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【心拍トレーニングと運動強度】ランニングのパフォーマンスUPに必要なこととは?

 2016/11/16 マラソンとトレーニング ランニングノウハウ
この記事は約 8 分で読めます。

ランナー人口の増加、レースの多様性と共に、ランニングに関するノウハウも徐々に一般化されてきています。単に健康のために走るというだけでなく、いかに速く走るかを競うために、高強度のトレーニングを実施しているケースも多々見受けられるようになってきました。

同時に、ランナーを取り巻く科学技術も進化し続けています。

中でも、ランニング中に心拍数を計測することは当たり前とまでは行かないまでも、多くのランナーが実践しています。

数年前までは胸部に心拍ベルトを装着し、GPSウォッチでランニング中の心拍をモニタリングするのが一般的でした。ですが、今では時計内に光学心拍計が搭載されているGPSウォッチも多数リリースされ、いわゆる心拍トレーニングを簡易的に実施できるようになってきました。そして、実際に心拍トレーニングを実施しているランナーも少なからず存在します。

とは言うものの、ランニング中に心拍数を計測していたとしても、「計測しているだけ」の状態になっている人がほとんどなのではないでしょうか?

そこで今回は「心拍トレーニング」をメインテーマにご紹介していきます。

心拍トレーニングとは?

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では、そもそも心拍トレーニングとは、どんなトレーニングなのでしょうか?

ランニング中に心拍数を計測していれば心拍トレーニングなのかというと、そうではありません。大事なのは何の目的を果たすために心拍数を計測しながらトレーニングをするのか?ということです。

フルマラソンでサブ4、サブ3を達成するなど「今より速く走るため」なのかもしれません。今より5kg痩せるために、効率良く走ることが目的なのかもしれません。より楽に走れるような心拍数を把握するためなのかもしれません。

つまり、心拍トレーニングはただ心拍数を計測しながら走ることでもありませんし、目的によってターゲットとなる心拍数が異なることを意味します。

なので、フルマラソンを速く走りたいという人が毎回高い心拍数で走れば良いのかというと、決してそうではないということです。これくらいの心拍を維持しながら走ればいいよ!という正解のようなものがあるわけでもありません。

個々で目的を果たすためのターゲット心拍数は異なります。

なぜ心拍トレーニングが必要なのか?

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では、なぜ心拍トレーニングが必要なのでしょうか?

前述したように、個々が掲げる何らかの目的を果たすための1つの手法であることは間違いありません。

人によっては、「心拍数なんて計測しなくても、ペースを把握すれば問題ないだろう」と思っている方もいるかもしれません。

確かに、ランナーにとって一番身近な数値的指標は「ペース」です。1㎞あたりをどれくらいの時間で走れたか?を把握すればいいだろうと考えるわけです。

フルマラソンでサブ4を達成するにはイーブンペースで約5分40秒/㎞、サブ3なら約4分15秒/㎞となるので、これらのペースを意識してトレーニングすればいいだろうと。

ですが、ペースだけを意識していても効率の良いトレーニングを積むことができません。

というのは、人によって同じサブ4ペースでも、走っている際の疲労度が違うからです。

つまり、ペースを意識するだけでは「運動強度」が把握できません。Aさんの5分40秒/㎞とBさんの5分40秒/㎞は同じペースですが、運動強度は異なります。

なので、運動強度をコントロールしながら実施できる「心拍トレーニング」が特に練習やトレーニング時には重要だということです。

※心拍数を計測するメリットは練習やトレーニング時だけはありません。心拍数を普段から計測しておくと、体調の管理ができるようになります。特にトレーニング効果が現れてくると、安静時の心拍数が低くなります。逆に疲れが溜まっていると、安静時の心拍数も高く出る傾向にあります。

そして、心拍トレーニングの効果が出てくると、同じ強度の練習でも心拍が低い状態でトレーニングができるようになるわけです。

心拍トレーニングを実施する際の運動強度

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では、実際に心拍トレーニングを実施する場合、具体的に運動強度をどのように設定すれば良いのでしょうか?

例えば、脂肪燃焼を狙ってトレーニングをする場合は最大心拍の65〜80%程度で実施しましょう、最大酸素摂取量を向上させたいのであれば最大心拍レベルで走りましょう、というようにトレーニングの目的によって運動強度が異なります。

簡便で分かりやすい指標を示すのであれば、GPSウォッチの各メーカーで心拍ゾーンが表記されているはずなので、そちらを参考に!

あくまで、簡便な指標ですが。

では、最大心拍数はどうやって知ることができるのかというと、概算値としては220から自分の年齢を引いた値などの求め方がありますが、しっかりとトレーニングを実践している人であれば、特に高強度で行った練習(短い距離のタイムトライアルやインターバル走など)時の心拍を元に運動強度を決めると良いでしょう。

健康の保持増進やダイエット目的の人は、大まかな数値になってしまいますが、カルボーネン法

目標心拍数=(220-年齢−安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数

にて求めていくと良いでしょう。

ただし、最大心拍の◯%で走るというのは一つの目安であって、絶対値ではないということ。大切なのは、心拍計測を継続していきながら、適宜調整していくことではないでしょうか。

マラソンに関する具体的な練習・トレーニング方法に関しては、マラソンに必要な練習・トレーニング方法【最新版】にも記載しましたので、参考にしてみて下さい。

心拍トレーニングをパフォーマンスに繋げるためには?

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前述したように、ターゲット心拍数は目的によって異なります。ですが、心拍トレーニングをランニングのパフォーマンスに繋げるためには、単に最大心拍数の◯%でトレーニングを実施する、というだけでは不十分です。

なぜなら、ターゲットとなる心拍数でトレーニングを実施しただけでは、実際にパフォーマンスが向上したかどうかの判断が難しいからです。

なので、ターゲットとなる心拍範囲でトレーニング内容を実施することと同時に、トレーニングの「効果測定」をしていくことが大切です。

つまりトレーニングのデータを積み上げ、変化を「見える化」していく必要があります。

実際のトレーニングと効果測定をセットで行うことで、トレーニングが上手くいっている場合は、同じスピードで走っていても、心拍が低く表示されます。同様に同じ心拍数で走っていたとしても、トレーニングの効果が出ていればスピードが速くなっているはずです。

その際に活用できる指標が乳酸生作業閾値(LT)です。

※乳酸性作業閾値(LT)に関する詳細は乳酸性作業閾値(LT)を様々な切り口から考察したら、こうなった!の中に書いていますので、ご覧ください。

乳酸性作業閾値は実際に計測する場合は、研究機関での採血を伴う運動が必要です。予測値としては特定のGPSウォッチでも計測できるようになってきましたので、活用するのも一つの手です。

※この記事を書いている時点ではGARMINのForeAthlete 630J、735XTJ、935、fenix 3J、fenix5シリーズでLTが計測(予測)できます。その際、心拍ベルトが必要なこともお忘れなく。

ではなぜ、LTが心拍トレーニングの効果測定の指標となるのでしょうか?

ランニングのパフォーマンスを決定付ける指標として、最大酸素摂取量(VO2Max)、乳酸性作業閾値(LT)、ランニングエコノミーの3つがあることは有名です。

LTに注目して考えてみると、体内に乳酸を蓄積しにくい人ほどランニングのパフォーマンスが高いということです。簡単に言うと。

ちなみに、LTは適切なトレーニングを積むことで改善します。

つまり、心拍トレーニングによってLTが改善されれば理論上はランニングのパフォーマンスは上がるということです。

その際、LT値の心拍数とペースをモニタリングしていきます。

LT時のペース、心拍数がセットで分かるというのがポイントです。

仮にLTを計測した際のLTペースが5分/km、心拍数が165bpmだったとしましょう。

これらの数値がトレーニングによって、仮に4分50秒/km、心拍165bpmに変化したとしたら、パフォーマンスが上がったことが理解できます。

同じ心拍数でスピードが上っているので、速くなったことが理解できますよね。

このように、スピードや心拍数などの因果関係を見ながら効果測定を行い、適切なトレーニング計画を立てることができるようになります。

まとめ

今回の記事は「心拍トレーニング」をテーマにご紹介してきました。

ランニング中の運動強度を把握したり、コントロールするためにはペースではなく心拍数の計測が鍵を握ります。

とは言うものの、心拍トレーニングを実施するには「心拍計」が必要不可欠です。

心拍計測はほとんどの場合、ランニングウォッチ(GPSウォッチ)にて計測が可能です。時間やペースなどと一緒に心拍数を確認しながら走ることができます。

とは言うものの、心拍トレーニングや心拍計測は万能ではありません。つまり、心拍トレーニングがあなたのランニングに関する悩みを全て解決してくれるというわけではないということです。

当然のことながら、心拍トレーニング、心拍計測の限界はあります。

合わせて、【心拍トレーニングの限界】心拍に影響を与える7つの要因をご覧いただけると、その意味が理解できるはずです。

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ビジネスアスリート
データサイエンティスト

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

自分自身も実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

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