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マラソンで怪我なく速く走るために必要な「ピリオダイゼーション」という考え方

 2016/06/29 マラソンとトレーニング
この記事は約 6 分で読めます。

マラソンやランニングの練習、トレーニングに取り組むほとんどのランナーは、怪我なく速く走りたい!という願望を持っているはずです。

ですが、その思いとは裏腹に、なかなか効果の上がるような練習ができない、練習量が増えると怪我をしてしまうというランナーも多いのではないでしょうか?

もちろん、極端な例を除くと、練習量が多いからというだけで怪我に繋がるとは言い切れません。

ランニング中の身体の使い方、ランニングフォームに課題があり、怪我に繋がっているケースもあります。

もう1つは練習が単調になりすぎていて、怪我をしてしまうケースがあるということです。

毎回毎回走る練習だけ。しかも、毎回同じ内容の練習をすることで、特定の筋肉や関節にストレスをかけているケースも少なくありません。

自分では気づいていなくても、常に強度の高い練習をしていて、なかなか疲労が抜けない・・・という人だっているかもしれません。疲労の蓄積が怪我に繋がることだってあるわけですから、何とか工夫をしていかなければなりません。

そこで今回は、マラソンで怪我なく速く走るために必要なピリオダイゼーション(期分け)という考え方についてご紹介していきたいと思います。

ピリオダイゼーション(期分け)とは?

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レース当日に身体のコンディションが最高の状態で臨むために、年間(もしくはある一定期間)の練習・トレーニングをいくつかの段階に分け、その段階ごとのトレーニングを体系的に組み合わせていくことを「期分け(ピリオダイゼーション)」と言います。

単に計画を立てるという意味ではなく、時期によって、練習やトレーニングの強度(質)・量・頻度・種類等を変えていきます。

基本的に、ピリオダイゼーションとは筋トレのメニュー作りの際に使われる概念です。

毎回同じような筋トレをしていたら、最初は筋力が上がりますが、どこかで必ず頭打ちになり、筋トレの効果が感じられなくなったり、トレーニング自体がマンネリ化してしまうリスクがあるわけです。

なので、目的に応じて、例えば筋肉の量を増やすのか?筋肉の最大出力を上げるのか?パワー(筋力×スピード)を高めるのか?筋トレよりも競技に特化したスキルを高めるほうが優先なのか?

変化をつけながらトレーニングを実施していきます。

同様に、マラソンにおいてもランニングのパフォーマンスを効率よく高めるために、ピリオダイゼーション(期分け)が取り入れられています。

基礎的な持久力を高めるのか?スピードを上げたいのか?ランニングフォームの改善に取り組むことを優先する時期なのか?

など目的によって練習・トレーニングの内容を変えていくわけです。

他の競技から考えるピリオダイゼーションとは?

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プロ野球選手やサッカー選手、ラグビーの選手は必ずと言っていいほど、トレーニングを実施しています。ですが、毎回同じようなトレーニングをやっているのかというと、そうではありません。

彼らは1年間のシーズンをいくつかの「期」に分けて、プログラムを作っているわけです。

※選手自身が作っているというよりも、トレーナーが作っているわけですが。

例えば、プロ野球選手であればインシーズ(いわゆるペナントレース)は3月から長いチームだと10月下旬まで続きます。その後、オフシーズンがあり、キャンプが始まり、オープン戦(プレシーズン)、ペナントレースという具合に進んでいきます。

それぞれの期間で目的に応じてトレーニングの中身が変わってくるわけです。

もちろん、全てはペナントレース全体を通じて勝利し、日本シリーズで勝つことを最大の目的にしてます。

例えば、オフシーズンは野球の実践からは離れるので、多くのアスリートが筋トレを含めた野球以外のトレーニングに取り組みます。ですが、ペナントレース中は筋トレで筋肉の量を増やすことよりも、野球そのものの技術・パフォーマンスを高めるような練習やトレーニングが重視されるわけです。

また、ほぼ毎日試合があるので、いかに心身のコンディションを整えることができるかに焦点が当たります。

つまり、目的によって練習やトレーニングは変わって当然であり、むしろ変えていかなければならないということです。

野球と少し違うスポーツで言うと、例えばラグビーという競技で考えてみましょう。

日本のラグビー(トップリーグ)は、チームとしては春のシーズン(主に練習試合がメイン)、その後夏の強化合宿等があり、秋のリーグ戦、リーグ戦の上位チームが出場できるプレーオフ、その後少し間をおいて、日本選手権といった感じで、野球とは少し違った形で最高のコンディションを作っていかなければなりません。

マラソンにおけるピリオダイゼーションとは?

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では、マラソンの場合はどうでしょうか?

もちろん、私たちはプロアスリートではないので、勝利のために毎日練習やトレーニングをするわけではありません。

あまりにキッチリ計画を立て過ぎても、人によっては嫌になってしまうかもしれません。

ですが、ただ目的もなくジョギングしてればいいのかというと、そういうわけにもいきません。特に怪我なく速く走りたいという人は。

フルマラソンでサブ4、サブ3などの記録を狙うのであれば尚更です。

とは言え、マラソンの場合は個人差が非常に大きく、フルマラソンだけをターゲットに取り組む人もいれば、ウルトラマラソンにも取り組む人、トライアスロンが中心でオフシーズンにフルマラソンに取り組む人、トレイルランとマラソンに取り組む人、などなど。

人それぞれランニングスタイルが異なるので、目的に応じて1年単位で計画を立てる必要があります。

それぞれ種目特性が違うので、例えば、ウルトラマラソンの完走とフルマラソンの自己記録更新の両立は非常に難しいわけです。

考え方としては、1500mなどの中距離の選手が100mでも勝てるようになりたい!というのが難しいのと同じです。

野球の練習とソフトボールの練習を両立させるのが難しいというのと同じかもしれませんね!

なので、自分自身の目標が幾つかある場合は、それぞれの目標に応じて計画・期分けをしていく必要があります。

大目標を立てて、そこから逆算して小目標をクリアしていく、というケースだってあるでしょう。

いずれにしても、目標を立て、そこから逆算して練習・トレーニング計画を立てる力というのは、怪我なく速く走りたいランナーにとって必要不可欠だと言えます。

まとめ

今回の内容はいかがだったでしょうか?

ピリオダイゼーションの本質は、単に練習計画を作るというのではなく、練習やトレーニングの強度(質)・量・頻度・種類等を変えることで、最高のパフォーマンスを発揮できるようにすることです。

記録がなかなか伸びない、頭打ち感がある、いつも怪我に悩まされているという方は、ぜひ毎回同じような練習やトレーニングをするのでもなく、特定のルーティンに頼ることでもなく、自分の目的に応じた計画を作ること。

そして「期」に応じた変化をつけて、合理的にランニングのパフォーマンスを高めていきましょう!

マラソンにおける目標達成を考えた場合、どんな練習・トレーニングをするのか?つまり「戦術」よりもまず考えなければならないのは「戦略」です。

戦略とは「長期的な視点で策定する計画・プラン」であり、戦術は「戦略を実行するための具体的な手段」。

いきなり具体的な練習方法を考えるよりも、計画を立てる・期分けをすること(戦略立案)から始めましょう!

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ライター紹介 ライター一覧

浦中宏典

浦中宏典

ビジネスアスリート
データサイエンティスト

株式会社ストレッチサポート 代表取締役
1983年8月12日 長崎県長崎市生まれ

高校卒業後、大学でスポーツ科学(運動生理学・バイオメカニクス)を学び、トレーナーとしてスポーツの世界で実績を積む。

主な活動実績はJR東日本硬式野球部、サントリーサンゴリアス(ラグビー・トップリーグ)、国際テニストーナメント、世界陸上大阪大会、日本大学フェニックス(アメリカンフットボール)他。2011年、サハラマラソンランナーのトレーナーとしてトレーニングと身体のケアを担当。

2011年4月に会社を設立。
テクノロジーの力でスポーツアクティビティを今より楽しくすることで、「もっとチャレンジしたくなる世の中を創る」
ために事業活動を行っている。

2015年4月に開催されたサハラマラソンにランナー兼トレーナーとして出場・完走。
2017年9月にはアメリカ ユタ州を中心に開催されるGrand to Grand Ultra(7日間6ステージ273㎞のレース)に参加し完走を果たす。

自分自身も実践者として、常に挑戦を続けている。

<メディア掲載実績>
テレビ NHKまちかど情報室
雑誌 Tarzan(マガジンハウス)
雑誌 トレイルラン2017夏号(山と渓谷社)
新聞 長崎新聞
ラジオ 中央FM
専門誌 月刊トレーニング・ジャーナル 他多数

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