を受けるのに対し,前足部着地では体重の 1.6 倍の衝撃であり,筋電計のデータより前足部着地が省エネ走行につながっていることを明らかにしました。

つまり、つま先から接地するほうが踵から接地する場合に比べて膝から下の筋肉へのダメージが少ないということです。

結果的につま先接地の方が接地時間が短くなるので、身体へのダメージが必然的に少なくなるとも言えるでしょう。

理想論を言うのであれば、つま先からの接地を繰り返し、筋肉への負担を少なくする。そうすることで、より長く、そして楽に走ることができると言えます。

ただし、アフリカのエリートランナーはつま先接地を意識して走っていたのではなく、小さい頃からの生活習慣等が影響していて、結果的につま先接地になっている可能性が高い!

ということを前提として理解しておく必要があります。

「正しい」ランニングフォームは存在するのか?

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ここまで主に「着地」に注目して解説をしてきました。

ですが、着地にとらわれてしまうのもよくありません。何故かと言うと、そもそも身体的な特徴、筋力、関節の可動域には個人差があるからです。なので、万人にとって正しいランニングフォームというものは存在しません。

その人にとって「理想的なランニングフォーム」はありますが、一般的に「正しい」とされているランニングフォームには筋力や可動域などによって、向き不向きが必ず存在します。

例えば、「走る時には1つの線の上を走るようにしましょう!」という情報があります。

では、この走り方が万人に合っているのか?というと、そうではありません。合っている人もいるでしょうし、逆に合わない人もいます。

もう少し解説すると、例えば、O脚の人が1つの線上を走るような走り方をすると、O脚によって股関節を内側に回旋させる可動域が狭くなっているので、走りが窮屈になります。制限されている動きを無理やりやろうとすると、別の部分に負担がかかります。

その結果、怪我をしてしまう・・・という悪循環に陥ることに。

なので、ネットや雑誌、本などで「正しい(とされている)フォーム」を真似ることよりも、まずは自分の身体・走り方がどうなっているのか?筋力や柔軟性がどうなのか?を知ることが大切です。

現状を把握することで、課題が見つかります。課題が見つかれば、適切な解決策を提示することができるわけです。

まとめ

もちろん、足の着地場所や着地方法を意識しながら走るのは得策とは言えません

つま先から着地する方法が良い!というだけで、実践するのではなく、今のランニングフォームが踵から接地していても無理にフォームを変える必要はありません。

※踵接地を意識するのも良くないのですが・・・

足の着地の問題に限らずですが、意識し続けながら走り続けること自体が非常にシンドいということが1つ。

意識して動かしているということは必ず普段使っていない筋肉を使うことになるので、余計に疲れやすくなるということがもう1つです。

怪我をするリスクすらあります。

ですから、ストレッチ、トレーニングやドリル等を活用して、無意識のレベルで実践できるようにすることが大切です。

今回はランニングフォームの中でも、特に足の着地に注目する形になりましたが、上半身(特に体幹、肩甲骨周り)の使い方も非常に大事です。

安定したランニングフォームを獲得する方法はこちら

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ビジネスアスリート

データサイエンティスト


株式会社ストレッチサポート 代表取締役

1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ


高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。


主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。


2011年4月に会社を設立。

テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」

ために事業活動を行っている。


2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。

2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。


自分自身も実践者として、常に挑戦を続けている。


<メディア掲載実績>

テレビ NHKまちかど情報室

雑誌 Tarzan(マガジンハウス)

雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)

新聞 長崎新聞

ラジオ 中央FM

専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数


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